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国立大学法人熊本大学

SARS-CoV-2関連コロナウイルスBANAL-20-236株のウイルス学的特性の解析

(PR TIMES) 2024年06月07日(金)17時40分配信 PR TIMES

・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に近縁なコロナウイルスであるBANAL-20-236株(B236株)は、東南アジアにてコウモリから分離されたウイルスである。
・本研究は、B236株の培養細胞やヒトオルガノイドにおける感染性、ハムスターにおける病原性をSARS-CoV-2やその変異体と比較しつつ、明らかにした。
・B236株は、SARS-CoV-2と比較して、ヒト気道上皮細胞では増殖能が低い一方で、ヒト大腸オルガノイドでは増殖能が高いという組織指向性があることが示された。
【発表概要】
 東京大学医科学研究所システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」(注1)は、SARS-CoV-2に近縁なコウモリ由来のウイルスであるBANAL-20-236株(B236株)のウイルス学的特性を、ヒト気道上皮細胞や大腸オルガノイド、ハムスターモデル等を用いて解析しました。
ヒト呼吸器細胞モデルや大腸オルガノイドでの細胞実験により、B236株はSARS-CoV-2と比較して、ヒト気道上皮細胞よりも大腸オルガノイドへの指向性を持つことが示されました。また、ハムスターモデルを用いた感染実験では、B236株はSARS-CoV-2に比べて病原性が低いことが示されました。
 本研究成果は2024年6月4日、英国科学雑誌「eBioMedicine」オンライン版で公開されました。


【発表者】
 東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 システムウイルス学分野
佐藤 佳(教授)
藤田 滋 (大学院生[日本学術振興会特別研究員])
Arnon Plianchaisuk(特任研究員)
瓜生 慧也(特任研究員)
山岨 大智(客員研究員)
郭 子毅(特任研究員)
Alfredo Jr. Hinay(特任研究員)
小杉 優介(大学院生[日本学術振興会特別研究員])
陳 犖(大学院生)
潘 琳(大学院生)
郭 悠(特任助教)
伊東 潤平(准教授)

研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」

北海道大学 大学院医学研究院
田中 伸哉(教授)
福原 崇介(教授、 一般社団法人G2P-Japan 理事)
津田 真寿美(准教授)
田村 友和(講師)
鈴木 理滋(助教)
鈴木 紗織(助教)
小田 義崇(助教)
伊藤 駿(大学院生)

北海道大学 人獣共通感染症国際共同研究所
松野 啓太(准教授)
紀田 泉(大学院生)

北海道大学 One Healthリサーチセンター
直 亨則(特任講師)

京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)
高山 和雄(講師)
出口 清香(特定助教)
橋本 里菜(特定研究員)
渡邉 幸夫(特定研究員)

ヒトレトロウイルス学共同研究センター 熊本大学キャンパス
池田 輝政(准教授)
Hesham Nasser(特任助教)


【用語解説】
(注1)研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」
東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する研究チーム。日本国内の複数の若手研究者・研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。現在では、イギリスを中心とした諸外国の研究チーム・コンソーシアムとの国際連携も進めている。


【論文情報】
〈雑誌〉eBiomMedicine
〈題名〉Virological characteristics of a SARS-CoV-2-related bat coronavirus, BANAL-20-236
〈著者〉藤田 滋#, Arnon Plianchaisuk#, 出口 清香#, 伊藤 駿#, 直 亨則#, 王 磊#, Hesham Nasser, 田村 友和, 木村 出海, 鹿島 幸恵, 鈴木 理滋, 鈴木 紗織, 紀田 泉, 津田 真寿美, 小田 義崇, 橋本 里菜, 渡邉 幸夫, 瓜生 慧也, 山岨 大智, 郭 子毅, Alfredo Jr. Hinay, 小杉 優介, 陳 犖, 潘 琳, 郭 悠, Hin Chu, Flora Donati, Sarah Temmam, Marc Eloit, 山本 祐樹, 永元 哲治, 浅倉 弘幸, 長島 真美, 貞升 健志, 吉村 和久, 鈴木 穣, The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium, 伊東 潤平, 池田 輝政, 田中 伸哉*, 松野 啓太*, 福原 崇介*, 高山 和雄*, 佐藤 佳*
(#Equal contribution; *Corresponding author)
〈DOI〉 10.1016/j.ebiom.2024.105181
〈URL〉 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352396424002160

▼プレスリリース全文はこちら
 https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240606

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/124365/108/124365-108-15668694c9d5219e1cec109e71de5609-540x304.jpg ]


プレスリリース提供:PR TIMES

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