プレスリリース
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オレゴン2022世界陸上競技選手権大会、最終日の7月24日、男子35km競歩が行われ、川野将虎選手(旭化成)が、大激戦の末、日本最高記録、アジア新記録となる2時間23秒15で、銀メダルを獲得しました。
◎川野将虎(旭化成)
男子35km競歩 決勝 2位 2時間23分15秒 =日本最高記録、アジア新記録
今回、銀メダルが取れたことは、本当に光栄なことで、今まで東京オリンピック(50km競歩6位)、世界チーム競歩選手権(35km競歩4位)と取ることのできなかったメダルを取れたことは本当に嬉しくて、1月に貧血の症状が出たときから支えてくださった(酒井)瑞穂コーチをはじめ、スタッフの方に感謝の気持ちでいっぱいである。
レースは、松永(大介)さんが(スタート直後から前に)出ることは想定していたが、自分は、しっかりと集団のなかで粘りのレースというところをテーマに今回は歩いた。前半は涼しいということもあり、かなりハイペースになるだろうと想像していたので、(1km)4分10秒を切ることを想定しつつ準備してきた。(実際に、そういったペースでずっと進んでいく形となったわけだが)もしかしたら松永選手にみんなが引っ張られていく可能性もあるというのが頭にあったので、どういったレースになっても対応できる準備はしていたし、ハイペースにもびっくりすることなくレースを進めることができた。
「勝負はラストの10km以降」と言われていたので、前半はいかに力を残しておくかとテーマに歩いた。スタミナ練習もしっかりしていて、4分を切って歩くようなスピード練習も十分にできていたので、中盤の4分10(秒)を切るペースでも比較的、ペース走のようにリズムよく、気持ちよく歩くことができた。
(スタノ選手との)2人の勝負になってからは、絶対に負けたくないという気持ちで歩いた。(ラスト2kmの周回でペースが上がってスタノ選手との一騎打ちとなったが)33〜34kmの1km(4分00秒から3分53秒にペースアップ)で脚を使ってしまった。スタノ選手も苦しくて(ペースが落ちているのも)わかっていたが、もう自分の力不足といえる。
スタノ選手は、昨年の東京オリンピック(20km競歩)で、(チームメイトの)池田(向希、旭化成)と一騎打ちになった選手。今回、自分が(まさに、そのときと)同じような形になったわけだが、今まで池田にずっと引っ張ってもらってきたというか、自分が池田を追うことによって強くなってきたので、スタノ選手に勝つことで、池田を勇気づけられるような歩きをしたいなと思っていた。しかし、東京オリンピックの金メダリストというだけあってスタノ選手はやっぱり一枚上手で、自分はまだまだ及ばないところがあった。この銀メダルという結果に決して満足はせずに、今後、ブダペストの世界陸上、パリのオリンピックと続くので、しっかりと慢心せずに準備していきたい。
この大会に向けては、しっかりと瑞穂コーチの指導のもと、スタミナ練習、スピード練習、あとフォームの面もしっかり取り組み、本当に安心した状態でスタートラインに立つことができた。今回は注意も1枚も取られずに歩くことができたので、そこはもう瑞穂コーチの指導に感謝したい。
50km競歩は2015年から連続してメダルを獲得してきたが、35kmに種目が変わった今回も続けてメダルを取ることができた。現在の日本の競歩があるのは、これまでつないでくださった先輩方あってこそのことだと思っている。(競歩担当シニアディレクターの)今村(文男)さんの世代とかは、今のような恵まれた環境ではなく、自分で何事も準備をして、レースをする…という状態だったと聞いている。そういった過去があってこそ今があると思っているので、自分の力だけではない。これまでの先輩たちが「つないできたバトン」を、今回、自分がつなぐことができたのは、本当によかったと思っている。
▼川野将虎選手からのメッセージ▼
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=jcLin6mpvZw ]
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォートキシモト
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