プレスリリース
1,726点の応募の中からポー・ユン・ルーによる認知症高齢者のリハビリテーション支援ツール「Rewind」が受賞
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LEXUSは、次世代を担うクリエイターの育成・支援を目的とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2022」において、57の国と地域から集まった1,726点の応募の中からポー・ユン・ルーの「Rewind」をグランプリに決定しました。「Rewind」は、日常生活において慣れ親しんだ動作を、デジタルデバイスを用いて再現することで、認知症高齢者の記憶を呼び起こす一助とするリハビリテーション支援ツールです。手に持ったデバイスによる動作が、ペアリングされたモニター上に視覚的・聴覚的なフィードバックとして反映され、記憶を呼び起こすきっかけとなります。
グランプリ作品は、豊かな社会とより良い未来を創造するためにLEXUSが掲げる3つの基本原則「Anticipate(予見する)」、「Innovate(革新をもたらす)」、「Captivate(魅了する)」、そして、今回新しく審査項目として追加された「Enhance Happiness(そのアイデアがいかに人々に幸せをもたらすか)」を最も具現化していると評価され、グランプリに選出されました。「Rewind」は、日常生活において慣れ親しんだ動作を、デジタルデバイスを用いて再現することで、認知症高齢者の記憶を呼び起こす一助とするリハビリテーション支援ツールです。手に持ったデバイスによる動作が、ペアリングされたモニター上に視覚的・聴覚的なフィードバックとして反映され、記憶を呼び起こすきっかけとなります。
ポー・ユン・ルーを含む6組の入賞者は、2022年の1月以降、アイデアを形にしていくプロトタイプの制作に取り組んできました。メンターを務める、サム・バロン氏、ジョー・ドーセット氏、早野洋介氏、サビーヌ・マルセリス氏らの熱心な指導のもと、約3ヶ月間かけてアイデアをブラッシュアップし、それぞれのアイデアは素晴らしい進化を遂げました。今まさに世界で活躍するクリエイターたちによる直々の指導は、入賞者たちにとって貴重な経験となりました。
グランプリを受賞したポー・ユン・ルーは、「『Rewind』という作品によって、より多くの人々の生活の向上に貢献したいという想いが、実現に近づいたことをとてもうれしく思っています。素晴らしいメンターの方々をはじめ、一緒に取り組んできたエンジニア、プログラマー、ヘルスケアの専門家、そして試作品を試してくださった高齢者の皆さんのお力添えなしには到底実現できませんでした。LEXUS DESIGN AWARDがこのアイデアを実現するきっかけになったことは間違いありません。また、世界各国の熱意に満ちた入賞者たちと出会い、彼らから多くを学べたことにも心から感謝しています。LEXUS DESIGN AWARDでの経験は本当に刺激にあふれた実りあるものでした。今後も、より良い未来のためのデザインに挑戦し続けていきたいと思います」と感想を述べました。
また「LEXUS DESIGN AWARD 2022」の新しい賞典として、各入賞者は、本アワードの審査員を務める、パオラ・アントネッリ氏、アナパマ・クンドゥ氏、ブルース・マウ氏、サイモン・ハンフリーズと1対1で個別に交流する機会を持ちました。そこでは作品に対するフィードバックにとどまらず、若きクリエイターたちの今後のキャリアやビジョンについても話し合うことができ、入賞者にとって非常に有意義な時間となりました。
審査会終了後、4名の審査員はLEXUS DESIGN AWARD 2022を振り返り、それぞれ以下のように述べています。
パオラ・アントネッリ氏は、「LEXUS DESIGN AWARD 2022の入賞者は、様々な分野で色々なテクノロジーを駆使したアイデアを見せてくれましたが、すべてに共通したのは、誰かを、もしくは何かを”気にかける(Care)”ということでした。地球環境、高齢者や障がい者、家族やコミュニティなど、どれも相手に寄り添った内容でした。世界が危機に直面する今日、詩的で美しく、なおかつ実効性と拡張性をもったソリューションをデザインは提案しうるということを証明しています。素晴らしいクリエイターたちの活躍によって、社会、環境、そして世の中は活気に溢れていくと思います」と述べました。
アナパマ・クンドゥ氏は、本アワードの特徴であるメンターシップについて「創造性にあふれる次世代のクリエイターを選出し、メンターシップを通じてそのアイデアを進化させていくという当アワードの特徴は興味深いものでした」と述べました。また、ブルース・マウ氏も、「入賞者が、第一線で活躍するプロフェッショナルなメンターたちと直接対話しながら作品を作り上げていくというLEXUS DESIGN AWARDのプロセスは大変素晴らしいもので、最終プロトタイプがその成果を物語っています」と述べました。
サイモン・ハンフリーズは、「人々の生活をより豊かなものへと変えていく創造力の持つ力は、いつも私に驚きをもたらしてくれますが、今年の入賞作品もその事実をさらに強く感じさせてくれました」と語り、見過ごされがちな課題に対し、創造性あふれる視点で取り組んだ6組の入賞者を称賛しました。
なお、LEXUS DESIGN AWARD 2022の入賞者6組のプロトタイプは、6月6日から12日にイタリアで開催される世界最大級のデザインイベント「ミラノデザインウィーク2022」のLEXUS展示エリア内で一般に公開される予定です。
LEXUS DESIGN AWARDについて
2013年に創設されたLEXUS DESIGN AWARDは、世界中の新進気鋭のクリエイターに焦点を当てる国際デザインコンペティションです。より良い未来を形成する力を持った作品を制作するデザイナーやクリエイターを支援することによって、社会に貢献するアイデアを育むことを目的としています。
同賞は、世界的に認知された一流のデザイナーをメンターとして、提案したデザイン案のプロトタイプ化に取り組む貴重な機会を6組の入賞者に提供します。
* LEXUS DESIGN AWARDの詳細に関しては、下記サイトを参照ください。
ホームページ:https://lexus.jp/magazine/artdesign/lexus-design-award/
公式ハッシュタグ:#lexusdesignaward
LEXUS DESIGN AWARD 2022 入賞作品
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作品名 Chitofarm
作品概要
ミールワーム(餌用の虫)が廃棄発泡スチロールを食べて消化することに着目したエコシステム。発泡スチロールゴミを、より安全に、そして簡単に処理することのできる革新的な提案。
メンタリング後の進化
ミールワームの抜け殻を使った環境に配慮した梱包素材の提案だったものを、社会全体のエコシステムにテーマを拡張。
入賞者 シャーロット・ボーニング & メアリー・レンプレス
出身国 米国・ドイツ(シャーロット・ボーニング)、米国・ノルウェー(メアリー・レンプレス)
活動拠点:米国
シャーロット・ボーニングとメアリー・レンプレスはプラット・インスティチュートで工業デザインの修士号の取得を目指すクラスメート。開発、行動経済学、化学、ファインアートに通じている。素材起点のイノベーション、共感テクノロジー、人間中心とした要素に重点置いたデザインを実践。
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作品名 Hammock Wheelchair
作品概要
車いす、フォークリフト、ハンモックの3つの機能を持ちあわせた介護用の椅子で、介護者の身体的負担を軽減するために介護者の目線で開発された。布がパレットの役割を果たし、2本のつめが付いた車いすがフォークリフトの役割を果たす。
メンタリング後の進化
機能性の向上に加え、高齢者・患者に寄り添った色や質感に変更。
入賞者名 Wondaleaf
(アレックス・ウォン、ルーベン・タン、ルイス・タン、ウォン・ピン・ミン、ジョン・タン、ラウ・
イェン・イ ェン、・シー・ハウ・シン)
出身国 マレーシア
Wondaleaf は、医療機器イノベーション企業に勤め、デザインとエンジニアリングのそれぞれ異なる専門分野を持つメンバーで構成。老人ホームの運営経験から現場の課題に触れたメンバーの声がけにより、こうした施設の介護者や患者を支援するデザインを形にするためにチームを結成。
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作品名 Ina Vibe
作品概要
軽量で持ち運び可能なソーラー式調理器具。電力供給が不安定な地域において、環境に配慮した電力を供給することができる。付属のバッテリーパックから照明や、その他のデバイスへの充電も可能。
メンタリング後の進化
当初は水素をエネルギー源として想定していたが、自然の力を有効活用するソーラー式発電へシフト。電力供給が不安定な地域でアクセスしやすい方法へと変更した。
入賞者名 Team Dunamis
(オバソジ・オッパメ、オバソジ・オサスンウェン、アナスタシア・アマディ、ウワゲ・アイゼヨサ
ボ、エマニュエル・オモレヒン)
出身国 ナイジェリア
Team Dunamisは、ナイジェリアのランドマーク大学とリバーズ州立大学で工学および経営学を学んだ5名で構成されるチーム。エネルギー問題をはじめとする社会課題に対し、人間中心の考え方で、社会をより良くしていくシステムを提案することに情熱を注いでいる。地域社会における希望の光となることを目指している。
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作品名 Rewind
作品概要
慣れ親しんだ動作を再現することで、認知症高齢者の記憶を呼び起こすためのリハビリテーション支援ツール。手に持ったデバイスによる動作が、ペアリングされたモニター上に視覚的・聴覚的なフィードバックとして反映され、記憶を呼び起こすきっかけとなる。
メンタリング後の進化
使い勝手や衛生面にも配慮したデザインへと進化。また、記憶を呼び起こす様々なシーンをプログラムに組み込んだ。認知症という世界的な社会課題に対するリハビリテーション支援ツールを、いかに身近で取り入れやすいものにするかという点を重視して、実践的なアイデアへと発展させた。
入賞者名 ポー・ユン・ルー
出身国 シンガポール
ポー・ユン・ルーは、人々の生活を向上させることでより良い社会を目指す、社会活動に積極的なプロダクト・デザイナー。文化的に豊かで多様な社会に生きる彼女は、デザインをあらゆる人々のために直感的で包括的なソリューションを開発するための方法として考えている。
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作品名 Sound Eclipse
作品概要
ノイズキャンセリング技術を活用し、屋外の騒音を打ち消すことで、窓を開けた状態でも静かな室内環境で楽しむことを目指す。窓に設置したデバイスの背面のマイクが騒音を感知し、スピーカーから騒音と同じ振幅で逆位相の音波を出すことで、音波と騒音が合成し、互いに打ち消しあって外からの騒音を軽減する。
メンタリング後の進化
単なるノイズキャンセリングデバイス機能だけでなく、日常生活における環境音量のバランスについても探求。
入賞者名 Kristil & Shamina
(クリスティーナ・ロギーノワ、シャミール・サハビエフ)
出身国 ロシア
シャミール・サハビエフは、工業デザイナー兼コンセプトアーティスト。VRゲームを含む複数のビデオゲームタイトルにデザインを提供している。クリスティーナ・ロギーノワはプロダクトマネージャーとして、多くのクリエイティブなアイデアを収益性の高いビジネスに変えることに貢献。現在は共に、未来を見据え、社会に利益をもたらすものを作ることを目標に工業デザインに注力している。
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作品名 Tacomotive
作品概要
薄いシートを切り抜いた様々な文様が創り出す触感を利用して、感覚的に情報を伝える触覚言語。識字能力に左右されない全く新しいコミュニケーションツール。
メンタリング後の進化
当初、盲ろう者のためのドライビングゲームの提案であったが、この技術が持つ可能性を紐解き、ターゲットを特定しない新しい触覚言語の開発へと進化。
入賞者名 三國 孝
出身国 日本
三國孝は東京大学(教養学部)統合自然科学科(自然科学)を卒業し、同大学大学院工学系研究科(機械工学専攻)でデザインを学んだ。感情と自然への好奇心を大切にしつつ、いつか世界の片隅を照らすデザインを世に送りたいと願っている。
LEXUS DESIGN AWARD 2022 審査員プロフィール
パオラ・アントネッリ(Paola Antonelli)
ニューヨーク近代美術館 (MoMA) 建築・デザイン部門シニア・キュレーター
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)建築・デザイン部門のシニア・キュレーター兼研究開発部門責任者。デザインが世界に好影響を与えることが普遍的な理解として浸透することを目的に活動している。デザイン、建築、アート、科学、テクノロジーを融合し、見過ごされがちなモノや習慣を含む日々の生活におけるデザインの影響力を追求する。これまでに多数のイベントのキュレーション、本の執筆、世界各地での講演を行う。
アナパマ・クンドゥ (Anupama Kundoo)
建築家 / アナパマ・クンドゥ・アーキテクツ創設者
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1989年にムンバイ大学卒業、2008年にベルリン工科大学にて博士号を取得。社会経済に有益でありながら、環境に配慮する空間と素材の研究成果に基づき、人間を中心とした様々な建築を生み出してきた。
2021年春、デンマークのルイジアナ近代美術館にて個展「Taking Time」を開催。
急速な都市化と気候変動に関連する開発問題の専門知識を生かし、世界中の大学で建築と都市マネジメントについて講義を行い、2020年春にはイェール大学でダベンポート客員教授を務めた。現在はドイツのポツダム建築学校の教授。
ブルース・マウ (Bruce Mau)
MASSIVE CHANGE NETWORK共同創設者・CEO
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デザイナー、作家、教育者、アーティスト、起業家。
共感と事実に基づく楽観主義に根差す、ホリスティックな生命中心のデザインアプローチにより、クライアントがそれぞれの目的や未来を明確に思い描く事が出来るようサポートしている。30年にわたるデザイン革新の活動で、世界的なブランドや企業、団体、国家元首、著名アーティスト、楽観主義者の仲間たちとコラボレーションを続けてきた。
サイモン・ハンフリーズ(Simon Humphries)
Head of Toyota & Lexus Global Design
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LEXUSのグローバルデザインを統括する立場にあり、日本の文化・伝統を取り入れながら人々を魅了するデザインの方向性を構築し、ブランド哲学という形でブランド独自の価値を策定している。
1988年に英国王立技芸協会の製品デザイン部門での受賞をきっかけにソニーに入社。在職中に日本でデザイナーとして働くこと・生活することに魅了される。
1994年にトヨタ自動車入社以来、デザイン領域でリーダーシップを取り、LEXUSブランドのアイコンとなったスピンドルグリル構築の一翼も担う。
サム・バロン (Sam Baron)
デザイナー / SAM BARON & Co クリエイティブ・ディレクター
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創造性と先見性あふれるクリエイティブ・リーダーであるサム・バロンは、ホスピタリティ、リテール、デザイン、ファッション、カルチャーの各分野において、革新的なアイデアをコンセプトから完成まで導き、アートとデザインが互いの領域を超えて融合した作品を生み出している。さらに、世界有数のブランドとのコラボレーションにより、洗練されたまったく新しい体験を提供してきた。
また、イタリアの国際的コミュニケーション研究センター Fabricaのデザインディレクターとして、10年間にわたりコンサルタントを務めている。
ジョー・ドーセット(Joe Doucet)
デザインエンジニア/ジョー・ドーセット x パートナーズ代表
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デザイナー、起業家、発明家、クリエイティブ・ディレクターとして、現在アメリカで最も人気のあるクリエイターの一人。ドーセット氏はイノベーションや社会課題の解決、美意識にはデザイン思考が有用であると考え、視覚的・技術的にクリエイティブでありながら、メッセージ性を含んだ作風を特長とする。また、作品に関するデザインや技術で数多くの特許を保有している。ドーセット氏の作品は、世界中で展示されているほか、ワールドテクノロジーアワードの「デザインイノベーション賞」や複数の「グッドデザイン賞」などの国際的な賞も数多く受賞。
早野 洋介 (Yosuke Hayano)
MADアーキテクツ共同主宰
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早野洋介は日本出身の建築家で、中国・北京を拠点とするMADアーキテクトを共同主宰する。MADはマ・ヤンソン、ダン・チュン、早野洋介により主宰される建築事務所であり、東洋の思想を取り入れ建築の未来を模索し、人と自然、環境との情緒的関係を創造し、建築文化の在り方を探求している。
受賞歴として、ニューヨークアーキテクチュア・リーグよりヤング・アーキテクツ賞(2006年)、デザイン・フォー・アジア賞(2011年)、くまもとアートポリス推進賞選奨(2011年)など多数。2008年から2012年まで、早稲田大学芸術学校にて非常勤講師、2010年から2012年まで東京大学にて外部講師を務める。
サビーヌ・マルセリス(Sabine Marcelis)
デザイナー / スタジオ・サビーヌ・マルセリス創立者
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ロッテルダムを拠点に活動しているオランダ出身のデザイナー。2011年にデザインアカデミーアイントホーフェンを卒業したマルセリス氏は、プロダクト、インスタレーション、空間デザインの分野で、素材性を重視したデザイナーとして活動を開始した。彼女の作品は、素材の特性を強調したシンプルなフォルムを特徴とする。マルセリス氏は他者とコラボレーションする際には、自身の強い美的感覚を発揮し、素材の研究や実験を活かして製造工程にも関わることで、斬新な視覚効果を実現している。
※審査員プロフィールは一部抜粋。詳細は添付のプレスリリースをご確認ください。
プレスリリース提供:PR TIMES