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「粉体乳化」でリキッドファンデーションの皮脂くすみを克服

(PR TIMES) 2021年11月16日(火)12時45分配信 PR TIMES

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、リキッドファンデーションの課題である皮脂によるくすみ(以下、皮脂くすみ)を粉体乳化の技術により克服することに成功しました。この技術を活用することで、時間が経ってもくすみにくいことが期待できます。この知見は今後、ポーラ・オルビスグループの商品やサービスに活用されます。

粉体乳化でリキッドファンデーションの弱みを克服

水と油のように混ざりあわないものを均一に分散させることを乳化といい、クリームやリキッドファンデーションなどの化粧品に広く用いられている技術です。通常は、水と油の間を取り持つために、水になじむ部分と油になじむ部分を合わせ持つ「界面活性剤」が乳化剤として用いられます。ポーラ化成工業では、乳化に界面活性剤ではなく粉体を使う「粉体乳化」の研究も行っています。これは水と油のそれぞれに親和性のある粉体を利用し、水と油の間を取り持たせる方法です。粉体の利点を活用することで、これまでに、服などに付きにくいリキッドファンデーション※1や、海水や汗と反応し耐水性が高まるサンスクリーン※2の技術などを確立してきました。
今回さらに研究を進め、リキッドファンデーションの課題だった「皮脂くすみ」を克服することに成功しました。

※1 2019年の国際化粧品技術者会(IFSCC)中間大会にて発表 「スポンジのような化粧膜となる二次付着しないファンデーションの開発」
参考リリース:「9割の女性が悩むファンデーションの二次付着を解決」(2019年10月4日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20191004_4.pdf
※2 2016年のIFSCC世界大会にて発表 「海水を味方につけて機能を上げる日焼け止め“Sea-friendly sunscreen”の開発」


きっかけは研究員の気づき-粉体乳化リキッドファンデーションは皮脂が混ざってもくすまないことを発見


[画像1: https://prtimes.jp/i/36737/273/resize/d36737-273-98a2872b95f3da322720-0.jpg ]

界面活性剤で乳化したリキッドファンデーションにおいては、皮脂が加わるとくすむことが知られていました(補足資料1)。しかしポーラ化成工業では粉体乳化の研究の過程で、粉体乳化のリキッドファンデーションは皮脂を混ぜてもくすみにくいことを発見。この発見をもとに研究を進め、皮脂によるくすみを効果的に抑制することに成功しました(図1)。また、これは、油分によって色素の分散が影響を受けにくいためだと考えられました(補足資料1)。



実際の使用に近い条件での違いも検証

実際の使用シーンに近い条件でも効果を確認するため、皮脂を薄く塗布した上にリキッドファンデーションを塗り見た目を比べたところ、皮脂くすみが抑えられることが確認できました。また、粉体乳化リキッドファンデーションでは皮脂によるくずれも防ぐことが観察されました(補足資料2)。


乳化に使用する粉体の工夫で汗によるくずれにも強く

粉体乳化リキッドファンデーションには、汗によるくずれにも耐性を持つことが分かっています。今回の開発ではさらに、疎水性の高い粉体を用いて乳化することにより、従来よりも汗をはじいてくずれにくく、化粧持ちの良さを高めることに成功しました(補足資料3)。

本研究により、皮脂くすみを防ぐ技術を確立することができました。さらに汗による化粧くずれを防ぐ機能の強化にも成功し、リキッドファンデーションの持っていた大きな課題を克服できたことになります。ポーラ化成工業では今後もお客様のニーズに応えるため独自の乳化研究を続けていきます。


【補足資料1】 くすまないメカニズム

界面活性剤は乳化の他に、色素の分散にも関わっており、その作用は周りの油分の構成によって変化します。リキッドファンデーションを肌に塗り皮脂が混ざると界面活性剤による色素の分散に影響を与え、色素を凝集させやすくします。色素が凝集すると発色が低下することから、くすみにつながります。これが皮脂くすみの起こる原因です。一方、界面活性剤を使わない粉体乳化は油分の影響を受けにくいため、皮脂が混ざっても色素はきれいに分散したままで、発色をキープすることができます(図2中央)。
さらに、粉体乳化リキッドファンデーションを塗布したときの断面を観察すると、内部の水が蒸発したあとの小部屋が観察され、余分な皮脂を取り込むことが分かりました(図3)。これにより、皮脂による崩れも防ぐことが期待できます(図2右)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/36737/273/resize/d36737-273-c9a9c19733dabeba19cf-5.png ]



【補足資料2】 実際の使用に近い条件でのくすみ抑制確認


実際にリキッドファンデーションを塗ったときの膜として皮脂くすみの違いを検証しました(図4)。人工皮脂を塗布した上にリキッドファンデーションを均一に塗り、皮脂の有無での膜の差を観察しました。界面活性剤乳化リキッドファンデーションは皮脂により色が変わり膜が崩れていますが、粉体乳化リキッドファンデーションは色の変化がなく、膜も崩れていないことが確認できました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/36737/273/resize/d36737-273-c3d8ff4ee8dbdd35706e-3.jpg ]



【補足資料3】 汗による化粧くずれの確認

今回開発したリキッドファンデーションでは撥水性を持つ粉体を用いており、汗に対する撥水性を高めることにも成功しました(図5)。
人工皮革にリキッドファンデーションを均一に塗布し撥水性の違いを観察したところ、粉体乳化リキッドファンデーションのほうが、より撥水性が高い膜であることが確認できました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/36737/273/resize/d36737-273-3e1866d9a37d0c59036e-4.jpg ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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