• トップ
  • リリース
  • EUV適用で高まる検査計測ニーズに対応した電子線広視野検査システム「GS1000」を開発

プレスリリース

  • 記事画像1

EUV適用で高まる検査計測ニーズに対応した電子線広視野検査システム「GS1000」を開発

(PR TIMES) 2021年12月13日(月)14時45分配信 PR TIMES

プロセス最適化や歩留まりを確保し、半導体デバイスの生産性向上に貢献

 株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、このたび、電子線広視野検査システム「GS1000」(以下、本システム)を開発いたしました。本システムは、実績のある高速検査SEMと共通のプラットフォームを用いて高精度・高スループットの検査を実現すると同時に、日立ハイテクがトップシェアをもつCD-SEM*1の技術ノウハウを適用することで、高速多点計測にも対応しています。最先端の半導体デバイスがEUVによる微細加工技術で量産適用される中、日立ハイテクは本システムの提供を通して、広域の検査計測の高速化を実現し、半導体デバイス量産における生産性向上に貢献してまいります。
[画像: https://prtimes.jp/i/49375/94/resize/d49375-94-d7bc929aae023671c376-0.jpg ]

■本システム開発の背景
 近年、半導体デバイスの微細化が進むにつれ、先端デバイスメーカーは微細かつ高精度な加工が可能なEUV*2露光プロセスを導入し、5nm世代デバイスの量産や3nm世代デバイスの開発への適用を開始しています。EUVにより加工される回路パターン寸法はArF*3の約半分になるため、より微細な回路パターンを安定的かつ正確に検査計測できる技術が、プロセスや歩留まりの管理に必要とされます。特に、EUV露光特有の回路線幅のばらつきや、ランダムに発生する微小Stochastic*4欠陥の低減など、高品質なEUVマスクを確保することが最重要とされており、検査計測ポイント数の増加に伴う高スループットな検査計測のニーズが高まっています。
 日立ハイテクは、こうした高速・高感度・広領域に対する検査計測のニーズ拡大に応え、半導体デバイス量産市場をターゲットに本システムを開発いたしました。

■本システムの特長
 本システムは、従来の高速電子線検査(EBI*5)装置ではなく、高性能の電子光学系と高速大容量データ処理システムを融合しており、半導体デバイス量産にEUVプロセスを導入した際に生じる課題解決に貢献します。
 本システムには、主に以下の特長があります。

1. 高速・広視野検査計測が可能な新システム
 最先端の電子光学系設計により開発された収差補正器を用いたことで、広視野移動領域内における分解能を劣化させることなく、電子線をウェーハへ垂直に照射でき、広領域で高精度な検査計測を可能とします。本システムでは、照射ステージを移動させることなく、高速な視野移動と高い検査感度の維持を両立させたことで、従来のCD-SEM比で100倍の広領域スキャンによる高精度な撮像を実現します。
 また、電子ビームの大電流化技術により、高分解能かつ高速なスキャンを両立し、高精細な画像取得を通して、高品質・高スループットな検査計測ソリューションを実現します。

2. 高速大容量の画像処理システム
 専用の高速画像処理システムは、4K画像の高速撮像と画像転送サーバを用いた並列処理によるリアルタイムなD2DB計測*6を実行し、超高速のデータ転送と高スループットを実現します。また、検査計測ポイント数の増加による大容量データ処理、およびプロセスのばらつきや微小欠陥の認知を高速かつ高精度に行うことが求められる中、AI*7技術を取り入れたD2AI検査*8も取り入れています。高速大容量データ処理にも適応することで、こうした市場のニーズに対応しています。

 日立ハイテクは、本システムをはじめとする電子線技術を用いた計測装置や、光学技術を用いたウェーハ検査装置を提供することで、お客さまの半導体デバイスの開発・量産における計測・検査工程での多様なニーズに対応してきました。今後も、革新的なソリューションをタイムリーに提供し続け、お客さまとともに新たな社会・環境価値を創出し、最先端のモノづくりに貢献いたします。

*1 CD-SEM:半導体ウェーハ上の微細な回路パターンの測定に特化した走査型電子顕微鏡(SEM)であり、半導体デバイスの開発ライン、量産ラインの検査工程で使用され、歩留まり管理に不可欠な計測装置
*2 EUV(Extreme ultraviolet):波長が13.5nmの極端紫外線(extreme ultraviolet)光源
*3 ArF:ArFエキシマレーザー(波長193nm)光源
*4 Stochastic欠陥:確率論的に引き起こされる欠陥で、特にEUV露光技術開発で技術課題として注目されている。
*5 EBI:Electron Beam Inspection:電子線を用いたウェーハ検査装置
*6 D2DB計測:Die to Data Base計測:ウェーハの一部領域(Die)と同領域の設計デザインデータを比較検査測定するアルゴリズム手法
*7 AI:Artificial Intelligence(人工知能)。計算の概念とコンピュータを用いて「人が実現するさまざまな知覚や知性を人工的に再現する」計算機科学
*8 D2AI検査:Die to AI検査:ウェーハの一部領域(Die)を、AIを用いて検査するアルゴリズム手法

■電子線広視野検査システム「GS1000」について
https://www.hitachi-hightech.com/jp/product_detail/?pn=semi-gs1000

■日立ハイテクについて
 日立ハイテクは、2001年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。
 医用分析装置、バイオ関連製品、分析機器の製造・販売を行う「アナリティカル・ソリューション」、半導体製造装置、解析装置の製造・販売を行う「ナノテクノロジー・ソリューション」、社会・産業インフラ、モビリティなどの分野において高付加価値ソリューションを提供する「インダストリアル・ソリューション」の3つのセグメントで、グローバルな事業展開を行っています(2021年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,063億円)。
 詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/)をご覧ください。

プレスリリース提供:PR TIMES

このページの先頭へ戻る