プレスリリース
異分野交流による科学技術・産業振興と地域経済の活性化
摂南大学(学長:久保康之)の地域総合研究所は、3月9日に枚方キャンパスで、関西ネットワークシステム(KNS)との共催により異分野交流会『第77回関西ネットワークシステム定例会』を開催しました。当日は、産業界、地方自治体、教育業界など145人が参加し、活動紹介や基調講演に加え、薬用植物園の見学や産学官民メンバー51組による大規模なプレゼンテーションを行いました。交流会では、「産学官民連携はコミュニケーションからはじまる」を合言葉に有意義な時間を過ごしました。
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【本件のポイント】
● 摂南大学で『関西ネットワークシステム定例会」を開催、来場者は145人
● 産学官民メンバー51組による大規模プレゼンテーションを実施
● 摂南大学からは7人の教職員がプレゼンターとして登壇
■第77回関西ネットワークシステム定例会 in 摂南大学 枚方キャンパス 開催概要
日 時:2024年3月9日(土)13:00-19:00
場 所:摂南大学枚方キャンパス(大阪府枚方市長尾峠町45-1)
内 容:KNSの活動紹介/基調講演/施設見学/プレゼン大会/交流会
テーマ:「産学官民連携はコミュニケーションからはじまる」
主 催:関西ネットワークシステム
共 催:摂南大学地域総合研究所
後 援:関西ベンチャー学会 北大阪商工会議所
■異分野交流により地域活性化を目指す『関西ネットワークシステム』
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関西ネットワークシステムは、関西を中心に活動する産学官民のメンバーが築く異分野コミュニティです。広範な交流を通じて関西の科学技術と産業の振興を図り、地域経済の活性化に貢献しています。連携を通じて、異なる分野のメンバーが一堂に会し、新たなアイデアやプロジェクトが生まれることを期待しています。
URL:https://kns.gr.jp/about/
開催内容
■基調講演「産学官連携〜TAMA 協会のV字回復」 経済学部 教授・地域総合研究所長 野長瀬 裕二
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野長瀬教授は一般社団法人首都圏産業活性化協会(TAMA協会)の会長を務めており、協会の会員数が急激に減少した状況下で会長に就任し、その熟練の手腕により会員数のV字回復を達成、埼玉・東京・神奈川および周辺地域を一体とした地域の産学官の強固な連携の再構築に貢献しました。基調講演では、TAMA協会V字回復の成功事例を元に、産学官連携の意義や効果について説明しました。また野長瀬教授は関西ネットワークシステムにも以前から協力しており、その経験が今回の共催においても協力を促進する重要な要因となりました。
経済学部 野長瀬 裕二教授について
研究分野:地域イノベーション(クラスター政策、ベンチャー企業)、地域経済、中小企業論
製造業での実務経験を研究の基礎とし、地域ベンチャー企業のビジネスモデル研究、経営システム研究、地域イノベーション研究に注力。文部科学省・科学技術審議会専門委員や経済産業省・産業構造審議会臨時委員等にも任命され、厚生労働省や総務省、外務省といった中央官庁の政策立案・事業評価のほか、日本各地の自治体や商工団体の委員長や委員を歴任し、政策立案・事業評価に協力しています。
2016年より摂南大学の教授に着任し、2022年より同地域総合研究所所長。2018年からTAMA協会の会長に就任。
野長瀬教授のホームページ:https://www.innovationpartners.jp/nonagase/nonagase.htm
■薬学部附属薬用植物園の見学会
薬学部の学生と教職員の教育・実習および研究に使用している薬学部附属薬用植物園は、総面積約2,500平方メートル で、一般の方を対象とした見学会を定期的に行っています。薬用・有用植物約300種を栽培しており、普段見ることが難しい生薬アロエの基原アロエ・アフリカーナや、葉をちぎるとシナモンの香りがするニッケイなどを見学いただきました。
来場者からは、「学生がキャンパスライフを楽しみながら薬草について学べる工夫がされているのが印象的だった」「いくつかの大学の植物園を見学したことがあるが、植物の種類も多くここまで整備されたものは見たことがない」「珍しい植物を見ることができ、子どもにも楽しんでもらえた」といった声をいただきました。
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摂南大学プレゼンターのサマリー
産学官民メンバー51組のプレゼンテーションを実施し、摂南大学からは7人がプレゼンターとして登壇しました。
●理工学部 都市環境工学科 講師 久保田 誠也
「公共交通のあり方検討支援」
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コミュニティバスとデマンド交通の運行データをもとにコミュニティバスを廃止し、全てデマンド交通で代替した場合の自治体負担をシミュレーションした事例を発表。自動運転社会実現に向けての現在の取り組みも紹介。
●国際学部 国際学科 講師 小林 基
「たねたねプロジェクト〜地域づくりインターンシップへの挑戦〜」
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地域づくりインターンシップ(たねたねプロジェクト)について紹介。学生にとって、遊びが自分の興味関心を深めたり、地域コミュニティの面白さを知ることにつながるような、「思いがけず自利利他」を目指し実践している、数々のプロジェクトについても解説。
●薬学部 薬学科 講師 伊藤 優
「薬草で繋がる地域と大学〜育てて、学んで、触れ合って」
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植物分類学や天然薬用資源学、地域貢献活動をはじめとし、薬草で大学と地域を繋げる研究について発表。薬草を使った町おこしを行った事例や、薬草でクラフトコーラを作った事例を紹介。
●看護学部看護学科 准教授 小川 宣子
「高齢化率の高い地域で地域住民と協働して取り組む健康プロジェクト」
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「健康」を軸にした交流の場作りは、個人の健康行動のきっかけとなるだけでなく、孤立予防や地域活動の支援の一助になる可能性がある。高齢化が深刻な地域では、地域活動の担い手不足が課題であり、活動が継続できる仕組み作りが必要であると解説し、交野市松塚地区で摂南大学の看護学部・農学部・薬学部が連携して取り組んでいる「松塚健康プロジェクト」についても紹介。
●農学部応用生物科学科 助教 沼本 穂
「100%京田辺市産大麦を使ったクラフトビールができるまで」
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京田辺市でのクラフトビールづくりは、明治時代に同市内で栽培されていたビール大麦ゴールデンメロン品種を復活させるために、農業生物資源ジーンバンクから種子100粒の提供を受け栽培したことから始まった。種まきから収穫までの大麦栽培の活動やビール試験醸造体験、お披露目会の様子を発表。
●現代社会学部現代社会学科 講師 上野山 裕士
「居場所づくりからはじめる地域づくり」
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だれもが支えあいながら、「得意」を生かして活躍できる地域共生社会の実現のために、知る、交流する、対話する場としての「居場所」が必要である。居場所づくりと地域づくりについて、タテの関係ではなく、ヨコの関係でつながることや、若者が主役の活動をつくりだすことが重要であると発表。
●地域総合研究所 吉田 雄一朗
「適疎に向けて!「大学の知」使ってみませんか?」
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適疎(てきそ)とは、人口減少に対して適切な対応をとり持続可能な地域経済/生活基盤がある状態。地域の課題を共有することに加え、大学教員が持つ学術的知見を活用し、地域に貢献を行う(地域総合研究所 シンクタンク構想)ことが重要となると解説。
■参加者の感想
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・デザイン系の仕事をしているので、広告やクリエイティブ系のプレゼンを聞いた。
プレゼン内容が多岐に渡るので、短時間でさまざまな内容を学ぶことができて良かった。
・DXやデジタルサイエンス系のプレゼンを中心に聞いた。
交流会では異業種の方とも交流することで、業務の幅を広げたいと思っている。
■摂南大学 地域総合研究所とは
地域総合研究所は、経済産業・政治行政から、歴史文化、自然環境、都市インフラおよび福祉保健にまで対応できる総合大学の幅の広さを生かした「総合研究」の枠組みを作り、社会連携を推進する機関です。地域の住民・地域における市民活動と行政・福祉のあり方に焦点を置いて、市民社会活性度および地域の課題を各領域にわたって総合的に研究し、政策の在り方を共に考え社会連携を推進します。
●地域総合研究所 事務局 吉田 雄一朗のコメント
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既に個別連携に向けてやり取りが進んでいるプレゼンターも複数おり、非常に有意義であったと振り返っています。私自身今後も関西ネットワークシステムに参加したいと思い、次回の定例会(6月22日(土) 甲南大学)においても、教職員に声を掛け、一緒に参加する予定です。通常業務では関わることのできない異分野の方とも交流できることが、KNSの良いところだと思います。また、ビジネスの話のみならず、緩く意見交換できることも魅力です。今後は寝屋川キャンパスでの開催も検討したいと考えています。
プレスリリース提供:PR TIMES