プレスリリース
今回の実証試験の成功をもとに、メディアリンクスはIP/PTP伝送方式によるSTL伝送を国内外の放送局に提案してまいります
株式会社メディアリンクス(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長 菅原 司 東証スタンダード6659 以下メディアリンクス)は、マイクロ波の専用回線上でのPTP※1とIPを用いたSTL※2の実証実験に世界で初めて※3成功しました。マイクロ波の専用回線は、国内外の多くの放送局のSTL伝送で広く利用されています。今回の実証試験の成功をもとに、メディアリンクスはIP/PTP伝送方式によるSTL伝送を国内外の放送局に提案してまいります。
現在、放送システムは従来の同軸ケーブルを用いたシステムからのIP技術を用いたシステムに急速に変わりつつあります。しかし放送の基幹回線であるSTL伝送については、送信所の場所(山頂等)が有線の回線構築に不向きな事が多く、マイクロ波を用いた専用回線の使用が主流となっているため、マイクロ波回線上のPTPを用いたIP伝送技術の開発が必要でした。
メディアリンクスは世界に先駆け、有線の伝送回線上でPTP※1を用いたSTLの技術(STL over IP/PTP)を開発してまいりました。このたび、マイクロ波を用いた専用回線上でSTL over IP/PTP を実現する新技術(STL over IP/PTP Microwave)を開発し、パートナーのオシロクォーツ社と共同で、実際に放送で使用されているマイクロ波回線上で実証実験を行い、その実用性の確認を行いました。
この実証実験は2024年5月13日から17日の期間、フィリピンの放送局で行い、メディアリンクスのSTL over IP/PTP 装置であるMDP3020 SFNを放送コンテンツおよびPTPの伝送に用い、マイクロ波の送受信にはその放送局が現在実放送で運用している設備を使用しました。結果として、放送コンテンツの伝送の正常性と、PTPによるタイミングの正確な伝送を確認し、世界で初めてマイクロ波回線上でIP/PTPによるSTL伝送の実現に成功しました。
メディアリンクスの代表取締役社長である菅原 司は、次のようにコメントしています。
「この実証実験の成功により、放送システムのIP化においてIP伝送が困難であったマイクロ波回線上でのIP/PTPによるSTL伝送が実現可能となりました。今後は放送局内のIP化への提案のみならず、このSTL伝送のIP化の提案を行い放送システムのフルIP化に貢献してまいります。」
アドトラン・ネットワークスのオシロクォーツ部門Associate Vice PresidentであるAnil Reddy氏は、次のようにコメントしています。
「OSA同期技術を利用したIPマイクロ波ネットワークで、PTP伝送の実証実験が成功したことを大変嬉しく思います。当社の革新的で幅広い用途で使用できるソリューションは、有線及び無線のネットワークの両方で、放送向けのIP伝送で要求される高いタイミング精度を実現します。」
試験構成イメージ
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/28223/85/28223-85-238e37c3e753cf38c3faff06c5c76535-1920x1080.png ]
■用語説明
※1 Precision Time Protocolの略称で1ns(10億分の 1 秒)の高精度な時刻合わせ行うためのプロトコル。
※2 Studio to Transmitter Linkの略称で、放送局から送信所(電波塔等)まで放送信号を伝送するための回線。
※3 2024年5月 当社調べ
メディアリンクスについて
メディアリンクスは、世界中の放送局や通信事業者に、4K UHD/HD/SD SDIビデオ、SMPTE ST2110、オーディオ、高帯域幅データなど様々なタイプのメディアをIPによって伝送する最先端技術を駆使した製品とソリューションを提供しています。メディアリンクスの製品は、オリンピック、サッカーワールドカップなどの世界中のスポーツやエンターテイメントイベントの放送でも活躍しています。2014年には、JPEG2000(J2K)相互運用の標準化と製品化の貢献により、テクノロジー&エンジニアリングエミー賞を受賞しており、IP伝送技術の普及に貢献しています。
東証スタンダード証券コード:6659
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プレスリリース提供:PR TIMES