プレスリリース
劉と竹ノ内によるRist社員コンビがKaggleコンペティション「RSNA 2023 Abdominal Trauma Detection」で金メダルを獲得
株式会社Rist(本社所在地:京都市下京区 代表取締役:藤田亮、以下Rist)は、世界最大級のデータ分析プラットフォームKaggleで開催されたコンペティション「RSNA 2023 Abdominal Trauma Detection」(以下、本コンペティション)において、Kaggle Master 劉、Kaggle Master 竹ノ内のチームが金メダルを獲得したことをお知らせします。
本コンペティションは、「Radiological Society of North America」の主催で2023年7月26日〜2023年10月15日にかけて開催されました。腹部周辺のCTスキャンデータから外傷による内臓(肝臓、脾臓、腎臓、腸)の損傷や内出血を検知し、4つの臓器の重症度を2〜3段階に分類するタスクで、解くためには3Dデータの扱いやSequenceモデル(※1)が必要でした。また、多時相造影CT検査という方法で取得されたデータだったため、1患者につき複数のスキャンが存在するケースがあるという特徴がありました。劉と竹ノ内は、個人・複数人からなる全1,123チーム中9位となり金メダルを獲得いたしました。
※1 Sequenceモデル:シーケンスデータ(時系列データなど、要素が並んだ一連のデータのこと)を処理するための機械学習モデルのこと。
本コンペティションの結果はこちらからご覧いただけます。
https://www.kaggle.com/competitions/rsna-2023-abdominal-trauma-detection/leaderboard
劉コメント
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/23649/67/23649-67-bdd1fe709cb9184f0480d5c63d5df9de-1300x1274.jpg ]
このコンペティションに参加する際に最初に困難だったことは、データとコンペの目的の整理です。複数の臓器と内出血、それぞれに対する損傷タイプを検知する必要があるため、非常に複雑なパイプラインを構築する必要がありました。工夫した点としては、切り出した臓器に対応したモデルを構築しました。さらに、内出血に関してはHU(Hounsfield Unit)の値が高いデータで学習を行うといった、医学的なドメイン知識を積極的に取り入れました。これにより、損傷検出の精度が向上しました。
コンペの期間中、End-to-Endの学習アプローチも試みましたが、この方法ではモデルがどの臓器に対するラベルなのかを自動的に理解するステップが欠けているため、予測精度が低かったです。これからの仕事や研究で活かせる重要な教訓として、特定のタスクに対しては情報を限定してモデルを学習させる方が有効であるという点が挙げられます。この経験は私の直感とも合致しており、今後はこの知見を広く活用していきたいです。
竹ノ内コメント
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/23649/67/23649-67-26f4801f52908e9798b6c877fb4b413d-1300x1333.jpg ]
過去に類似コンペが開催されており、良質な参考資料が共有された状態で始まったため、参加者の多くが過去資料を参考にしたアプローチを採用していました。 そのためトップ集団を除いてスコアが横並びで、差別化が難しい状況でした。モデリング部分で大きな改善を見込めなかったため、我々は入力データの工夫に注力しました。造影剤注入後の経過時間によって診断しやすい特徴が変わるという情報を文献で見つけたので、予測対象ごとに使うスキャンを大動脈HUに基づいて切り替えました。
また、3Dモデルを実装するのは今回が初めての経験でした。実際の実装は2Dモデルと大きな違いはありませんでしたが、チューニングの感覚が全く異なり面白かったです。 今回のコンペは医療分野でしたが、製造業の分野でも機会があれば3Dモデルの経験を活かしていきたいと考えています。
■Kaggleとは
Kaggleとは、登録者数1500万人(※2)を超える世界最大級のデータ分析プラットフォームです。企業や団体からコンペティション形式で出題された課題に対し、Kagglerと呼ばれるKaggleに登録するユーザーたちが分析モデルの精度を競います。
※2 2023年10月時点。
■世界最高クラスのAIエンジニア・データサイエンティストが在籍する「Rist Kaggle Team」
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/23649/67/23649-67-8a64ff39a3956cd8b899888c94051f0d-1500x972.jpg ]
Ristは2020年より、優秀な成績を持つKagglerを積極的に採用する「Kaggle枠採用」を開始すると同時に、世界最高クラスのAIエンジニア・データサイエンティストで構成される「Rist Kaggle Team」を創設しました。
今回金メダルを獲得したKaggle Masterの劉・竹ノ内も含め、Rist Kaggle Teamには6名のKaggle Grandmasterと5名のKaggle Masterが在籍しており、高難度なデータ分析・AI技術を用いたソリューション提供・プロダクト開発などに従事しています。
■Ristについて
Ristは先端技術を取り入れることで顧客企業や社会の課題を解決し、価値提供を行います。
人工知能技術Deep Learningなどを用いて、[工場×AI]をコンセプトに画像AI事業の「Deep Inspection」、データ分析事業の「Deep Analytics」の2つの領域で、お客様に合わせた幅広いAIシステムをオーダーメイドで開発しています。
AIを用いたシステムの社会実装を加速させるため、2018年12月に京セラコミュニケーションシステムの完全子会社となりました。
- 会社名:株式会社Rist
- 所在地:京都府京都市下京区五条通河原町西入本覚寺前町830 京都エクセルヒューマンビル 7階
- 設立日:2016年8月1日
- 代表取締役社長:藤田 亮
- URL: https://www.rist.co.jp
※記載されている会社名、ロゴ、システム名、商品名、ブランド名などは、各社の商号、登録商標、または商標です。
プレスリリース提供:PR TIMES