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花王株式会社(ニュースリリース)

バイオフィルムが汚れの吸着に関与〜バイオフィルム形成を抑制してタオルのくすみを防ぐ技術〜

(PR TIMES) 2022年08月08日(月)15時45分配信 PR TIMES

 こまめに洗濯をしているのに、次第に衣類の白さが失われてくすんでくることがあります。花王は、このような「くすみ」の本質を研究し、新しい清潔の提案につながる技術の開発を進めています。
タオルがくすむ理由は? 
 花王は、くすんだタオルにバイオフィルム(菌が分泌した多糖やタンパク質を含む菌体外マトリクス〈Extracellular Polymeric Substances:以下 EPS〉と菌の複合体)が存在することを明らかにしています(図1)※1。
[画像1: https://prtimes.jp/i/70897/195/resize/d70897-195-78551149bfbf3de8871f-0.png ]



 今回、バイオフィルムが存在するタオルから菌を分離培養した結果、メチロバクテリウムやロドトルラなどのピンク色の菌が高い割合で存在することがわかりました。これらの菌は色素を産生するため、タオルの着色に関与している可能性があります。さらに、こういった菌が産出するEPSには粘着性があるため、泥などの有色の粒子を吸着しやすいといえます(図2)。

[画像2: https://prtimes.jp/i/70897/195/resize/d70897-195-72368b5ef75f49d73dd3-1.png ]

 以上のことから、タオルの落としにくい「くすみ」にはバイオフィルムが大きな影響を与えている可能性があります。 

バイオフィルム形成を抑制してくすみに対処する技術を開発!
 そこで花王は、バイオフィルム形成を抑制する技術開発に取り組み、特定のアルキル硫酸塩アルキレンオキサイド付加物がEPSの構成成分である多糖の産生を抑制する効果を見いだしました。
この界面活性剤を配合した新処方の効果を確認するため、実家庭において1カ月半、2枚のタオル(新処方で洗うタオルと従来洗剤※2で洗うタオル)を使って比較しました。その結果、新処方で洗濯を続けたタオルでは、タオル中の多糖量が少なく、かつ、見た目の白さの度合いが高いことを確認しました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/70897/195/resize/d70897-195-bb014bd934c90e41f40d-2.png ]

 バイオフィルムの形成を抑える技術によって、これまで解決が困難であった衣類の落としにくい「くすみ」に対処できるようになると考えます。今後は、引き続き、衣類に発生する生活者課題の解決に向けて、研究を進めていきます。

本研究内容は、2022年繊維学会年次大会(2022年6月9日・タワーホール船堀)にて発表しました。

※1 2022年4月14日 花王ニュースリリース 
 タオル繊維に付着する菌のかたまり(バイオフィルム)を発見
 -タオル内で独自の菌叢(きんそう)を形成していることを確認-
 https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2022/20220414-001/
※2 「アタック ZERO」2021年改良発売品



プレスリリース提供:PR TIMES

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