プレスリリース
停泊中の船舶へ陸上から電力を供給し、カーボンニュートラルポートの形成を推進
株式会社弘電社
三菱電機株式会社
東芝三菱電機産業システム株式会社
株式会社弘電社(本社:東京都中央区、代表取締役社長執行役員:梶川裕司、以下、弘電社)、三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:漆間啓、以下、三菱電機)、東芝三菱電機産業システム株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:川口章、以下、TMEIC)は、横浜市本牧ふ頭A-4岸壁に新設する陸上電力供給システムを横浜市港湾局より受注しました。本システムは、停泊中の船舶に陸上から電力を供給するシステムで、公共ふ頭向けの電源周波数変換装置を備えたシステムとしては日本国内で初めて(※1)となります。
船舶の運行や港湾施設を含む国際海運全体で排出される温室効果ガスは、世界全体の約3%を占めており(※2)、ドイツ1カ国分の排出量に相当すると言われています。国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)では、2050年頃までに実質的温室効果ガス排出ゼロを目標に掲げ、世界中の港湾でカーボンニュートラルポートの実現に向けた取り組みが進められています。
従来、停泊中の船舶は、船内の照明や空調等に必要とする電力を船内の発電機で賄っていました。今回受注した陸上電力供給システムは、船舶の停泊中に陸上から船舶へ電力を供給することで、船舶より排出される温室効果ガス(二酸化炭素)や大気汚染物質(硫黄酸化物、窒素酸化物等)の排出量の削減に貢献します。停泊中の船舶から排出される温室効果ガス排出量は、臨海部の運輸部門の約38%を占める(※3)ことから、停泊中の船舶のアイドリングストップは、温室効果ガス排出への抑制効果が大きいと考えられています。
また、一般的に船舶における発電機の周波数は60Hzですが、今回新設される横浜市が位置する東日本地域は、50Hzの電力が供給されていることから、周波数を60Hzに変換する必要があります。本システムは、変電設備、変圧器に加え、東日本地域の陸上施設に供給される50Hzの電力を接岸中の船舶が要求する60Hzの電力に変換するための周波数変換装置を備えており、1994年に通商産業省(現:経済産業省)資源エネルギー庁が制定した高調波抑制対策ガイドライン(※4)と、国際規格IEC80005に準拠した電源品質を確保できます。
今後、弘電社、三菱電機、TMEICの3社は、早期の竣工に向けて協力して工事を進め、横浜市港湾局が推進するカーボンニュートラルポートの形成に貢献します。
■各社の役割
[表: https://prtimes.jp/data/corp/120285/table/75_1_da1d07bdc46dcf83061255d7ec0f5979.jpg ]
■システムのイメージ
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/75/120285-75-124289aca4614e8e7c908a97060e4927-1134x464.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出典:NEDO委託事業「横浜港におけるカーボンニュートラルポート形成に向けた水素利活用システム検討調査」(2023年3月、受託者:横浜川崎国際港湾株式会社、横浜市、横浜港埠頭株式会社)」
■関係者コメント
株式会社弘電社 電力・産業・プラント事業本部 営業部長 伊藤博康 コメント
「弘電社は、電気設備関連の工事と機器製品の販売を主たる業務とし、100年以上にわたり事業を通じて社会貢献に努めてきました。今日、企業に対してSDGsの達成や脱炭素化の実現を始めとした社会課題解決への取り組みが強く求められています。弘電社は、これまでに培ってきた幅広い技術・知見を大いに活用し、社会・地球環境のサステナビリティ実現に積極的に貢献していきます。」
三菱電機株式会社 神奈川支社 社会システム部長 土肥威雄 コメント
「三菱電機は、多様化する社会課題の解決に向け、事業を通じてサステナビリティの実現に取り組んでいます。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの活用など、環境に配慮した製品開発を行うとともに、地域のカーボンニュートラル化に貢献するため、地域との連携や持続可能なビジネスモデルの構築にも力を入れています。今後とも持続可能な社会の実現に向け、さらなる努力を続けてまいります。」
東芝三菱電機産業システム株式会社 産業第二システム事業部 営業第二部長 永坂宏樹 コメント
「TMEICは港湾エリアでの長い事業経験を踏まえ、クレーン制御自動化やヤード管理等のソリューションをグローバル向けに供給する一方、脱炭素の動きにマッチした港湾機能の高度化に寄与する製品の拡充を進めてきました。TMEICは今後もあらゆる港湾の電力供給容量に対応した陸上給電システム向け周波数変換装置をラインアップし、日本をはじめとする世界が目指すカーボンニュートラルポート実現を支援していきます。」
※1 2024年1月22日時点、三菱電機調べ
※2 出典:IMO “Fourth Greenhouse Gas Study 2020”
https://www.imo.org/en/OurWork/Environment/Pages/Fourth-IMO-Greenhouse-Gas-Study-2020.aspx
※3 出典:横浜市「横浜港におけるカーボンニュートラルポート形成に向けた取組について」
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/yokohamako/kkihon/torikumi/cnp/top.files/0050_20230929.pdf
※4 電子機器や通信システムにおいて高調波の発生や伝播を抑制するための指針や方法をまとめたもの
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三菱電機株式会社 社会システム事業本部 社会環境事業部
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