プレスリリース
株式会社M&A総合研究所(https://masouken.com/)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 佐上峻作、以下「当社」)は、2018年〜2023年5月までに上場企業が適時開示した株式譲渡によるM&Aに関する発表のうち、北海道・東北エリアの案件を独自集計した『上場企業M&A動向調査レポート(北海道・東北版)』を発表いたします。
調査結果サマリー
●北海道・東北エリアのM&A成約件数は2018年から2021年までほぼ横ばいで推移していたが、2022年のM&A成約件数は37件で前年の22件から大幅に増加(前年比68.2%)する結果となった。
●2023年1月から5月までのM&A成約件数は13件であり、譲渡側の事業エリアが北海道であるM&Aが8件、東北地方であるM&Aは5件であった。
●アフターコロナで経済活動を本格化する企業が増加しており、今後は設備投資増加や効率的なDX推進のためにM&Aを活用するケースも増えると考えられる。
調査概要
調査対象期間:2018年〜2022年および2023年1月〜5月
調査対象:調査対象期間中に公表された、北海道・東北エリア(譲渡対象企業の所在地)を対象にした東証の適時開示
調査方法:東証適時開示の情報を集計
ポストコロナに向けた事業拡大・人材確保目的のM&A、事業承継M&Aが増加傾向
2018年〜2022年および2023年1月〜5月における北海道・東北エリア(譲渡対象企業の所在地による分類)のM&A成約件数は、2018年から2021年までほぼ横ばいで推移していましたが、2022年は37件と前年の22件から大幅に増加(前年比68.2%)する結果となりました。
その背景として挙げられるのは、ポストコロナに向けた経済活動の本格化や、半導体などの資材不足解消です。
特にコロナ禍の影響を大きく受けた観光・飲食業界は、インバウンドだけでなく国内での需要が急回復したことで、供給拡大に向けた動きがみられるようになりました。
さらに、半導体など資材不足の解消によって生産・営業活動が回復する動きもみられ、設備増強に動き始める企業も増えてきています。
また、2023年1月から5月までに成約したM&A13件をエリア別にみると、譲渡側が北海道の事業者であるM&Aは8件で、東北地方の事業者であるM&Aは5件でした。
[画像: https://prtimes.jp/i/39539/121/resize/d39539-121-d5c4487c2b1db6b83618-2.png ]
その一方で、ゼロゼロ融資などコロナ融資の支払い猶予期間終了、賃上げによる人件費高騰、需要の急回復による仕入れコストの増加、東北・道東エリアにおいては人口減少の加速により公共事業の投資減少が見込まれるなど下振れ材料も多くなっています。
ゼロゼロ融資の返済は2023年7月以降から本格化すると考えられますが、帝国データバンクが行った調査では、融資後に倒産した企業数は2023年5月までに236件と、昨年の同時期に比べ1.5倍に増加しました。
アフターコロナを見据えた設備投資増加やDXを推進する企業がみられる一方、仕入れコストや人件費の高騰などに加え融資返済が大きな負担となり、経営の見通しが立たなくなる企業が増加するものと考えられます。
後継者不在率も高い水準に
北海道・東北地方においては後継者不在率が高い水準になっています。2022年の調査では秋田が69.9%、北海道が68.1%、岩手・宮城は約60%となっており、近年は多少改善傾向にあるものの、未だに高い数字です。
今後は、設備投資増加やDX推進を目的とするM&Aのほか、廃業や倒産を回避するためのM&Aや事業承継M&Aも増えるものと考えられます。
取引事例
●メイコーによるNECエンベデッドプロダクツの子会社化
プリント基板などの設計・製造・販売を主軸とする株式会社メイコー(以下 メイコー)は、山形県でプリンタ事業や電子機械機器の開発・製造・販売を手掛けるNECエンベデッドプロダクツ株式会社(以下 NECEP)の子会社化を決定しました。
現在、メイコーは半導体パッケージ基板や車載用・スマホ用の電子回路基板、EMS事業の強化を目指しています。
本件M&Aの目的は、開発・設計の機能を持つODM型EMS(電子機器製造受託)の事業体制の構築です。
メイコーは、NECEPの製品開発力や先端技術を活かし、電子回路基板から高付加価値電子製品まで提案型事業の体制実現を目指すとしています。
なお、本件の株式譲渡実行日は2022年10月1日、株式取得価額は112億円(アドバイザリー費用等を含む)です。
●ヨシムラ・フード・ホールディングスによるマルキチの子会社化
後継者問題などを抱える中小食品企業のグループ化により支援する株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス(以下 ヨシムラ・フードHD)は、ホタテを中心にサケやイクラなどの水産品製造加工を手掛ける株式会社マルキチ(以下 マルキチ)の子会社化を決定しました。
ヨシムラ・フードHDは、市場縮小や後継者不足などで事業継続が困難な中小企業をグループ化し、各社の強みや人材活用の支援を行う企業です。
子会社となったマルキチは北海道に本社と工場を構えて、道内5か所の漁協の買参権を持っています。4か所ある自社工場はどれもHACCP認証されており、業界でも数少ない対EU輸出水産食品取扱施設です。
ヨシムラ・フードHDは保有するアジアでの販路を組み合わせることで、マルキチの業績向上と北海道における食品事業拡大を目指すとしています。
なお、本件の株式譲渡実行日は2023年3月1日、株式取得価額は21億6800万円です。
参考
「M&A総合研究所」ではM&Aを分かりやすく解説した記事を公開しております
M&Aとは?:https://masouken.com/M&A
事業承継とは?:https://bit.ly/3QwQb5
▼北海道・札幌市のM&A・会社売却・事業承継案件一覧!動向や仲介会社を選ぶポイントも解説
https://ma-s.jp/x/5mue9
▼東北地方のM&A・会社売却・事業承継の現状や動向は?案件一覧も紹介!
https://ma-s.jp/x/u1pmc
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【株式会社M&A総合研究所について】
会社名:株式会社M&A総合研究所
事業内容:M&A仲介事業
本社:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館 18階
代表者:代表取締役社長 佐上 峻作
URL:https://masouken.com/
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