プレスリリース
株式会社M&A総合研究所(https://masouken.com/)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 佐上峻作、以下「当社」)は、2018年から2023年5月までに上場企業が適時開示した株式譲渡によるM&Aに関する発表のうち、九州・沖縄エリアの案件を独自集計した『上場企業M&A動向調査レポート(九州・沖縄版)』を発表いたします。
調査結果サマリー
●九州・沖縄のM&A成約件数はコロナ禍の影響で2020年は微減したものの、2018年から2022年まで増加傾向にあり、特に福岡県のM&A件数が大きく伸びて全体の件数を底上げする結果となった。
●2023年1月から5月までのM&A成約件数は10件であり、そのすべてが売却側あるいは譲受側の事業エリアが九州であるM&Aとなった。
●アフターコロナで経済活動を本格化させる企業が増加する一方で、九州エリアでは人手不足の問題を抱える企業も多く、飲食店や旅館・ホテルは8割超が「人材確保が必要」との調査結果もあることから、今後は人材確保目的でのM&Aも活発化すると考えられる。
調査概要
調査対象期間:2018年〜2022年および2023年1月〜5月
調査対象:調査対象期間中に公表された、九州・沖縄エリア(譲渡側・譲受側いずれかの所在地)を対象にした東証の適時開示
調査方法:東証適時開示の情報を集計
県別では福岡県のM&A件数が大きく増加、業種別ではIT・ソフトウェアのM&Aが増加傾向
2018年〜2022年および2023年1月〜5月における九州・沖縄エリア(譲渡側・譲受側いずれかの所在地による分類)のM&A成約件数は、全体を通して増加傾向がみられます。
コロナ禍の影響が大きかった2020年は18件と、前年の23件から減少(前年度比△21.7%)しましたが、2021年からは再び増加に転じ2022は35件と前年の20件から大幅に増加(前年比42.9%)する結果となりました。
最もM&A件数が多かったのは福岡県であり、集計期間合計121件中、福岡県の事業者が譲渡側あるいは譲受側だった件数は64件と全体の半数以上を占めています。
集計期間のM&A件数を業種別にみると、最も多かったのはIT業界で25件、次いで建設業界が12件、調剤薬局が11件となりました。
2022年のM&A件数が大きく増加した要因としては、アフターコロナを見据えた事業体制の変化が本格化したことや、DX推進の加速などが考えられます。
また、2023年1月から5月までに成約したM&A10件は、すべて売却側あるいは譲受側の事業エリアが九州であるM&Aとなっており、そのうち5件は福岡県の事業者によるものでした。
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新型コロナの扱いが5類へ移行し、アフターコロナに向けて本格的に動き出す企業も多いなか、賃上げによる人件費の高騰、需要の急回復による仕入れコストの増加など、懸念材料も多くなっています。
九州エリアでは人手不足感が高止まりの状況であり、帝国データバンクが行った調査(九州の2,608社を対象として2022年11月に実施)では、55.3%の企業が「正社員数が不足」と回答しました。
業種別で最も高かったのは飲食店の100%、次いで旅館・ホテルが80%、繊維・繊維製品・服飾品製造が75%であり、今後見込まれるインバウンドや国内旅行客の増加に向け、人材確保が急務と考えられます。
また、九州・沖縄エリアにおいてはDXを推進する企業が増えていますが、一方でそのための専門知識をもつ人材が不足している状況です。
今後は事業規模・エリア拡大を目指すM&Aのほか、DX推進に向けたIT人材獲得を目的とするM&Aも増えると考えられます。
取引事例
●エイチ・アイ・エスが子会社のハウステンボスをPAGへ売却
2022年8月、株式会社エイチ・アイ・エス(以下 HIS)は、連結子会社であるハウステンボス株式会社(以下 ハウステンボス)の全株式を売却すると発表しました。
譲渡先は香港の投資会社PAG Asia Capital Limited(以下 PAG)の傘下企業で、売却価額は666億円です。
HISはハウステンボスの経営再建を目指して2010年4月からテーマパーク事業に参画し、子会社化してからは10期連続で黒字化を達成しました。
コロナ禍により2020年と2021年は赤字となったものの、2022年には開業30周年事業の施策を展開するなど業績も持ち直しつつあります。
本M&Aは、ハウステンボスの競争力強化とさらなる成長を図ることが目的であり、HISはテーマパーク事業に関する知見と実績、資金力を有するPAGへの譲渡が最善と判断しました。
●丸和運輸機関によるM・Kロジの子会社化
2022年6月、株式会社丸和運輸機関は福岡県の株式会社M・Kロジを完全子会社化すると発表しました。
丸和運輸機関はEC物流や医薬・医療物流などの3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業、輸配送サービス「桃太郎便」などを展開する物流企業です。
子会社となったM・Kロジは、D2C(ECサイト上で自社製品を顧客に直接販売する方式)事業者向けの3PL事業を主軸とし、そのほかに倉庫業や物流アウトソーシングなども手掛けています。
丸和運輸機関は3PL事業におけるシナジー発揮と、EC物流事業の機能強化を図ることを目的として本M&Aを決断しました。なお、本件の取得価額は41億4,400万円です。
株式会社M&A総合研究所について
会社名:株式会社M&A総合研究所
事業内容:M&A仲介事業
本社:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館 18階
代表者:代表取締役社長 佐上 峻作
URL:https://masouken.com/
参考
「M&A総合研究所」ではM&Aを分かりやすく解説した記事を公開しております
M&Aとは?:https://masouken.com/M&A
事業承継とは?:https://bit.ly/3QwQb5
▼九州地方のM&A・事業承継・会社売却の特徴は?現状や最新動向・M&A仲介会社を選ぶポイントも紹介!
https://ma-s.jp/x/hgxv0
▼沖縄県のM&A・会社売却・事業承継案件一覧を紹介!経済情勢や動向も解説!
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