プレスリリース
〜ガスエンジンヒートポンプ向けオプション品「COOL WING」の販売開始〜
大阪ガス株式会社(社長:藤原正隆、本社:大阪市中央区、以下「大阪ガス」)、大阪ガスの100%子会社のDaigasエナジー株式会社(社長:井上雅之、本社:大阪市中央区、以下「Daigasエナジー」)は、ヤンマーエネルギーシステム株式会社(社長:山下宏治、本社:兵庫県尼崎市、以下「ヤンマーES」)とともに、ガスエンジンヒートポンプ(以下「GHP」)向けオプション品「COOL WING」の販売を2024年4月から開始します。
本製品はヤンマーES製GHP※1向けの省エネ・省CO2オプション品で、ゼロエネルギーで冷却できる放射冷却素材「SPACECOOL」を採用しました。空調機関連製品への放射冷却素材の採用は、空調業界で初※2となります。
一般的にGHPなどの空調の室外機はビルの屋上などに複数台設置されることが多く、特に夏季は強い太陽光や室外機の排気の影響により、室外機周辺の温度が高くなることがあります。これにより、熱交換器の吸込温度が上昇して空調効率が悪化し、消費エネルギーが増加するという特性が知られています。このような設置環境による課題と近年の地球温暖化による猛暑日の増加などの背景を踏まえ、GHP周辺の暑熱環境を改善するために本製品の商品化に取り組みました。
「SPACECOOL」は大阪ガスが開発し、SPACECOOL株式会社(社長:宝珠山卓志、本社:東京都港区、以下「SPACECOOL社」)が利活用の開発を続けている素材で、太陽光を反射するとともに放射冷却技術の原理により宇宙に熱を逃がす※3ことで、直射日光下においてもエネルギーを用いずに外気温よりも温度低下する素材です。本製品は、表面にフィルム状の「SPACECOOL」を貼り付けたステンレス製のフードで、本製品でGHP室外機の熱交換器部分を覆うことにより、暑熱環境下における吸込温度の低減、省エネ・省CO2化が期待されます。大阪ガス、Daigasエナジー、ヤンマーES、SPACECOOL社の4社共同で実証実験を行い、本製品の効果を確認しています。Daigasエナジーでは、本製品を設置したGHPを「COOL GHP」として販売します。
本製品の特長は以下の通りです。
省エネ・省CO2
放射冷却、遮熱、ショートサーキット(排気が吸気へ循環する現象)抑制の3つの機能により、暑熱環境下におけるGHP室外機の熱交換器の吸込温度を低減することができます(図1)。実証実験では本製品を取り付けることで、吸込温度を最大3.5℃低減※4できることを確認しました(図2)。この吸込温度の低減効果はガス量・CO2排出量の5.9%低減※5に相当します。
ランニングコスト不要・省施工
水道代、電気代などのランニングコストをかけず、ゼロエネルギーで省エネ・省CO2化に取り組むことができます。本製品はGHP室外機に簡単に設置でき、給水管や電気配線など大掛かりな現地工事は不要です。
「SPACECOOL」による放射冷却効果
本製品の表面に採用した「SPACECOOL」は、太陽光からの入熱を反射するとともに、熱を大気に吸収されにくい波長の光で宇宙へ放射することができます。これらの効果により、都市などビルが密集したエリアの屋上に設置されたGHP室外機へ本製品を設置することでヒートアイランド現象の抑制に貢献することができます。
大阪ガス、Daigasエナジー、ヤンマーES、SPACECOOL社は、「COOL WING」の普及を通じて、より多くのお客さまの暑熱環境を改善するとともに、社会課題であるカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/3079/127/3079-127-14a59b487989eba7221ed05ee90ceb1c-650x331.png ]
図1 COOL WINGの機能
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/3079/127/3079-127-a088b220793d68c92ecefec4c8db5479-650x300.png ]
図2 実証実験結果
※1:ヤンマーES製「GHP XAIRIII」Lシリーズ(16馬力〜30馬力)に設置可能。
※2:2024年3月現在、日本国内において。Daigasエナジー調べ。
※3:大阪ガス独自の光学制御技術を用い、太陽光の入熱を抑え、熱ふく射(熱せられた物体の熱が電磁波として
運ばれる現象)による放熱を大きくした材料設計により実現。熱ふく射の波長を大気の透過率が高い8-13μ
mに制御することで、熱ふく射は大気に吸収されず、-270℃の宇宙空間に放熱される。SPACECOOL社ホー
ムページ:https://spacecool.jp/
※4:吸込温度低減効果は運転状態、設置環境により異なる。
※5:外気温度とガス消費量の相関より試算。
※6:ショートサーキットの発生有無、太陽光による温度上昇影響は運転状態、設置環境により異なる。
※7:実証実験に使用した試作品の色は白色だが、販売する本製品の色は銀色のみ。効果は同一。
※8:2023年8月、室外機熱交換器の吸込面に設置した熱電対で吸込温度を計測し、「COOL WING」の有無によ
る温度差を比較。GHP設置場所が建物の陰になっていた影響で、12時ごろまでは温度低減効果が小さい。
プレスリリース提供:PR TIMES