プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、Upcyclea社(アップサイクリア、本社:フランス・パリ)が開発した資源循環データプラットフォーム「myUpcyclea(マイアップサイクリア)」を活用して、建設資材の環境性能や、建設解体資材のリユース可能性(※1)を可視化し、建設資材の循環利用を推進する取り組みを開始しました。
1.背景
当社はこれまで建設資材の循環利用として、既存建物の構造材を生かした建物のリノベーションやコンバージョン、耐震改修等に取り組んできました。一方、内装材や設備機器のリユースは、仕様・寸法の違いや施工生産性の低下などが課題となり、多くは廃棄、またはリサイクルされることが多く、そのままリユースされることは希少でした。
サーキュラーエコノミーへの移行が求められる中で、建設資材のリユースを推進していくため、世界で300社以上の利用実績を持つUpcyclea社が開発した資源循環データプラットフォームmyUpcycleaを導入、活用することにしました。myUpcycleaの導入を決めた日本企業は当社が初めてとなります。
2.myUpcycleaについて
myUpcycleaは、建設資材の環境性能情報(デジタル製品パスポート)に基づき、CO2排出量や水使用量、建設資材の循環性、安全性(※2)等を比較して、リユースによる環境負荷削減効果を可視化し、建設資材のトレーサビリティや品質状況など、建物全体のライフサイクルマネジメント(※3)の状況を数値データとして生成・可視化・記録します。また、AI機能を搭載し、解体現場で生じるリユース可能な建設資材の供給情報と新築工事現場の需要情報をマッチさせる機能も有しています。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118168/69/118168-69-f1f6294fd05495edaba70c6946f3a7c3-2067x1070.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「myUpcyclea」を活用した建設資材循環利用のイメージ
3.建設資材の循環利用推進に向けた当社の取り組み
建物は建設資材の集合体であることから、建物解体現場はリユースやリサイクル可能な資材の供給源と言えます。解体現場から供給可能な資材の情報と、新築現場の需要情報、リユースにより得られる各種効果の指標をmyUpcyclea上に集約することにより、新築現場関係者に建設資材の循環利用を促します。
当社は、2024年9月から2025年3月にかけて、建設資材のデータ入力、各種環境データの数値化や活用、資材の環境情報データベース構築、外部システムとの連携など、myUpcycleaを活用した各種機能実証を、当社の解体現場と新築現場(技術研究所新実験棟)で行い、myUpcycleaの適用拡大に向けた課題抽出と解決策検討を進めます。2025年4月以降、myUpcycleaの適用現場数を増やし、利用を推進していきます。
4.今後の展望
大林組は、お客様に低炭素・サステナブルな建物を供給するだけでなく、myUpcycleaに幅広く蓄積された建設資材の環境性能情報(デジタル製品パスポート)を活用し、建物のライフサイクル全体をカバーする、建設資材の循環利用に取り組みます。また、この取り組みを通じて、お客様のポートフォリオの脱炭素化、ESG報告に向けたデータ整理に貢献していきます。
本取り組みで得られた知見を活かし、サプライチェーンをはじめ、さまざまな企業、団体とも連携を図り、建設資材のリユース活性化を積極的に取り組むことで、「Obayashi Sustainability Vision 2050」で掲げる「地球・社会・人」のサステナビリティの実現をめざします。
※1 リユース可能性
建設資材が、品質的・機能的に他の建設物でリユースできる状態であり、リユースによる環境負
荷等削減効果があること
※2 安全性
建設資材の原材料に人体に有害な物質が含まれていないかどうかの評価
※3 建物全体のライフサイクルマネジメント
建物の、資材製造〜建設〜利用〜解体に至るまでのCO2排出量等の主に環境に係る事項の評価
建設資材の原材料に人体に有害な物質が含まれていないかどうかの評価
プレスリリース提供:PR TIMES