プレスリリース
〜鋼橋についてプロから学ぶ特別プログラムを実施!鋼橋の魅力をプロが語り、高専生が橋梁メンテナンスの技術体験〜
香川高等専門学校(香川県高松市 校長:田中 正夫 以下「香川高専」)は、建設環境工学科3年生を対象として「香川鋼橋高等専門学校」と題して特別プログラムを実施しました。当日は、橋梁業界で働くプロから橋梁の魅力や当たり前にあるインフラを維持し守ることをテーマに講話が行われ、若手技術者の体験談の他、高専生が橋梁メンテナンスの現場で行われている錆の除去や亀裂の探査などを実際に体験しました。
【URL】 https://www.kagawa-nct.ac.jp/topics-detail/?id=2868
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建設環境工学科特別プログラム「香川鋼橋高等専門学校」実施概要
イベント名:香川鋼橋高等専門学校
開催日:令和3年10月20日(水)10:30〜16:30
参加者:建設環境工学科3年生 約40名
会場名:香川高等専門学校 高松キャンパス校内
主催:香川高等専門学校、(一社)日本橋梁建設協会協賛:(一社)日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会、(一社)日本非破壊検査工業会、(一社)ツタワルドボク
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チラシPDFはこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d75419-20211108-53632f052c51957836db6d14345bc580.pdf
建設環境工学科特別プログラム「香川鋼橋高等専門学校」実施の目的
建設環境工学科では、卒業後は土木技術者となるために日々高専で専門授業を学んでいますが、実際の企業等で働く技術者と普段接することは少なく、建設会社の仕事や働くイメージについて実感が少ないことが課題でした。橋梁建設やメンテナンスの仕事を学び、技術者との対話を通じて働き方を知ることによって進路選択の参考にしたり、今後さらに専門科目を勉強していくモチベーションを高めたりすることを目的として、この特別プログラムを実施しました。
この特別プログラムは橋梁の建設、保全に携わる会社で構成される(一社)日本橋梁建設協会※1が主催し、(一社)日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会※2、(一社)日本非破壊検査工業会※3、(一社)ツタワルドボク※4の協力を得て実施しました。2018年から全国各地の高等専門学校で同様の特別プログラムを開催しており、今回が3回目、四国で初めての開催でした。
※1 (一社)日本橋梁建設協会 https://www.jasbc.or.jp/
※2 (一社)日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会 http://www.jscb-eco.jp/
※3 (一社)日本非破壊検査工業会 https://www.jandt.or.jp/
※4 (一社)ツタワルドボク https://www.tsutawarudoboku.com/
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建設環境工学科特別プログラム「香川鋼橋高等専門学校」で実施した内容
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第1部
★「鋼橋の魅力と私の技術者人生〜未来を引き継ぐ後輩へ〜」
本間 順 香川鋼専一日校長(※5)による講話・質疑応答
日本の公共工事における役割分担や鋼橋の施工事例を紹介した後、兵庫県南部地震や熊本地震による鋼橋の被害調査や修繕に関わった体験を語り、設計開発、製作、架設の各部門の業務についても説明しました。(写真右)
本間氏は「私はワクワクするような仕事が好きです。最初から答えが決まっている仕事は面白くない。それから人が好き、人を笑顔にするのが好きです。いろんな現場で出会いがあり、仲間ができる。仲間とともに悩み、試し、答えを出す。それをかなえられる仕事が土木の仕事です。」と土木の魅力について語りました。「今まで橋の建設と言っても、どんなことをしているのか分からなかったが、実際の仕事を学べてよかった。」と、学生にとって改めて将来の進路について考えるきっかけになったようです。
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★「未来の後輩たちへ」
橋梁業界で働く若手の先輩から、学生たちに向けてのメッセージ
現場で働く技術者7名、それぞれが学生時代から現在の仕事までを人生曲線グラフで描き、これまで手がけた現場の話や仕事の体験談、やりがいや仕事の息抜きの話などを語りました。
転勤や異動でその時はショックだったが、今ではその経験のおかげで仕事の幅が広がり、仲間が増えたという経験や、これまで行った橋梁建設現場を日本地図上にピンで印をつけている技術者の話、地図に残る仕事を誇りに思っている技術者の話など、学生にとって初めて聞く話ばかりで興味深く聞いていました。
第2部
・橋梁メンテナンス体験実習
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ミッション1.錆を除去せよ
ブラストとは、橋梁メンテナンスでは鉄面のペンキをはがす、さびを落とす、表面に凹凸を出すなどの作業を指します。土木を学ぶ学生でも初めて聞く言葉です。この体験で使う機械はバキュームブラストといい、密着型のため粉じんが舞わず、研削材も飛び散らずとても環境にやさしいということを聞き、学生たちは驚いていました。防じん服、ゴーグル、耳栓をつけた学生は、最初は指導員に支えられながら、次に自力で作業を体験し、「かなり力を入れないと錆がとれない。」と苦戦していました。(写真右)
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ミッション2.疲労亀裂を発見せよ
最初に疲労亀裂のメカニズムや「疲労亀裂は、橋の安全性に大きな影響を与えるおそれがあるため早期発見が重要だ。」と説明を受けた後、特殊な非破壊検査装置を使って、暗くしたコーナーで紫外線を照射し初期段階の疲労亀裂の発生個所を調べました。なかなか亀裂がすぐには見つからず「難しい」という声もありました。(写真右)
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ミッション3.鋼部材を繋げ
学生たちはボルト締め付けの基礎を学んだ後、実際の作業にチャレンジ。最初はトルクレンチで締め付けに必要な力(ボルトの標準トルク72N・m)を体感し、次に学生が所定トルクと思う強さでボルトを締め、結果を比較しました(写真右)。誰が一番近い値を出すか競い合いました。ぴったり賞となった学生もいて、拍手を浴びました。
このボルトのトルク調整には熟練の技術やチェックの手間もかかるため、現在は実際の現場では締付け終了が破断溝の破断で確認できるトルシア型高力ボルトが使われるようになったと説明を受け、最新の技術にも驚いていました。
普段から建設・土木・インフラ整備などを専門的に学ぶ建設環境工学科の学生たちは、現場で働く先輩技術者の話を興味深く聞き、初めてのこれら3つの現場作業にチャレンジしました。学生からは、「橋のメンテナンスにもいろいろな種類や技術があることを知ることができた。」「これからのインターンシップの参考にしたい。」「進路を考えるきっかけになった。」など感想がありました。
(一社)ツタワルドボクの片山英資会長は「土木の現場は、たくさんの初めて会う人達とすぐチームを組んで一つのプロジェクトを作り上げる仕事です。コミュニケーションがとても重要になります。好き嫌いでなく、この人にはどんな得意分野があるのか、お互いが補い合っていい仕事をするということを忘れないでください。これからの学生生活も、そういったことにも関心をもってみてください。」と学生たちにエールを送りました。
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※5 香川鋼専一日校長プロフィール
本間 順
(一社)日本橋梁建設協会 保全委員会幹事長
((株)駒井ハルテック技術本部橋梁設計部長)
これまで多くの橋梁の補修や復旧に携わり2016年の熊本地震では、日本橋梁建設協会のメンバーとして、478橋を被害調査。作業グループ長として「熊本地震被害調査報告書」をとりまとめ、被災状況を社会に伝え、耐震設計上の課題に関する提言も行った。
「我々が橋の建設や保全に関する技術を通して土木業界の生の声を伝えていかないと、橋に携わる仕事の魅力が伝わらない。学生に公共の仕事の魅力を伝えていきたい。」と一連の鋼橋高等専門学校を企画。
香川高等専門学校について
国立香川高等専門学校(香川高専)は、ともに長い歴史を持つ高松工業高等専門学校(高松高専)と詫間電波工業高等専門学校(詫間電波高専)が統合して2009年10月に発足し、2021年度の入学生は第12期生となります。本校には、本科7学科として、機械工学科、電気情報工学科、機械電子工学科、建設環境工学科、通信ネットワーク工学科、電子システム工学科、情報工学科、専攻科2専攻として、創造工学専攻と電子情報通信工学専攻を設置しています。高松キャンパスは創造工学系、詫間キャンパスは電子情報通信工学系とキャンパスそれぞれの特徴を活かしながら、両キャンパスの連携を強化することで、香川高専として魅力的な教育プログラムと教育環境を提供しています。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立専門学校機構 香川高等専門学校
所在地:香川県高松市勅使町355(高松キャンパス)
香川県三豊市詫間町香田551(詫間キャンパス)
校長名:田中 正夫
設 立:1943年10月
URL :https://www.kagawa-nct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
香川高等専門学校 総務課広報室
TEL:087-869-3811 e-mail:soumu@t.kagawa-nct.ac.jp
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