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スペクティ、「AI路面状態判別技術」の精度向上を目的とした新たな実証実験を開始

(PR TIMES) 2021年12月14日(火)16時45分配信 PR TIMES

全国初となる画像解析と気象データを組み合わせた3者共同実験

株式会社Spectee(本社:東京都千代田区、代表取締役:村上建治郎、以下「スペクティ」)と一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田太、以下「日本気象協会」)および福井県(知事:杉本達治)は、2020年から実施している路面状況確認カメラ(以下、「カメラ」)で得られた画像からの解析と気象条件を組み合わせたAI解析による「路面状態(※1)のリアルタイム判定」の実証実験について、2021年12月から本格的な福井県民向けサービス運用を目指すため、さらなる精度向上と「路面状態予測」を組み合わせた実証実験を行います。また新たに路面状態判定を行うカメラの地点数を大幅に増やします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/16808/101/resize/d16808-101-32a91aae21a4334479a3-0.png ]

【今年度の実証実験で行う内容】


従来の画像判定に加えて、日本気象協会が所有する気温や降水量などの気象データを組み合わせることで、カメラだけでは判別が難しい状況での精度向上を図る
実証実験で使用するカメラの台数をこれまでの3台から20台へ増加


【実証実験の背景】
福井県では近年、冬期の豪雪による雪害や大規模な車両のスタックが発生し、県民生活に大きな影響を与えました。特に2018年2月の豪雪では、立ち往生した車両が多く発生したことにより、国道8号で約1,500台もの車両が長時間にわたって滞留したほか、県管理道路でも複数の車両でスタックが発生し、県内の道路交通に大きな障害が生じました。道路上の積雪や凍結路面の発生は、交通事故や車両のスタックを引き起こす誘因であり、道路管理の大きな課題となっています。

道路管理者は、主にカメラを見ることで路面状態を確認しており、福井県では約200台のカメラを設置しています。その一方で、広範囲に多数設置されたカメラを人の目だけで常時確認することは困難であり、この課題を解決するために、昨年度はスペクティと日本気象協会が共同開発したAIによる「路面状態判別技術」について、福井県内にあるカメラ3台を用いて実証実験を行い、その精度を検証しました。

実証実験を行っている期間中の2021年1月には、冬型の気圧配置により日本海側は大雪となり、福井県内では大規模な交通障害が発生しました。この大雪時でも、AIが路面状態を24時間絶え間なくリアルタイムで解析しました。その結果、特に日中では人の目による判別結果と遜色のない路面状態判別が実施できたことなど一定の成果を得ることができました。一方、夜間やカメラのレンズに雪が付着した場合のように、人の目でも路面状態の判別が難しいような状況では、路面状態判別の精度が低下するという課題も明らかになりました。

昨年度の実証実験の成果を踏まえて、今年度の実証実験では、カメラだけでは判別が難しい状況での精度向上を図るため、日本気象協会が所有する気温や降水量などの様々な気象データを組み合わせることにより、より精度の高い路面状態判別を行います。カメラ画像と気象データの「ハイブリッド解析」により、これまでAIの画像解析だけでは判別が困難であった「凍結」と「湿潤」を正確に判別できるようになることが期待されます。

また、昨年度は3台のカメラを使った実証実験を行いましたが、今回はカメラを20台に増やし、福井県内のより広範囲な地域で、カメラ画像と気象データを組み合わせたAIによる「ハイブリッド解析」で、「路面状態判別技術」の実証実験を行います。これにより、様々な交通量の山間部・平野部等の複雑な条件下での「路面状態判別技術」の有効性を検証します。

スペクティと日本気象協会は、本実証実験を通じて、「ハイブリッド解析」による日中、夜間を問わず路面状態をリアルタイムで正確に把握することを目指しています。さらにこの技術が、福井県に限らず全国の道路管理者や自治体に展開でき、道路管理や防災事業に関わる関係機関での適切な判断や作業に活用され、ひいては自動運転の推進やスマートシティに役立てていただけることを目指します。

【各社のコメント】

◆ 一般財団法人 日本気象協会 常務理事 事業本部長 辻本浩史
この実証実験に際しては、これまで様々な条件での技術開発および検証を行ってきました。今年度は昨年の実証実験の課題を踏まえ、正式運用の開始を見据えた2回目の実施になります。カメラ画像のAI解析に加え、気温や降水量などの気象データを組み合わせることで、カメラ画像のみでは解析が難しいケースを含めて昼夜を問わず路面状態判別ができることを目指しています。この実証実験を通じてさらに判別精度の向上をはかり、積雪寒冷地の効率的かつ的確な除雪作業や凍結防止剤散布作業に資する情報を創出したいと考えます。さらに、日本気象協会の道路雪氷に関わる予測情報の高度化に役立てたいと思います。

◆ 株式会社Spectee 代表取締役 村上建治郎
本実証実験は20年冬、21年冬とこれまで様々な条件での技術開発や検証を行ってきました。そして今回はいよいよ正式運用開始を見据えた2回目の実証実験となります。カメラからの画像解析に加え、気温や湿度などの気象データを組み合わせてさらなる精度向上を実現し、福井県を始め、全国の自治体や道路管理会社で使えるシステムの開発を目指していきます。

◆ 福井県 土木部長 西出俊亮
福井県では、2018年2月の豪雪に加え、今年の1月にも県の北部を中心に大雪に見舞われました。その際、至る所でスタック車両や渋滞が発生し、県民生活や物流などに影響がありました。世帯あたりの自動車保有率が日本一の本県において、大雪から県民生活を守るためには道路交通を維持することが重要となります。昨年から3社共同で行っているAIによる路面状態判別を更に精度を向上し、1日も早く本県で本格的に運用できることを期待しています。

【実証実験の内容】

取組内容
・カメラだけで路面状態の判別が困難な場合に、気象データも加味した判別を実施
・AIによる「路面状態判別技術」を応用するカメラを20台に増加(2020年度は3台)
実証期間
・2021年12月〜2022年2月


※1 路面状態とは
道路の路面は降水や降雪の有無や気温によって、乾燥、湿潤、シャーベット、凍結、積雪等の状態に変化します。この路面状態によって路面とタイヤのすべり摩擦係数が異なります。特に、凍結や積雪ではすべり摩擦係数が小さくなる(道路がすべりやすくなる)ため、凍結防止剤の散布や除雪作業が必要になります。したがって、路面状態を適切かつリアルタイムに把握することは、安全・安心な道路交通を確保するうえで極めて重要な情報です。


株式会社Spectee(スペクティ)について
災害時に想定外の被害を減らすために、AIを活用しリアルタイムに状況を可視化し予測する新しい防災・危機管理SaaS『Spectee Pro』を提供。2021年10月時点で、全国600社の企業や100以上の自治体や官公庁に導入されており、防災や企業のBCP、交通や物流の安全、サプライチェーンのリスク管理に活用されています。
SNSの投稿や気象データ、河川カメラや人工衛星、自動車の走行データ等からAIで解析し、「今」そして「未来」の状況を瞬時にシミュレーションする次世代の防災ソリューションです。
[企業ホームページ] https://spectee.co.jp
[画像2: https://prtimes.jp/i/16808/101/resize/d16808-101-799842d216330ca31a27-1.jpg ]



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<本ニュースリリースについてのお問合せ先>
一般財団法人 日本気象協会 広報室
Tel: 03-5958-8147  Mail: jwapr@jwa.or.jp

株式会社Spectee 広報担当
Tel:03-6261-3655 Mail: press@spectee.com

福井県 土木部道路保全課
Tel:0776-20-0514 Mail: dourohoz@pref.fukui.lg.jp



プレスリリース提供:PR TIMES

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