プレスリリース
待遇改善として求めたいのは「給料アップ」と「保育以外の仕事の削減」
全国47都道府県で24時間ベビーシッター・家事代行サービスをスマホで依頼できる「キッズライン」を運営する株式会社キッズラインは、政府による『異次元の子育て政策』の検討着手を受け、子育て政策を支える“当事者”である保育士158名を含む保育従事者234人に、「子育て政策への期待値」や「保育士の待遇改善策」に関する調査を実施。その結果をお知らせいたします。
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『異次元の少子化対策』、当事者の保育従事者は「期待している」が46.2%、「期待していない」が53.8%
政府から年初に打ち出された子育て支援策の大幅拡充方針。「異次元の少子化対策」の中には、「子育て家庭の支援」や「女性の働き方改革の推進」がうたわれています。その“子育て政策の当事者”である保育士やベビーシッターは、今回の方針をどのように受け止めているのでしょうか。
そこで、キッズラインではベビーシッターとして活動するサポーター234人(保育士158人を含む)にアンケートを実施いたしました。
まず「異次元の少子化対策」について、期待しているかどうかを聞いた結果が以下のグラフです。
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「大いに・少しは期待している」を合わせると46.2%で約5割弱。「あまり・まったく期待していない」は53.8%で、5割強という結果でした。
この数字からは、期待していない方が7.6ポイント多いものの、保育従事者の期待値は半々でおおむねきっ抗しているとみられます。
「期待している」「期待していない」それぞれの意見を紹介します。
期待している理由
・具体的な財源や人員をどうするのかは分からないが、子育て支援や少子化対策が大きな課題として取り上げられていることは小さな一歩だと思う。(兵庫県/30代)
・子育てがしやすいような時代になればうれしい。保育士のフォローも加えてほしい。(広島県/40代)
・保育料金が安くなるなど少しずつ改善されてきているため、多少期待している。(茨城県/30代)
・今や子育ては地域の関わりが必要だと思うので、子どもだけで無く、保護者も保育支援者にも包括して支援の手が行き届く事を期待しています。(神奈川県/50代)
・保育には国のバックアップが必須であるため、どんどん実行していただきたい!(埼玉県/30代)
期待していない理由
・まずは保育士の処遇改善が最優先だと思う。(千葉県/30代)
・保育士の給料あげると言っておきながら、実際には大して上がっていないから。(大阪府/30代)
・保育現場について全く触れておらず、このままでは何も変わらないのではと感じてしまう。(東京都/20代)
・保育士の待遇改善を大々的に行い、保育士を増やす方向に持っていく方が大切な事だと思う。(北海道/50代)
・これまで十分な改善策が現実に示されているという実感がないから。(埼玉県/30代)
保育士の待遇改善:「給与アップ」と「保育以外の仕事の削減」を要望
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『異次元の少子化対策』に「期待する・しない」双方の声として上がった「保育士の待遇改善」。改善策について保育士資格を持つ158人に「ぜひ実行してほしい」ものを複数回答で聞いた結果が、上記のグラフです。
保育士の94.9%、9割以上の方があげたのは「給与のアップ」でした。
次に多かったのは「保育以外の仕事の削減」で79.1%です。
続いて「休みが取りやすい、希望の時間に働けること」(67.7%)、「時間外手当の拡充」(59.5%)、「フラットな職場環境」(47.5%)、「昇給や昇格についての評価の透明化」(45.6%)、「親との連絡や施設運営のIT化」(41.1%)といった項目が上位に入りました。
それぞれ多かった項目について、具体的な意見を紹介します。
「給与のアップ」についての意見
・給与が上がる事で、やりがいや保育に対して誇りをもてる人も増えると思う。大事な子どもの命を預かる仕事であること、国家資格であることがもっと政治に認められるべきだと思う。(東京都/20代)
・給料面から将来に不安を感じて、特に男性の保育士は多くが転職してしまうので、給料その他全ての待遇を普通の会社員並みに上げた方が良いと思う。(東京都/40代)
・保育士は労働組合もなく、社会的に重要な職務と位置づけられていないと感じています。子どもの命を守り育てるという仕事に対しての対価があまりにも低いと感じます。(東京都/60代)
「保育以外の仕事の削減」についての意見
・保育以外の書類や教室の壁面制作などは、残業や休み時間を返上して取り組まなければいけないのが実態です。書類作成は、専門の部署と担当者を設けるべきだと思います。(愛知県/40代)
・書類が多過ぎます。仕事中に終わらなくて家での持ち帰りになる事が多い。国全体で簡略化してほしいです。(神奈川県/40代)
・園内の清掃や壁面制作などのクラス運営以外のことは、外注できる業務も多いように感じます。保育そのものに集中出来る時間がもっとあればよいと思います。(兵庫県/30代)
「休みが取りやすい、希望の時間に働けること」についての意見
・クラス担任が1人の場合、有給休暇をとるのも大変なので、休みがとりやすくなればリフレッシュもできると思います。(長野県/20代)
・休みが取りやすいと、結婚した後も子育てしながらの仕事復帰がしやすいと思う。(愛知県/30代)
「時間外手当の拡充」についての意見
・時間外の勤務になるのに早番遅番に手当がない。基本的な社会の仕組みから外れていると思う。(千葉県/30代)
・早番遅番に入っても収入が変わらない。手当をつけるなどして、頑張った分は差をつけるべきだと思います。(千葉県/30代)
「フラットな職場環境」についての意見
・職員の人間関係が悪いと、良い保育は出来ないので、外部から定期的に指導員が入り、閉鎖的で保守的な環境にならないよう指導していかないといけないと思う。(佐賀県/50代)
・まずは保育士同士が保育のことを話せるような時間的ゆとりが必要。人手不足もあって他のクラスや園全体で情報を共有することすら難しくなっているように感じる。(兵庫県/40代)
「昇給や昇格についての評価の透明化」についての意見
・正社員の代わりに早出をしたのに、パートだからということで手当が出ませんでした。パートでも保育資格があり、担任と同じ仕事するなら、正当に評価してほしいです。(埼玉県/30代)
・知識をアップデートせずに昔ながらの保育をしている人の立場が上で、今の時代に合った保育をしている若手が辞めていくのを目にしてきました。向上心がある人を処遇する環境を整備しなければ、潜在保育士は減らないと思います。(神奈川県/30代)
「親との連絡や施設運営のIT化」についての意見
・0歳児は呼吸確認のSIDSチェックが5分ごとで、時間も神経もかなり使います。ブレスチェックに関する機械導入への補助が必要だと思います。連絡アプリ導入、監視カメラ導入に際しての行政の補助があると、保育士の負担が減ると思います。(北海道/60代)
・出欠などダブルチェックが必要なものは、特にITの利用を進めるとよいと思います。(埼玉県/30代)
・手書きのお便り帳よりもメールやアプリなどを使って、伝えるようにした方が効率がよい。(愛知県/60代)
保育士の人員配置基準:85.4%が「保育士の数が少なすぎる」
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厚生労働省が実態調査と対応を検討している「保育士の人員配置基準」についても、保育士に質問しました。その結果、85.4%が「全体的に子どもの数に対して保育士が少なすぎる」と回答。「適正な人員配置だと思う」は、6.3%に留まりました。
保育士が少なすぎると回答した方にその理由を伺いました。
保育士が少なすぎると回答した理由
・年々、配慮の必要な子が増えているように感じています。また現在の保育指針の方針では、丁寧な保育をしていくにあたって人手が足りないと感じることがあります。(千葉県/30代)
・保育士による虐待の1つの要因として、保育士の人数不足があると思います。保育する際、保育士の心の余裕はとても大切だと思います。(佐賀県/30代)
・0歳児、1歳児の担任経験がありますが、一人ひとりへの丁寧な関わりは不可能に近いです。人員配置は戦後からほぼ変わらないのに、業務や求められている内容は増えています。(千葉県/30代)
・災害時での避難、子ども同士のケンカや遊び中のケガなど、人材不足でヒヤリハットが多すぎるから。(東京都/20代)
保育施設での毎月の壁面制作は「作業を減らすべき」が69.6%
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保育士の待遇改善要望の中で79.1%があげた「保育以外の仕事の削減」。その1つとして、「壁面制作を毎月作ること」についても質問してみました。
その結果、「季節ごとに変えることには賛成だが、昨年のものを使うなど作業量を減らすべきだ」が69.6%と最も多い結果となりました。
「壁面制作自体をなくして保育の仕事に集中するべき」は12.7%、「子どもに季節の変化を教えるために、毎月作ることに意味があると思う」は8.2%に留まりました。
日々子どもに接する保育士としては、完全になくすべきという意見は1割で、8割弱は壁面制作の意味を重視しているようです。ただし、業務量を削減するという観点から、簡略化や再利用などを望む声が大きいことがわかります。
保育士は「やりがいのある職業」と98.7%が回答
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最後に、「保育士という職業にやりがいを感じたことがあるか」についても、調査を行いました。
その結果、「感じたことが多々ある」89.2%、「少し感じたことがある」9.5%で、合計すると98.7%の方が「やりがいを感じたことがある」と回答しました。
「あまり感じたことがない」という回答は1.3%で、大多数が「保育士はやりがいのある職業」と感じていることがわかります。
まとめ
今回は、保育士158人を含む保育従事者234人に、調査を行いました。
その結果、
●『異次元の少子化対策』については、「期待している」「期待していない」が半々
●保育士の待遇改善として、9割以上が「給与アップ」を要望
●保育士の人員配置基準は、8割以上が「保育士の数が少なすぎる」と回答
●壁面制作は「必要だが、作業を減らすべき」が7割弱
●保育士は「やりがいのある職業」と98.7%が回答
という実態が明らかになりました。
子育て支援策の大幅拡充方針について、現場で子どもを預かる保育従事者は、期待と不安の入り混じる中で、新たな方針に注目しています。今回の調査では、子育て支援の一環として、保育従事者への支援を期待していることがわかりました。具体的には、待遇改善と収入アップ・保育従事者不足を改善するような復帰支援や育成支援・業務範囲の見直しや分業化・事務書類のIT化などが求められています。
キッズラインとは
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「キッズライン」はスマホから手配が可能なオンラインベビーシッターおよび家事代行マッチングサービス(iOS版・Android版アプリも利用可能)です。
保育士など特定の資格や研修をクリアし、弊社面接および研修に合格したベビーシッターや、整理収納アドバイザー資格保有者、主婦経験豊富な方などの家事スタッフが登録。計3300名のサポーターが活躍しています。利用者は、事前に全サポーターの詳細なプロフィールや利用者の口コミ評価を見ることができ、安心して24時間オンラインで手配する事が可能。
最近では10以上の自治体(千代田区・渋谷区・品川区など)や700社以上の法人にも導入されるなど、利用の裾野を広げています。
当記事に関するお問い合わせ先
メディア掲載・取材に関するお問い合わせは以下までお願いいたします。
株式会社キッズライン 広報担当
取材依頼フォーム https://kidsline.me/corp/coverage/
■ 調査概要
・調査期間:2023年1月6日(金)〜1月13日(金)
・調査対象:キッズラインで活動中のベビーシッター234名(保育士158名を含む)が回答
・調査方法:インターネット調査
■ 会社概要
株式会社キッズライン
代表者:経沢 香保子
事業内容:インターネットを使った女性支援事業、育児支援事業
所在地:東京都港区六本木5-2-3 マガジンハウス六本木ビル7F
URL:https://kidsline.me/
▼ベビーシッターに依頼する
URL:https://kidsline.me/auth/prnt_create
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▼保育経験を活かしてベビーシッターとして働く
URL:https://kidsline.me/sitters/welcome
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