プレスリリース
2023年12月13日から開催される「第2回グローバル難民フォーラム」にて、グッドネーバーズ・ジャパンは国連機関や各国政府、他NGOなどと共に、難民支援に関して協議し、宣言を行います。
世界には今、1億1千万人以上もの避難民がいます。避難民とは、戦争・紛争、自然災害、人権侵害などにより住んでいた場所からの移動を余儀なくされた人々です。 そのうち3,640万人は国を越えた難民、6,250万人は国内に留まっている避難民です。グッドネーバーズ・ジャパン(以下「GNJP」)はこれらの人々の命と生活を守るため、各地で難民支援に取り組んでいます。
この度、スイス・ジュネーブで開催される国際会議「第2回グローバル難民フォーラム」においてGNJPは、主要な支援セクターと共に難民支援への取り組みを協議するとともに、今後4年間で2,096万米ドル規模で計28万6千人の支援に寄与することを宣言します。
4年に1度開催される同フォーラムは、国連機関や各国政府、NGOなどが集まり、次の4年間で行う難民や受入国への支援や政策に関して議論し、宣言を行います。
2023年12月13日〜15日にスイス・ジュネーブで開催され、日本が共同議長国として参加する「第2回グローバル難民フォーラム(Global Refugee Forum: GRF)」。同フォーラムは、難民支援に関して議論する世界最大の国際会議で、UNHCR (国連難民高等弁務官) が2019年に立ち上げました。
UNHCRがこのフォーラムに向けて世界各国の政府や国際機関、民間セクターなどから難民支援の取り組みに対する「宣言(Pledge)」を集めています。 GNJPは、今後4年間で取り組む難民支援を下記のような宣言として提出しました。
今後4年間の難民支援についての宣言
グッドネーバーズ・ジャパンは4年間で2,096万米ドル規模の支援を国内避難民、難民、受け入れコミュニティに対し行います。紛争や災害影響国において食料、現金、物資などの緊急支援から、持続可能な生計手段の提供、平和構築や社会統合促進を行うことで、HDPネクサス*に貢献します。これにより、計28万6千人の命と人権を守ることができます 。
*HDPネクサス(人道 Humanitarian ― 開発 Development ― 平和 Peace の連携Nexus):人道支援と並行して、難民の自立支援や受入国の負担軽減のための開発協力を行い、さらに根本的な原因である紛争の解決・予防に向けた平和の取り組みを進めるアプローチ。
グッドネーバーズ・ジャパンの難民支援 これまでの取り組み
GNJPは、故郷を追われ困難な生活を強いられている避難民の命と生活を守るため、各地で難民支援に取り組んでいます。人道危機発生直後の生活基盤を整えるための支援から、退避先での滞在が長期化する難民に対する自立のための支援など、各地の状況やニーズに応じた事業を行っています。
ウクライナ難民支援
事業実施地:ウクライナ国内、ルーマニア
事業開始:2022年6月〜
概要:生活・教育環境整備、心理社会的支援
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5375/78/5375-78-421cee66a56612e75a5a31430d368e53-1380x390.jpg ]
2022年から始まったウクライナ危機により、630万人以上が国外に避難しています。ウクライナでは18-60歳の男性の出国が禁じられていることから、これらの難民のほとんどが女性や高齢者、そして子どもです。GNJPはウクライナ国内での食糧や医療支援に加え、ルーマニアに避難した子どもたちへの生活環境整備や心理社会的支援を行っています。ルーマニアでの滞在が長期化する難民のために、生活物資やバウチャーの提供、言語や文化の学習機会の提供、教育環境の整備を行っています。また、子どもたちの心のケアのために、精神科医の指導のもと現地でファシリテーターを育成し、心のケアのワークショップを実施しています。これにより、子どもたちのPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの発症を予防し、ストレスや困難から立ち直る力を高めています。
これまでの活動について、詳しくはこちら
https://www.gnjp.org/reports/?category=11&area=39
スーダン難民支援
事業実施地:チャド
事業開始:2023年10月〜
概要:緊急水衛生支援
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5375/78/5375-78-0cc4a7219d4cd67af08d9b5c5a3b7137-920x260.jpg ]
2023年4月のスーダン国軍と即応支援部隊の衝突により、128万人以上が難民となり、その多くが隣国チャドに避難しました。既にチャドには2000年代からの難民が40万人以上おり、新たな難民流入により生活インフラが圧迫され、特に水へのアクセスや衛生環境が劣悪化しています。これに対応するため、GNJPはチャドの難民キャンプで水衛生環境の整備を開始。給水施設や共同トイレの設置を行い、さらに衛生啓発普及員を育成し、適切な施設利用の知識を難民たちに広める活動を行います。
南スーダン・スーダン難民支援
事業実施地:エチオピア
事業開始: 2023年3月〜
概要:生計向上支援、平和的共存支援
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5375/78/5375-78-6c5237d84205f2cc8875d9d2f2dae574-1380x390.jpg ]
1983年から続くスーダン難民問題。2011年の南スーダン独立以降に南スーダン国内での紛争による難民も、隣国であるエチオピアに流入し始めました。エチオピアには95万人以上の難民がおり、その76%がスーダンおよび南スーダンからの難民です。GNJPはエチオピアに流入した難民の経済的自立と平和的共存を支援しています。エチオピア西部の難民キャンプでは、難民とキャンプ周辺のエチオピア人コミュニティの生計向上と平和的共存を促す活動を行っています。具体的には、起業支援、共同組合の設立や運営支援、平和委員会の設立、対話の機会の提供、イベント開催などを通じて、難民の経済的自立とコミュニティ間の平和的共存を促進しています。
これまでの活動について、詳しくはこちら
https://www.gnjp.org/reports/?category=11&area=27
戦争などにより故郷を離れて生活している人々は、経済的・身体的、そして精神的に苦しい状態にあり、支援が必要です。
GNJPは、引き続き難民・国内避難民を守るため支援を継続してまいります。
■認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(https://www.gnjp.org/)について
国際組織であるグッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、2004年に日本事務局を開設。「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指し、アジア・アフリカの7カ国を対象に支援活動を行っています。2013年より、公益性の高い団体である「認定NPO法人」として東京都から認可を受けています。
プレスリリース提供:PR TIMES