プレスリリース
中小企業庁では、毎年3月と9月の「価格交渉促進月間」に合わせ、受注企業が、実際にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施しています。
2023年9月調査では、前回調査(2023年3月)と比較して、(1)「コストが上昇せず、交渉・転嫁が不要である」企業が増加する中で、(2)価格交渉については、発注企業の意識の向上が見られ、受注企業が価格交渉できる雰囲気が醸成されつつあり、(3)価格転嫁については、全く転嫁ができなかったという企業が減少しており、価格転嫁の裾野が広がりつつあると考えられます。
中小企業庁としては、一層の価格転嫁・取引適正化の推進に向け、関係省庁と連携しながら、様々な対策に粘り強く取り組んでいきます。
1.価格交渉促進月間フォローアップ調査(以下、「調査」)の概要
2023年9月「価格交渉促進月間」において、中小企業・小規模事業者の取引状況を正確に把握するため、以下の(1)アンケート調査と、(2)下請Gメンによるヒアリングを実施しました。
(1)アンケート調査
中小企業・小規模事業者を対象に、主な取引先となる発注企業との間で、どの程度価格交渉・価格転嫁が行われたかを問うアンケート調査を実施しました。調査票の配布先は、我が国の産業構造との整合性を確保するため、経済センサスの産業別法人企業数の割合(BtoC取引が中心の業種を除く)を参考にして、抽出しています。
配布先の企業数:30万社
調査期間:2023年10月10日から11月10日
回答企業数:35,175社(※回答から抽出される発注側企業数は延べ42,924社)
主な質問項目
主な取引先となる発注企業(最大3社)との価格交渉・価格転嫁の実施状況
回答者が生産する財・サービスのコスト構造
(2)下請Gメンによるヒアリング
中小企業・小規模事業者に対し、価格交渉・価格転嫁の状況について、下請Gメンによるヒアリング調査を実施しています(現在も実施中)。なお、ヒアリング先は、地域特性や業種バランスに配慮した上で、商慣習等によりコストが取引価格に反映できていない状況や、発注側企業との間で、十分な価格交渉が行われていない状況が見られた事業者等も含め、対象先を選定しました。
調査期間 2023年10月23日から12月6日(予定・実施中)
ヒアリング件数 約2,000社
2.調査結果(速報版)の概要
上記1.の調査結果(速報版)を別添の関連資料のとおり取りまとめました。結果の概要は、以下の通りになります(比較は、前回調査(2023年3月時点)からの変化を示します)。
・全体的な傾向として、価格転嫁・価格交渉ともに、「コストが上昇していないため、価格転嫁は不要である」旨の回答の割合が、約2倍に増加。
・価格交渉については、
1.「発注企業からの交渉申し入れをきっかけに交渉が行われた」企業の割合が約2倍に増加
2.また、「コストが上昇し、交渉を希望したが、交渉が行われなかった」企業の割合は減少
という結果となり、価格交渉しやすい雰囲気が徐々に醸成されつつある。
・価格転嫁については、
1.コスト全体の転嫁率は、前回調査と比較して微減し、45.7%となったものの、
2.「全く転嫁できなかった」または「コストが上昇したのに減額された」企業の割合は減少
という結果となり、価格転嫁の裾野は広がりつつある。
価格交渉促進月間(2023年9月)フォローアップ調査の結果について
https://www.meti.go.jp/press/2023/11/20231128005/20231128005-1.pdf
3.今後のスケジュール(予定)
・2023年12月以降
調査結果(確報版)公表
・2024年1月
発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の評価を記載したリストの公表
評価が芳しくない企業に対する、所管大臣名による指導・助言
4.関連リンク
・「価格交渉促進月間」の概要
中小企業庁:価格交渉促進月間の実施とフォローアップ調査結果
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/index.html
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