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擁壁工事に3Dプリンターを活用したプレキャスト部材を適用

(PR TIMES) 2024年12月03日(火)12時45分配信 PR TIMES

〜規格品との併用でフルプレキャスト化を実現し、工程を約30%短縮〜


 株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、日本ヒューム株式会社(本社:東京都港区、社長:増渕智之)とともに2024年7月に、大林組を代表者とする共同企業体(JV)が施工する新丸山ダム建設工事(岐阜県加茂郡八百津町、可児郡御嵩町、発注者:国土交通省中部地方整備局・新丸山ダム工事事務所)において、仮設の工事用管理施設の擁壁に、規格品と建設用3Dプリンターで製作したプレキャスト部材を適用し、擁壁工事のフルプレキャスト化を実現しました。

[動画: https://www.youtube.com/watch?v=D68bSksnmcs ]
新丸山ダムにおける3Dプリンター活用事例(動画再生時間:4分50秒)
背景
 建設業界では新規入職者の減少や就労者の高齢化による担い手不足や、長時間労働をはじめとする労働環境の改善など、さまざまな課題があります。建設工事におけるプレキャスト化は、工期短縮、品質確保、省人化などの効果が見込め、有効な手段です。国土交通省の掲げるi-Construction 2.0(※1)においても、重要施策の一つとしてプレキャスト工法の活用を推進しています。

 プレキャスト工法は、規格化された製品を多く適用する場合、量産化によるコスト削減もあり、有効である一方、特殊な形状の場合、専用の型枠製作に時間とコストがかかることから効果的ではありません。そのため、特殊形状の部分には建設現場内で型枠を製作し、コンクリートを打設することが多く、生産性に課題がありました。

 そこで、大林組がこれまで蓄積してきた建設用3Dプリンター技術と、日本ヒュームのプレキャスト製品の生産力を活用し、3Dプリンターを活用した土木構造物のプレキャスト製作を開始しました。


<大林組の建設用3Dプリンターにおける取り組み>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/118168/table/78_1_46c46a6139f6870b23e0f7070a64cad5.jpg ]
今回の取り組みと効果
 新丸山ダム建設工事の仮設の工事用管理施設において擁壁のフルプレキャスト化を実現しました。擁壁の直線部には規格化されたプレキャスト部材、規格化されていない隅角部3カ所に建設用3Dプリンターを活用したプレキャスト部材を適用し、2024年7月に擁壁設置を完了しました。専用の鋼製型枠を製作するプレキャスト部材と比較して、建設用3Dプリンターを活用したプレキャスト部材は、型枠の製作から現場施工までにかかる工程を約30%短縮でき、コストは約5%の削減効果があります。より特殊性の高いプレキャスト部材ではさらなるコスト削減が見込めます。

 また、建設現場内で型枠を製作し、コンクリートを打設した場合と比べて、現場施工に係る日数を約20日から1.5日に、約90%の工期短縮を実現しました。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118168/78/118168-78-47ad549c0c949f47ae0e865d95713c65-1280x720.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
擁壁全体 (赤枠)3Dプリンターを活用したプレキャスト部材

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118168/78/118168-78-f77ec65ba384c24ce6b58061a5365310-883x495.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3Dプリンターを活用したプレキャスト部材の製作工程(隅角部)


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118168/78/118168-78-eb9368a4f5f8368175c9274ef3f381c6-900x506.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
埋設型枠プリント状況

今後の計画
 新丸山ダム建設工事では、2025年度以降に着工するダムの堤体工事において、堤体内部の監査廊(※2)でもフルプレキャスト化の実現性を計画検討しています。今回と同様、工程の短縮効果が見込まれる部分には建設用3Dプリンター製のプレキャスト部材を適用することで、プレキャスト化による現場の生産性向上につなげていきます。

 大林組は、本取り組みで得られた知見を生かし、さらに多様な構造物への3Dプリンターの活用を進めるとともに、土木構造物のフルプレキャスト化を推進することで、建設業の生産性向上と安全・安心なインフラ整備に貢献していきます。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118168/78/118168-78-801ab2e7e15dbfe43f3d3d2ed18ede1c-1280x493.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ダム堤体内の監査廊イメージ(青線部)



※1 i-Construction 2.0
2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目指し、「施工のオートメーシ
ョン化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一
人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指す、建設現
場のオートメーション化の取り組み
出典:「i-Construction 2.0」を策定しました〜建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)〜(国土交通省)
※2 監査廊
ダムの堤体内部に備わるトンネル(地下道)の形状をした管理用の通路であり、監査(検査、点検、測定)やゲート操作、排水、グラウト作業などに用いられる


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プレスリリース提供:PR TIMES

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