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Hacobu、「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」成果を公開!持続可能な農産物輸送に向けた打ち手が明らかに

(PR TIMES) 2024年05月16日(木)14時15分配信 PR TIMES

データの力で物流課題を解決する株式会社Hacobu(ハコブ、本社:東京都港区、代表取締役社長CEO 佐々木太郎、以下「Hacobu」)は、国土交通省・秋田県トラック協会のコンサルティングパートナーとして2021年から参画している「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」の成果を公開いたします。

持続可能な農業物流を実現するために、秋田県トラック協会・国土交通省等と共に3年間かけて取り組んできた「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」では、青果物の生産地において、集荷幹線の分離やトラック予約受付サービスの活用により、トラックドライバーの労働時間を20%削減することに成功しました。

また、その過程で課題として浮上した「首都圏市場での荷待ち・荷降し時間」の実態を明らかにするための実証実験を2024年2月に神奈川県の横浜市中央卸売市場(以下、横浜市場)で実施しました。生産地と消費地、それぞれの市場で発生している荷待ち時間について、その課題と打ち手が明らかになりました。
■本実証実験で分かったこと
<生産地・秋田県>
1.集荷/幹線の完全分離およびハブ拠点の運営強化により、積み地側の移動・積み込み作業時間を大幅に短縮
2.本実証実験の施策を通年で実施した場合、現行費用に比べて物流関連コストは増加となる見通し

<消費地・横浜市場>
3.繁忙期は同一時間帯に車両が集中する。トラック予約受付サービスを活用して荷降し車両の分散と、市場側の荷受け業務の見直しを行うことができ、場内外での荷待ち時間や荷降し時間を削減

4.仲卸伝票(送り状)および等階級単位での検品を、「総数検品」方式に変更することで、輸送効率と検品工数の効率化が図れた

■物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」見解
生産地側の集荷業務や空パレット回収業務などの一部業務費用が、物流事業者から荷主企業への請求が行われていない現状に鑑みると、このままでは新たに産地コストが発生し、「物が運べなくなる」以前に、「農産物を作れなくなる(運ぶ物がなくなる)」という事態が懸念されます。
このような事態を防ぐためには、物流関連の費用をサプライチェーン全体で負担する必要があり、物流コストが上昇すれば、最終消費者への価格転嫁は避けられないということが見えてきました。
Hacobuは、データ分析に基づいた物流DXの推進と共に、国土交通省に加えて農林水産省などへの働きかけや関係各所と連携を図りながら、持続可能な農産物輸送の実現を後押ししてまいります。

「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」について


ドライバーの労働時間短縮で輸送能力不足が懸念される物流「2024年問題」が課題となっています。食品業界も例外ではありません。ドライバー不足により、生産地から首都圏などの大量消費地への食品の安定供給が持続できないことが懸念されています。
例えば、秋田県で生産される青果物の8割以上が首都圏で消費されており、トラックによる600kmを超える長距離輸送が行われています。そのため、秋田県から首都圏へ青果物を運ぶドライバーの拘束時間は繁忙期では1運行あたり最大15時間超にもおよび、長時間労働が問題となっています。

Hacobuは、ドライバーの長時間労働を是正し、秋田県の基幹産業である農業を持続可能にするために、国土交通省・秋田県トラック協会等とともに2021年から「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」に取り組んできました。
関連リリース:https://hacobu.jp/news/6750/

荷物を積み込む秋田県側での改善効果は確認できましたが、荷物が到着する首都圏の市場での荷待ち・荷降しによる停留時間が発生していることが確認されました。この実態を明らかにするため、2024年2月に横浜市場で実態調査を実施しました。
関連リリース:https://hacobu.jp/news/8884/
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-6df1781cd262b3bacb90666c252262d1-2224x1244.png ]


本調査成果のポイント


<生産地・秋田県>
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-76950635fe54b43056d80a8ef71192db-1954x1146.png ]


●集荷/幹線の完全分離およびハブ拠点の運営強化により、積み地側の移動・積み込み作業を大幅に短縮できた
2023年11月に行った実証実験では、2022年度の実績値(最大15時間超)と比較して、ドライバー
の拘束時間が20%短縮され、12時間25分となりました。これは厚生労働省の改善基準告示で定められる、ドライバー拘束時間の上限である13時間を下回る、非常に良い成果です。集荷/幹線移動の分離、トラック予約受付サービスの活用により、ドライバーの労働時間短縮を実現しました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-60e3deffd0c593950c9a0360bd868fb0-1616x902.png ]



●通年で本施策を実施した場合、現行費用に比べて物流関連コストは増加となる見通し
秋田県では、休閑期(12月〜6月)の出荷量が減少するため、通年で本施策を実施した場合、現行費用に比べて物流関連コストは大幅に増加となる見通しです。3年間実証実験に取り組むことで、積載率は向上するものの、集荷便の導入、パレタイズ作業の適正化等の固定費が発生するため、上記コスト増に起因していることが明らかになりました。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-b88d0b673f54a3b1d1bd774cd52c0120-1500x844.png ]


<消費地・横浜市場>
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-1be13394049b97244e7d9ec991cd5178-3900x2600.jpg ]


●トラック予約受付サービスによる荷待ち時間の削減
横浜市場では、19時から22時がピーク時間になりやすく、特に21時台に車両が集中することで、荷待ちが発生していました。バース(荷物を積み降ろしするスペース)に空きがあるのにも関わらず、荷降し・検品を担当する市場の作業員不足により荷待ちが発生したケースもありました。
繁忙期には荷降し後の商品が作業スペースを占有し、作業員が空きスペースを確保するまで、荷降しの開始が遅れていました。
トラック予約受付サービスの活用により、これまでの半分以下のバースで運用が可能となり、空きスペースの確保につながります。これにより、荷待ちも解消され、大幅な改善効果を見込めることがわかりました。

[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-98b372003770b631d1a91d27b902a4c4-1618x904.png ]


●現行の仲卸伝票(送り状)および等階級単位での検品を「総数検品」方式に変更することで、輸送効率と検品作業の効率を大幅に向上
現在は産地で等階級ごと、または仲卸伝票(送り状)単位でパレタイズされて輸送されていますが、これらの方法にはそれぞれ課題が存在しています。等階級パレタイズは産地での確認作業に時間がかかり、仲卸伝票(送り状)単位のパレタイズでは積載率が低下します。
これらの問題を解決し、積載率を向上させつつ、消費地の市場で荷降し時間を削減し、検品作業を効率化するためには、「総数検品」の採用が効果的です。この方法で、荷受けと仕分けの作業を分けることにより、市場での検品作業時間を大幅に削減することが可能になります。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18703/220/18703-220-f356d4253da476a7e80af49449903582-1622x904.png ]

参加団体のコメント


国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課 コメント
トラックドライバーの労働環境を改善し、我が国の暮らしと経済を支える物流の持続的成長を実現するためには、物流事業者のみならず、発着荷主も含めたサプライチェーン全体の連携・協力が不可欠です。本実証実験では、農業物流の分野における課題解決を目指し、デジタル技術を活用して課題を可視化するとともにデータ分析に基づき解決策を提示し、発着荷主を含む関係者全員が一丸となって物流効率化に取り組みました。今回の取り組みが他分野にも波及し、荷主・物流事業者・消費者の「三方良し」の実現に向けた取り組みが加速化されることを期待しています。

全国農業協同組合連合会(全農)秋田県本部コメント
首都圏の消費地から遠隔地にあり、各産地を集荷しながら首都圏市場まで共同輸送体制を敷いていた本県にとって2024年問題への対応は大きな課題でした。
2021年度より実施した実証実験では産地JA、実運送会社等、青果物物流に携わる関係者が一堂に会し協議ができたことは、大変意義深いものだったと思います。
実証実験をとおし共有できた事項の強化と横展開により県全体として持続可能な青果物物流の構築に引き続き取組んでいきたいと思います。

横浜丸中青果株式会社コメント
弊社は、青果物卸売業者として横浜市場での実証実験に取組みました。その結果、市場における業務課題とそれに対する打ち手が見出せたことが大きな成果です。今回の打ち手であるデータやシステムの活用により、現場の経験や勘に頼ってきた市場内物流業務の生産性・効率性を高め、横浜市場の優位性を高めてまいります。最終的には「生産地・仲卸業者・自社社員」にとって、三方良しの魅力的な市場づくりを目指します。

公益社団法人 秋田県トラック協会コメント
ドライバー不足に時間外労働の上限規制の導入、改善基準告示の改正等による物流への影響が懸念される中、特に農業県である秋田県の農産物輸送はドライバーの長時間労働の改善は急務となっていました。
地域の生活や産業振興を支えるための物流、これをオール秋田で進めるため秋田県として主体的に取り組んでいただいたこと、そして荷主である全国農業協同組合秋田県本部様や各JA様との課題共有が進んだことにより、実証実験を通じて検証を行うことが成果につながったものと考えています。
この実証実験は、Hacobu様の知見やシステムを活用し全体の見える化を進めたこと、また国交省や農水省のアドバイスをいただいたことにより、改善の方向性が見いだせたと考えています。関係者の皆様に改めて御礼を申し上げます。

秋田県産業労働部 商業貿易課コメント
秋田県にとって首都圏に物を運べなくなることは重大な問題であり、実証実験において、県の重要産業である農業を支える青果物物流での非効率な輸送体系やドライバーの運転以外の付帯業務を見える化し、関係者間で課題を共有し、解決に向けた協議を実施できたことは大きな成果でした。
県としても、この成果を県内での横展開や他分野での取組みに活かし、秋田県の物流維持につなげていきたいと考えております。

Hacobu Strategyコメント
3年間にわたって取り組んできた「秋田発首都圏市場向け青果物の物流効率化 実証実験」と、2月に行った「横浜市場における物流効率化 実証実験」を通して、持続可能な農作物輸送を実現するための、新たな課題や打ち手が明らかになったことは大きな成果です。
繁忙期における青果物輸送のドライバーは、かつて朝6時台から積み地を移動しながら集荷し、パレタイズ作業も行っていました。首都圏市場では、1〜2時間の荷待ちが発生し、業務終了が深夜になることも少なくありませんでした。
こうした作業区分ごとの細かい実績を数値データで示すことで、どこに改善の余地があるか関係者全員で共有化できました。

ドライバーの長時間労働是正に向けた対策は急務と言えますが、それには新たな負担やコストが発生します。例えば、生産地・秋田での実証実験では、集荷/幹線移動の分離、中継/ハブ拠点設置・運営などにより物流コストの増加が見込まれます。
産地側の集荷業務や空パレット回収業務などの一部業務費用が、物流事業者から荷主企業に請求できていない現状に鑑みると、このままでは「物が運べなくなる」以前に、「農産物を作れなくなる(運ぶ物がなくなる)」ことが懸念されます。そうなると、海外からの輸入食品に頼る他なくなり、食料自給率にも大きな影響をおよぼします。
このような事態を防ぐためには、必要な物流関連コストはサプライチェーン全体で負担し、上昇した物流コストが我々最終消費者に価格転嫁されることは避けられないという事実が見えてきました。

Hacobuは、データ分析に基づいた物流DXの推進と共に、国土交通省や農林水産省などへの働きかけや関係各所と連携を図りながら、持続可能な農産物輸送の実現を後押ししてまいります。

「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」概要


■秋田県における実証実験
日程:2023年8月20日(日)〜26日(土)、11月5日(日)〜11日(土)
対象:秋田県〜首都圏(各市場)間のトラック輸送
実証内容:物流効率化に向けて以下取組みを進める。
1.直送/集荷/幹線便 運用設計
2.幹線便(直送便)台数の最適化
3.ハブ拠点 運営管理
4.出荷情報連携・精度向上
5.パレタイズ作業 適正化

参加団体(敬称略):
▽主な協力荷主企業、運送事業者、卸事業者
全国農業協同組合連合会 秋田県本部、全農物流株式会社 秋田支店、羽後運輸株式会社、川連運送株式会社、横浜丸中青果株式会社

▽トラック輸送における取引環境・労働時間改善秋田県協議会 事務局
東北運輸局 秋田運輸支局、秋田労働局 労働基準部監督課、公益社団法人秋田県トラック協会

▽アドバイザリーボード
国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課、国土交通省 東北運輸局 自動車交通部 貨物課、農林水産省 食品産業部 食品流通課

▽実証実験オブザーバー
秋田県産業労働部 商業貿易課

▽実証実験コンサルタント
株式会社Hacobu

■横浜市場における実態調査
日程:2024年2月26日(月)、3月1日(金)
対象:トラックの市場到着〜出発まで(場内移動・荷待ち・作業含む)
実証内容:市場内での物流効率化に向けて以下を明らかにする。
・場外荷待ち時間
・時間帯別のトラック発着数
・バース接車後の荷待ち時間
・各種作業時間(荷降し・検品・分荷)
・バース入退場時刻

参加団体(敬称略)
▽協力売業者:横浜丸中ホールディングス株式会社、横浜丸中青果株式会社
▽アドバイザリーボード:国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課
▽実証実験コンサルタント:株式会社Hacobu

物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」について


「データドリブン・ロジスティクスが社会課題を解決する」を信念に、経営戦略構築からテクノロジーを活用した実装まで、一気通貫でソリューションを提供できる物流DX専門のコンサルティング集団です。戦略構築支援、SaaS導入サポート、データ活用分析支援、輸配送業務改善、物流DX人材育成支援など、お客様の課題に応じて、最適な解決策を提供します。また物流ビッグデータを活用し、企業の垣根を超えた新しいソリューションを提案し、お客様の真の物流DXに向けて伴走します。
https://hacobu.jp/strategy/

Hacobuについて


商号  : 株式会社Hacobu
URL  :https://hacobu.jp/
設立  : 2015年6月30日
所在地 : 〒108-0073 東京都港区三田3丁目14番10号 三田3丁目MTビル9階
代表  : 代表取締役社長CEO 佐々木太郎

事業内容:クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズと、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy(ハコブ・ストラテジー)」を展開。 シェアNo.1(※1)のトラック予約受付サービス「MOVO Berth」、動態管理サービス「MOVO Fleet」、配送案件管理サービス「MOVO Vista」などのクラウドサービス、ドライバーの業務を効率化するスマホアプリ「MOVO Driver」の提供に加え、物流DXパートナーとして企業間物流の最適化を支援しています。

※1 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所『スマートロジスティクス・ソリューション市場の実態と展望【2023年度版】』https://mic-r.co.jp/mr/02960/ バース管理システム市場の売上高および拠点数におけるシェア



プレスリリース提供:PR TIMES

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