プレスリリース
最終プロトタイプのテスト結果
トライアンフモーターサイクルズジャパン株式会社(本社:東京都港区海岸 代表取締役社長:大貫陽介)は、電動モーターサイクルのTE-1開発プロジェクトが、協業各社とのコラボレーションによって当初の目標を上回り、驚くべき成果を収めた事をこの結果報告にてお伝えすると共に、TE-1開発プロジェクトの正式な完了を発表いたします。
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■161km / 100mileの航続距離
現在市販されている同クラスの電動モーターサイクルの実走行距離を大幅に上回り、実走行試験でカテゴリートップの161km/100mileを達成しました(公式予測値)。
■130 kW(177PS / 175bhp) の最高出力
TE-1プロトタイプは、驚異的な加速を実現。
0-60mph加速3.6秒、0-100mph加速6.2秒という驚異的な加速を実現。
■20分の充電時間(0〜80%)
現在市販されている同クラスの電動モーターサイクルよりも充電時間が早く、革新的な結果を残しました。
■220kg、驚異のパワーウエイト レシオを実現
現在市販されている同クラスの電動モーターサイクルより最大25%軽量化。
■トライアンフが持つUSPをTE-1でも実証し、世界中のトライアンフ ファンのエキサイティングな未来を予感させる見事な最終プロトタイプとなりました。
ピュアで個性的な、力強い音階を伴った新しいエレクトリック トライアンフ サウンド。
Speed Tripleのエルゴノミクス、形状、重量分布を再現したスケール感と視覚的インパクト。
更にSpeed Triple 1200 RSと同等のスロットルとトルクマッピングにより、トライアンフの特徴的でスリリングなフィーリングとニュートラルなハンドリングを実現。
トライアンフのDNAを100%宿したデザインとスタイルによる存在感。
トライアンフ・モーターサイクルズ、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、インテグラル・パワートレイン Ltd、ウォーリック大学による、産学一体となった特別なコラボレーションは、Innovate UKを通じて英国政府のゼロエミッション車両局(OZEV)から資金提供を受け、電動モーターサイクルの専門エンジニアリングと革新的統合技術設計において、画期的な開発を行うために立ち上げられたものです。
プロジェクト中にロードやサーキットでの大規模な走行テストを何度も行いましたが、このコラボによってTE-1プロトタイプの最終目標となる性能や設定へ重要な指針が与えられ、それらの目標をすべて達成することができたのです。
TE-1動画
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=abZas9sDSP4 ]
プロジェクトのフェーズ4完了
トライアンフTE-1プロジェクトのPHASE-4(実車テスト)はこれをもって正式に終了となり、プロトタイプは我々の期待を上回る驚くべき成果を収めました。電気モーターサイクルの開発と革新を促進するというプロジェクトの目標を全て達成、最終的なバッテリー性能と航続距離を含め、この分野全体に新しい基準を打ち立てる事に成功いたしました。
プロジェクトを通じて培われた専門知識と能力は、これから先のトライアンフが実現するエキサイティングな電動化の未来への道を開きます。
同クラスの電動モーターサイクルを大きく上回る161km / 100mileの航続距離
トライアンフTE-1プロトタイプは、現在市販されている同クラスの電動モーターサイクルの実走行距離を大幅に上回り、TE-1プロジェクトで開発されたウィリアムズのバッテリーのエネルギー容量は、同クラスの電動モーターサイクルの中でも驚異的といえる161km/100マイルの航続距離を実現しプロジェクトの目標を達成しました(公式予測値)。
TE-1では回生ブレーキの導入に成功しましたが、さらなる最適化の余地があり、モータージェネレーターユニットやトランスミッションの効率化により、将来のトライアンフ電動モーターサイクルの航続距離をさらに向上させる可能性があります。
スピードトリプル1200に匹敵するパフォーマンスと、さらに速くなった0-100mph
TE-1プロトタイプは、現行のSpeed Triple 1200と同レベルの性能を持ち、130kW(177PS / 175bhp)の最高出力と109Nmの最大トルクによって瞬時に反応し、回転域全体でスムーズに制御されたパワーと爽快なライディングを提供します。
さらにTE-1は、公式テストにおいて0-60mph加速3.6秒、0-100mph加速6.2秒という驚異的な加速を実現しました。
開発チームはトラクションコントロールシステムや前輪リフトコントロールなどのエレクトロニクスをさらに改良することで、さらなる性能向上が期待でき、トルクのポテンシャルを最大限に引き出し、より速い発進加速が可能だと考えています。
最終テストにはデイトナ200のチャンピオンレーサーであるBrandon Paaschも参加し、エンジン性能評価とサーキットテストによるプロトタイプの最終セットアップに参加しました。
「TE-1のスロットルレスポンスは信じられないほど非常にトルクフル、そしてスロットルを開けると瞬時にパワーを発揮します。これは言うまでもなく、レーサーの私は強いトルク感と瞬発的な立ち上がりが大好きなので、私にとっては本当に素晴らしい経験でした。」 とBrandonは述べています。
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革新的な20分の充電時間
トライアンフTE-1プロジェクトの一環としてウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)と共同で開発されたバッテリーと充電技術の進歩により、画期的な20分の充電時間(0-80%)を実現。これは英国におけるビジネスの成長をサポートする、政府の研究機関であるInnovate UKが設けた非常に野心的な目標をも達成しています。
総重量220kg
TE-1プロトタイプの総重量は220kgで、現在市販されている同等の電動モーターサイクルよりも最大25%軽く、驚異的なパワーウェイト レシオを実現しています。ストリートトリプルと同等のサイズとスケールでありながら、スピードトリプルのエルゴノミクス、形状、重量配分により、TE-1は信頼感に溢れ、軽快でコンパクトでありながら、スリリングなライディングを実現しています。
Brandon Paaschは「デイトナでこれがあったら良かったのに、この車体でこの加速、そしてこのコーナリングは凄い!!」さらに「この軽快さと俊敏さはストリートで乗るのに本当にいいモーターサイクルだと思います。」と述べています。
トライアンフならではのスリリングなフィーリングと、ニュートラルで自信に満ちたハンドリング。
Speed Triple 1200 RSのスロットルアクションとトルクマップを基に設計された、TE-1プロトタイプのサーキットテスト及びライダー達からの評価は、TE-1がトライアンフの誇る現行3気筒エンジンのスポーツパフォーマンスモデルに匹敵するレベルのハンドリングを実現していると伝えています。
TE-1の爽快な加速やパフォーマンスは、ダイナミックなパッケージと相まって、トライアンフの特徴であるフィーリングとニュートラルなハンドリングをすべて実現しました。
更に信頼感と楽しさを保証するパワーコントロールにより、敏捷で機敏、コーナリングに優れ、思いのままのライディングを可能にします。
ピュアで個性的な、力強い音階を伴った新しいエレクトリック トライアンフ サウンド
独特なサウンドトラックは背筋が凍るような力強い音階へ - トライアンフTE-1プロトタイプの純粋で個性的なサウンドは、独自のヘリカルギアのペアから成るプライマリートランスミッションにより、現在市販されている同等の電動モーターサイクルよりも魅力的でエキサイティングなサウンドを奏でます。
その上でTE-1は、Mira社の外部騒音測定施設にて騒音レベルをテストし、スロットル全開、クルージング、市街地走行において、R41ホモロゲーションテストで定められたすべての騒音基準を達成することに成功しました。
トライアンフのDNAを100%宿したデザインとスタイルによる存在感。
一目でトライアンフとわかるTE-1プロトタイプの力強い存在感は、明らかに未来のバイクでありながら、ハイパフォーマンスバイク特有の最新のトライアンフデザインのエッセンスを含んでいます。
最終的なデザインとペイントでアップデートされたプロトタイプは、アルミフレーム・特徴的なツインヘッドライト・ノーズの低いスタンスや佇まいに至るまで、トライアンフの特徴的なDNAをすべて備えており、100%トライアンフらしいスタイルと存在感を放っています。
プロジェクトTE-1完了
Steve Sargent(トライアンフ最高製品責任者)-「TE-1プロトタイプは既に世界中のモーターサイクルユーザーから非常にポジティブな反応を得ています。多くの人々が、初めて電動モーターサイクルを望ましいものと見なしており、そして彼らは本当に手に入れたいと思っているようです。
TE-1プロトタイプは、私たちの将来の電動パワートレイン技術へのアプローチに向けた旅の第一歩であり、集中テストプログラムで達成した素晴らしい結果は、最終的に私たちの将来の開発の指針となる重要な洞察と能力を与えてくれました。もちろん、最終的に生産されるモデルは、今日ここでご覧いただいたものとは異なりますが、私たちが開発するモデルにはこのプロトタイプから学んだコトと、わくわくするようなダイナミック・スピリッツが、すべて詰め込まれておりますのでご安心ください。」
TE-1プロジェクトの主な目的は、トライアンフが将来提供する電動モーターサイクルに必要な情報を集め、技術革新、機能、新しい知的財産を推進することで、英国の産業およびデザインの信頼性と知名度向上を目指しつつ、常に電動モーターサイクルの機能開発に焦点を当ててきました。
また実写による試験走行での成果は、現在のベンチマークや目標を上回るものであり、電動モーターサイクルの性能に関する今後の開発に大きな可能性を与えるプラットフォームとなります。
Nick Bloor(トライアンフCEO)-「私たちはトライアンフTE-1プロジェクトのプロトタイプが、当初の目標と多くの期待を超えた結果により、このような前向きな最終結果をお伝えできたことを非常に誇りに思っています。
パートナーと一緒に達成した成果、そしてこのプロジェクトの結果がトライアンフの電動化の未来にどのように反映されるのか、チームの誰もがワクワクしています。」
Dyrr Ardash(WAE 戦略的パートナーシップ責任者)-「WAEは、TE-1プロトタイプを完成させるために、このエキサイティングなプログラムに参加できたことを嬉しく思います。
2018年の構想以来、すべてのパートナーは、コラボレーション、イノベーション、情熱を持って、その境界を破るプロトタイプに命を吹き込んできました。そしてバイクの持つ力がトライアンフのDNAと一致していることを感じているライダーからのポジティブなコメントを聞けたのは喜ばしいことでした。
これらはWAEが提供したクラスをリードする軽量かつ、統合されたパッケージのバッテリーおよび制御システムによって支えられています。このコアとなるWAEテクノロジーにより、将来のパワートレインとして期待されるバッテリーの性能と充電における目標を上回ることができました。」
Andrew Cross(インテグラル・パワートレイン社 チーフテクノロジーマネージャー)-「TE-1の最終テストフェーズが完了し、当社の超集積型モーターとインバーターの性能と効率が優秀だと実証されたことを嬉しく思います。
TE-1では、ピーク出力密度13kW/kg、連続出力密度9kW/kgを達成し、2025年のAPC技術ロードマップ目標値を60%上回りました。
TE-1に採用されたモーターのコンセプトは、今年後半に発表予定の新しいモーター・アーキテクチャへの足掛かりとなり、同様の性能レベルと、従来よりもはるかに大きな製造規模を実現する予定です。
また超集積型インバーターのコンセプトは、大口径モーター用にシリコン カーバイドのパワーステージの数を増やすという拡張性も備えており、500kWを超える性能を実現しますので、今後生産用に最適化したり、より高い出力要件に対応する事が可能です。
私たちは、電動モーターサイクルと英国産業にとって画期的なこのエキサイティングなプロジェクトの主要な部分を担えたことを本当に誇りに思います。
David Greenwood教授(ウォーリック大学WMGセンターHigh Value Manufacturing Catapult CEO)-「英国での野心的な排出ガス削減目標を達成するには、内燃機関から電気推進車への移行だけでなく、自家用車からのモーダルシフトを促進する必要があります。中でも電動二輪車は排ガスゼロの選択肢として、交通革命において極めて重要な役割を担っています。
今回トライアンフとのパートナーシップにおいて、WMGは電動化における我々の研究結果を活かし、メーカーがより低い排出負荷と優れた性能を持つ製品を提供できることを実証し、乗るのがとても楽しいEVを提供することができました。
TE-1プロジェクト概要
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TE-1プロジェクトコラボレーション – トライアンフ・モーターサイクルズ、業界の専門家、学術リーダー、英国政府
トライアンフTE-1プロジェクトは、トライアンフ・モーターサイクルズと英国の電化専門家との画期的な2年間のコラボレーションであり、その後に技術革新と高度な電動モーターサイクル機能の開発に焦点を当てた、トライアンフ主導の6か月のテスト開発期間が続き、各パートナーはそれぞれの分野でイノベーションを生み出すことにフォーカスしました。
トライアンフ・モーターサイクルズが本プロジェクトのコラボレーションステージを主導し、先進的なオートバイのシャシー設計とエンジニアリングの専門知識、卓越した製造方法、そして先駆的な機能安全システムを提供し、さらには電気駆動系統の電力供給制御ソフトウェアと特性を定義しました。トライアンフは、プロトタイプのさらなるキャリブレーション、ハンドリング、およびチューニング作業を継続します。
Williams Advanced Engineeringは、自社の試験開発施設を利用して、革新的なバッテリーマネージメントシステムを車両制御ユニットと組み合わせ、業界トップクラスの軽量バッテリーデザインおよび統合機能を提供しました。
Integral Powertrain Ltd.のe-Drive部門は、スケーラブルな電力密度の高い電気モーターとSiCインバーターの開発を主導し、両方を単一のコンパクトな15kgアセンブリに統合しました。
WMG(ウォーリック大学)は、将来的な市場ニーズに基づいたモデリングとシミュレーションを通じて、電動化の専門知識と、研究開発から商業的影響への革新を推進するための重要なビジョンを提供ました。
ゼロエミッション車両局(OZEV)は、ゼロエミッション車への移行をサポートするために政府全体で活動しているチームであり、英国全体での充電ポイントのインフラストラクチャをサポートするために資金提供も行っています。これは経済成長に貢献し、英国の道路における温室効果ガスの排出と大気汚染の削減に役立ちます。OZEVは、運輸省およびビジネス・エネルギー・産業戦略省の一部です。
Innovate UK は、英国経済の成長が見込まれる科学技術プログラムを推進する政府機関であり、パートナーを支援し、資金を助成します。
本プロジェクトは、4つの主要段階に分けられ、その主たる目的の1つがシステム統合の強化です。このプロジェクトでは、自動車をベースにした電気駆動系の個々の部品を開発し、それらを革新的な複合ユニットに最適化することで、マス、複雑性、パッケージ要件を軽減する、洗練された電動二輪システムを生み出しました。
トライアンフ・モーターサイクルズはパートナー組織と協力して、バッテリーのパッケージングおよび安全性、最適な電動モーターのサイジングおよびパッケージング、回生ブレーキを含むブレーキシステムの統合、先進のセーフティシステムに関する共同の専門知識を促進しています。これらの分野で開発された技術革新と性能は、トライアンフの将来的な電動二輪車戦略に活用されます。
ゼロエミッション車両局およびInnovate UKの支援を受けるトライアンフTE-1プロジェクトのパートナーシップは、以下の創出を促進することに焦点が当てられています。
環境負荷の少ない移動手段を求めるお客様のニーズを満たし、英国政府が注力している排気量削減にフォーカスした電動二輪車量の性能
英国産業メーカーおよびサプライチェーンとの強力で商業的に実用的かつ持続可能なパートナーシップ
持続可能な雇用を確保し、英国の名声と世界規模の影響を促進する仕事と才能の基盤を生み出す、英国内の労働力における専門知識と能力
Francesca Iudicello博士(ゼロエミッション車 プログラムマネージャー・Innovate UK)-「Innovate UKは、2013年以来、ゼロエミッション車両局と緊密に連携して、統合配信プログラムを提供してきました。これにより、概念実証から車両のデモンストレーションまで、ゼロエミッション車技術の自動車セクターにおける画期的なイノベーションに資金が提供されます。
TE-1プロジェクトは、IDP15競争政策下にあるプログラムの一部であり、「ロード・トゥー・ゼロ(Road to Zero)」戦略の方針に沿っており、ゼロエミッション車とネット・ゼロへの競争に向けた重要なマイルストーンを示しています。
英国でのゼロエミッション車の二輪車製造の先駆的なプロジェクトであるこのプロジェクトに資金を提供できたことを誇りに思います。非常に才能のある革新者たちのグループによって開発に成功したため、開発期間が非常に短い最初のトライアンフ電動モーターサイクルであり、電動二輪車の将来に向けた土台を整えました。
Jon Bray – 研究開発(R&D) リーダー - ゼロエミッション車両局
“研究開発への投資は、英国をゼロエミッション車の設計、製造、利用の最前線に置くという私たちの使命にとっての鍵です。これらの技術をサポートすることで、英国全体の経済活動を定着させながら、道路輸送の脱炭素化の目標の達成を支援していきます。これにより、パンデミック後のグリーン・リカバリーをサポートします。
これが、ゼロエミッション車両局が一連の研究開発コンペティションの考案と資金提供を続けている理由です。これらのコンペティションは、ゼロエミッション車および充電インフラストラクチャ技術の開発における英国のイノベーションをサポートしています。
トライアンフのTE-1プロジェクトは、野心的な電化プロジェクトの多様なR&Dポートフォリオの一部であり、英首相が発表したTen Point Planにおける、ガソリンおよびディーゼルエンジンを搭載した自動車、商用車の段階的廃止への展望と電気自動車の取り組みに沿った課題に対処しています。
私たちの資金が、いくつかの先駆的な英国企業間のコラボレーションを促進しながら、電動二輪車の分野で革新と能力を推進する上でトライアンフ・モーターサイクルズを支援していることを嬉しく思います。”
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