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【飢餓・紛争・難民】人道支援を必要とする人口の多い国、ウクライナは6位。第1位は?

(PR TIMES) 2023年06月21日(水)15時45分配信 PR TIMES

世界各地で起こる紛争や自然災害により、約3億4,000万人の人々が人道支援を必要とし、その3分の2を占める約2億人が10か国に集中しています。中でも世界最多の2,860万人が人道支援を求めるエチオピアでは、紛争や自然災害により人々が苦境に立たされ、避難民キャンプの中に入れず外で寝ていた子ども2人がハイエナに襲われる痛ましい事件も起こっています。
国際NGOグッドネーバーズ・ジャパンは現地で、飢餓、不衛生な環境、医療の欠如など、人道危機に直面する人々への即時の支援に取り組んでいます。
<10か国に2億人>人道支援を必要とする人々


2023年の世界における人道支援ニーズを報告した文書”Global Humanitarian Overview 2023[1]”(発行:OCHA, 国際連合人道問題調整事務所)より、人道支援を必要とする国ごとの人数をまとめたところ、このような結果となりました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/5375/72/resize/d5375-72-6caad4a57fe7d4f87f4d-0.jpg ]

この10か国ではいずれも紛争が発生し、人々は深刻な人道危機に直面しています。紛争で被災した人々は飢餓や社会インフラの喪失などにより、命の危機や極度の貧困に陥るリスクにさらされます。昨年、人道危機から逃れるため他の場所へ避難した人の数は、全世界で1億人に達しました[1]。

<エチオピア>人道支援を必要とする人口世界最多


エチオピアでは、近年人道危機が急速に悪化しており、支援を必要とする人数は世界で最も多い2,860万人にのぼります[1]。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5375/72/resize/d5375-72-25af5ae1051d46f89591-1.jpg ]

エチオピアでは、政治思想や民族の相違などを背景とした紛争が各地で発生しており、人道危機を招く大きな要因の一つとなっています。北西部のティグライ地域で2020年から2年間続いた内戦は、21世紀で最も多くの死者を出した紛争の一つと言われていますが、この紛争により、ウクライナ戦争による犠牲者数の約70倍[2]にあたる、約60万人もの民間人が命を奪われました[3]。

[1] United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), 2022. Global Humanitarian Overview 2023.
[2] 2022年2月24日から2023年4月9日までのウクライナでの民間人の死者は8,490人。OHCHR (April 2023) Ukraine: civilian casualty update 10 April 2023
[3] EL PAS (January 2023), Ethiopia’s forgotten war is the deadliest of the 21st century, with around 600,000 civilian deaths

「隣人が敵に豹変するかもしれないと思うと怖い」避難した後の苦しみ


避難をするため国境をまたいだ場合、その人々は「難民」と呼ばれます。一方、国境を越えず自国内で避難生活を送る人々は「国内避難民」と称され、難民よりも数多く存在します。エチオピアでは、近年の「40年に一度」といわれる極度の干ばつによる深刻な食糧危機も相まって、国内避難民が増え続けており、多くの避難者が劣悪な環境で避難生活を送らざるを得ない状況にあります。
「自分の子どもに食べ物さえもあげられない」
「避難者で溢れかえった避難民キャンプの中に入れず外で寝ていた子ども2人が、ハイエナに襲われた」
これらは、エチオピアに駐在するグッドネーバーズ・ジャパンの職員が、国内避難民から直接聞いた言葉です。
[画像3: https://prtimes.jp/i/5375/72/resize/d5375-72-e02a51a6be976cfd0b6c-2.jpg ]

国内避難民への支援は、避難生活下のみではなく、彼・彼女らが避難先を去った後においても継続することが求められます。
国内避難民が強制的または自発的に元々住んでいた場所に帰還し「帰還民」となった後も、家が焼かれる・奪われるなどの被害を受け安全な住居が確保できないケースや、医療・教育などの基礎的なサービスにアクセスできない状況に直面することは少なくありません。多くの場合、農地や家畜などが避難中に喪失し生計手段を失うため、自力で食糧を確保することも難しくなります。また、災害を体験したことでトラウマを抱える帰還民も数多く存在します。

「別の民族だった隣人と私たちは長年平和に暮らしていましたが、2018年に民族間の紛争が起きると隣人に家や農地を焼き払われ、あらゆる資産と生計手段を失い、生活は一変しました。
今、目に見える民族同士の衝突はなくなったけれど、また同じようなことが起こり、隣人が敵に豹変するかもしれないと思うと怖くて仕方がありません。」(エチオピアの帰還民女性 写真左)
[画像4: https://prtimes.jp/i/5375/72/resize/d5375-72-91ca1d5fe13aaff0b940-3.jpg ]

グッドネーバーズ・ジャパンの支援事業


グッドネーバーズ・ジャパンは、エチオピアにおけるこれらの課題に鑑み、日本から駐在員3名を派遣し、国内避難民への食糧配布や難民の生計向上など、緊急のニーズに対応しています。
2023年6月までに、紛争の被害を受けた学校および保健施設の補修、紛争中に ”ジェンダーに基づく暴力(GBV; Gender-based Violence)” の被害を受けた方々の経済状況を改善するための起業支援、国内避難民である5歳以下の子どもと妊産婦に対する栄養補助食品の提供など、多岐にわたる活動を行いました(ジャパン・プラットフォーム助成事業として実施)。
2023年3月からは、「エチオピア連邦共和国ゲデオ県・西グジ県におけるコミュニティの生計向上支援及び社会統合促進による平和構築事業」を新たに開始しました(日本国外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施)。本事業では、経済的に困難な状況にある紛争や自然災害の被害者に対して支援を提供し、彼らの生計を改善すると同時に、摩擦関係のある民族間の社会的な調和を促進することを目指します。
グッドネーバーズ・ジャパンは今後もこれらの活動を継続し、紛争被害者や国内避難民が安心して暮らすことができるよう支援します。
[画像5: https://prtimes.jp/i/5375/72/resize/d5375-72-62c7e94e63c20904b0d8-4.jpg ]

少しでも多くの命を救うために


ここまで述べたように、エチオピアでは紛争や自然災害により避難を強いられ、人道危機に直面している人々が後を絶ちません。しかし、支援の手が追いついていないのが現状です。
OCHAは、エチオピアにおける人道支援ニーズに対応するため、2023年に約40億米ドル(日本円で約5,599億円[4])の資金が必要と訴えています[5]。しかし、2023年6月現在で必要額の76.4%が不足しており[6]、支援の充足には程遠い状況です。それはすなわち、救える人と救えない人の選別が生じてしまうことを意味します。
支援の需要と供給のギャップに日々直面するグッドネーバーズ・ジャパンの駐在員は、「支援の対象を選ばなければならないことが最も辛い仕事」だと言います。今、エチオピアで苦しむ国内避難民や帰還民の命を救うために、民間・個人を含む国際社会からの支援が求められています。

[4] 換算レート:1米ドル=139.98円
[5] OCHA, 2023. Ethiopia Humanitarian Response Plan 2023.
[6] OCHA Financial Tracking Service (FTS). 2023. https://fts.unocha.org/appeals/1128/summary accessed on June 14, 2023.


■グッドネーバーズ・ジャパンはホームページにて、エチオピアで実施している事業の進捗や成果を定期的に報告しています。また、エチオピア支援専用寄付ページも設けています。
https://www.gnjp.org/donate/oneoff/emergency/ver3.2/index_ethiopialives.html

■認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(https://www.gnjp.org/)について
国際組織であるグッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、2004年に日本事務局を開設。「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指し、アジア・アフリカの7カ国を対象に支援活動を行っています。2013年より、公益性の高い団体である「認定NPO法人」として東京都から認可を受けています。



プレスリリース提供:PR TIMES

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