プレスリリース
パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)、株式会社JVCケンウッド(以下、JVCケンウッド)、WiL, LLC(以下、WiL)は、エッジAIの社会インフラ「Vieureka(ビューレカ)プラットフォーム」を提供する新会社「Vieureka株式会社」に共同出資し、2022年7月1日より営業を開始いたします。
社会では、少子高齢化に伴う労働力不足や熟練工の技術継承問題、新型コロナウイルス感染症をきっかけとした企業の働き方改革、人の対応が必須と考えられている「現場」の労働生産性向上といった課題が顕在化しています。このような課題解決を目的として、ハードウェアとAIを掛け合わせた「エッジAI」の活用が期待されています。エッジAIとは、AI技術を利用したソリューションを、外部ネットワークを介さずに現場で活用可能にする技術です。このエッジAI技術により、リアルタイム性が求められる利用シーンにおいて、安心・安全かつ低コストで人手の作業置き換えができ、生産性向上が可能になります。エッジAI活用の市場規模は、2027年までに80億ドル超*1になることが見込まれています。
一方で、エッジAIを現場で実装するには、開発・導入を簡易にする基盤技術や、導入後の手軽な運用および柔軟な拡張ができる仕組みが不可欠です。
Vieureka事業はこれらの必要性に着目し、エッジAIの現場実装を支える社会インフラとして「Vieurekaプラットフォーム」を2017年から提供しており、エッジAIカメラの運用数ではシェアNo1*2となっています。
Vieureka株式会社は、エッジAIにおけるグローバルでの社会インフラ構築を目指し、その取り組みを加速させるために、Vieureka事業を行ってきたパナソニックHD、ドライブレコーダー市場のリーディングカンパニーであるJVCケンウッド、大企業のオープンイノベーションを促進するWiLが共同で出資し、運営します。なお、パナソニックHDでVieureka事業のプロジェクトリーダーを務める宮崎秋弘も出資し、新会社に移籍し代表取締役に就任します。
3社の強みを兼ね備えたスタートアップ企業のVieureka株式会社は、エッジAIプラットフォームのトップランナーとして更なるスピード経営・事業拡大に取り組み、エッジAIの現場実装を牽引してまいります。
【各社のコメント】
●宮崎 秋弘(Vieureka株式会社 代表取締役)
現場の人手不足が叫ばれるなか、豊かな社会を維持し、発展させていくには、労働生産性向上の課題から目を背けることはできません。この課題解決に寄与するのがエッジAIだと確信し、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供してきました。世界の現場にある多様な課題に向き合うには、パートナー企業様との共創も不可欠です。当社はエッジAIの社会インフラを提供し、さらなる共創を推し進め、Vieurekaの目指す未来を実現してまいります。
●小川 立夫(パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員 グループCTO、コーポレートイノベーション・ベンチャー戦略担当)
本件は、研究開発部門から生まれたプロジェクトをスタートアップ企業へトランスフォーメーションさせるという、当社にとってもこれまでにない挑戦です。この取り組みを、オープンイノベーションの理念のもと、力強い体制で立ち上げられることを嬉しく思います。これから急速に拡大していくエッジAI市場に対して、当社単独で取り組む以上の事業成長を果たし、社会・お客様に貢献していくことを、当社も支援してまいります。
●野村 昌雄(株式会社JVCケンウッド 代表取締役 専務執行役員、モビリティ&テレマティクスサービス分野責任者、事業改革担当)
当社は、中期経営計画「VISION2023」において「通信型ドライブレコーダー端末の付加価値向上によるサービス事業」の創出を掲げています。その実現に向けて、Vieurekaプラットフォームという必要不可欠な基盤技術を活用するにあたり、これ以上ないスタートを切ることができました。今後は新会社とのビジネス連携を強力に推進することで、エッジAIプラットフォームサービス事業の拡大を共に図ってまいります。
●松本 真尚(WiL ジェネラルパートナー兼共同創業者)
世界共通のテーマである労働生産性の向上に向けて、エッジAIの社会実装に取り組むVieurekaの挑戦。そして、このVieurekaを、会社の枠や前例にとらわれず、タッグを組んで支援するパナソニックHD、JVCケンウッドの挑戦。大企業の変革・オープンイノベーション創出支援に取り組むWiLとして、彼らの高い志と挑戦に大きな社会的意義を感じるとともに、ご支援できることを嬉しく思います。
【新会社概要】
・社名: Vieureka株式会社
・本社所在地:大阪府門真市大字門真1006番地
・株主構成:パナソニックHD 32.967%、JVCケンウッド 32.967%、WiL 31.868%、宮崎秋弘 2.198%
・代表者:代表取締役 宮崎秋弘
・事業内容:エッジAIを活用したソリューションの開発支援・管理・アップデートを行うプラットフォームの提供、本プラットフォームを活用したソリューションの提供
【Vieurekaプラットフォームについて】
パナソニックHDの研究開発部門で蓄積してきたハードウェア、ソフトウェア、AIなどの技術を掛け合わせで創出したエッジAIプラットフォームサービスです。現在、Vieurekaパートナープログラムには65社*3が参画。パートナー企業と共に、さまざまな現場でのエッジAI活用に向けて取り組んでいます。
これまでの導入実績・事例として、小売・流通業界では、売場でのお客様到達率や商品接触率といった定性情報の定量化により前年比売上約10%*4増加に貢献。介護業界では、介護者が各入居者の部屋に夜間巡視していた時間の約77%*4短縮に貢献。製造業界では、工場での不良品検査における熟練技術者の代替えなどを実現しています。さらに、交通、公共施設、建設、農業など、さまざまな業界でのエッジAI活用に向けた取り組みを続けています。
*1 Astute Analytica調べによるエッジAIソフトウェア市場予測(2021年11月23日時点)
*2 出典元:ミック経済研究所“エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望 2021年度版”エッジAIカメラのベンダシェア
*3 2022年6月7日時点
*4 パートナー企業による実証結果
【Vieurekaサービスに関するお問い合わせ先】
info_vieureka@ml.jp.panasonic.com
【報道関係者様 お問い合わせ先】
・パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 イノベーション推進センター 技術広報担当
crdpress@ml.jp.panasonic.com
・株式会社JVCケンウッド 企業コミュニケーション部 広報・IRグループ
prir@jvckenwood.com
・WiL 日本オフィス PR担当
pr_jp@wilab.com
<関連情報>
・(パナソニックプレスリリース)米国ベンチャー投資ファンド「WiL Ventures III, L.P.」への出資について(2022年3月4日)
・Vieureka ホームページ:https://www.vieureka.com/
・パナソニックHD ホームページ:https://holdings.panasonic/jp/
・JVCケンウッド ホームページ:https://www.jvckenwood.com/jp.html
・WiL ホームページ:https://wilab.com/
プレスリリース提供:PR TIMES