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【アンケート】物価高騰がひとり親家庭の生活を直撃「給食を2,3人前食べてきてもらって、夕食は一品またはゼロ」

(PR TIMES) 2022年07月08日(金)19時45分配信 PR TIMES

「玉ねぎが高く、子供はカレーが大好きなのですが作る頻度が減りました。」「おかずの量を減らしたために、子供達がこっそりカップ麺を食べるのを見て心苦しくなった。」

今年に入り、スーパーに並ぶ食材の価格に変化がありました。大手の食品・飲料メーカー、飲食店チェーンも相次いで値上げを発表し、多くの消費者が物価の高騰を感じています。およそ半数が相対的貧困とされるひとり親家庭では、物価高騰によりさらなる経済的困難を抱えています。
ひとり親家庭を対象としたフードバンク事業「グッドごはん」を運営する認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(東京都大田区)は、今年6月、食品支援に申し込んだ利用者を対象にアンケート調査を行い、物価高騰に対しての意識および行動を調べました。
総務省は6月24日、モノやサービスの価格変動を表す今年5月の消費者物価指数は、2020年同月比で2.5%の上昇 (生鮮食品およびエネルギーを含む)との報告を発表しました。そのうち、生鮮食品は12.3%、生鮮食品を除く食料は2.7%の上昇となりました。
グッドネーバーズ・ジャパンにも、ひとり親家庭を対象としたフードバンク事業「グッドごはん」の利用者の方々から、日常的に購入していた食品や日用品が値上がりし困っているという声が多く寄せられるようになったため、今年の物価高騰に関してひとり親家庭の意識および行動についてのアンケートを実施しました。


【アンケート概要】
アンケートに回答したのは、認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが運営する、ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」を利用する、「ひとり親家庭等医療費受給者証※」を持つ首都圏および近畿圏のひとり親です。
※ひとり親家庭等医療費受給者証:18歳未満の子どもを養育し、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭等に交付される医療費助成制度の医療証

アンケート名:2022年の値上げに関するグッドごはん利用者の意識・行動アンケート
実施日:2022年6月1日〜10日
対象者:「グッドごはん」に食品を申し込んだ首都圏および近畿圏の利用者(首都圏は主に大田区、品川区、その他東京・神奈川・埼玉 / 近畿圏は主に大阪・京都・兵庫・奈良)
有効回答数:1267名(首都圏 630名、近畿圏 637名)



【値上げの実感】

[画像1: https://prtimes.jp/i/5375/63/resize/d5375-63-3347e0b6483ee4a535fa-0.jpg ]

まず、2022年に入り、日常生活で値上がりを実感するかどうかについて質問しました。「実感する」「やや実感する」と回答した人の割合は94.3%となり、大多数のひとり親が物価高騰を実感していることがわかりました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5375/63/resize/d5375-63-5eb91bed8a6fecd50940-1.jpg ]

前の質問で「実感する」「やや実感する」と回答した人に、値上げを実感する品目を質問したところ、一番多かった回答は「生鮮食品」でした。回答者の76%が値上げを実感する品目として選択しました。特に、玉ねぎなどの野菜の価格が高騰しているという声がとても多く、予算内で購入できる材料が限られてしまうことで、栄養バランスの良い料理や子どもの好きな料理を作れなくなってしまいます。

値上がりを実感する声

玉ねぎが高く、子供はカレーが大好きなのですが作る頻度が減りました。
子どもが朝はパンを食べたがるのですが、値上がりして毎日はキツイので、半額になっている時間に買いに行ったりしています。
麺類が大好きな子どもたちのためにしょっちゅうスパゲティやうどん等を買うのですが、価格が上がってしまったためかなり厳しく、子どもたちに説明して頻度を減らすことに納得してもらうのが大変だった。
98円で買えていたミニトマトが298円になっいて、もう買ってあげられません。


自由記述欄では、食品以外の品目として光熱費やガソリンを挙げる人が多くいました。


【値上げへの対応】

[画像3: https://prtimes.jp/i/5375/63/resize/d5375-63-237f05e110b6fb389df7-2.jpg ]

必要なものが値上がりしていた場合の対応について、回答者の53%が「購入の頻度を減らす」を選択しました。
購入頻度を減らすため、

補充が必要でも週末にと決めたらそれまで我慢し、缶詰などを利用する。
冷蔵庫が空になってから買い物する。

といったルールを設けるという声がありました。

加えて、それぞれ40%を超える回答者が、「購入を控える」「より価格の低いものに変える」を選択し、多くのひとり親が必要なものの値上げに際し、購入時の行動を制限することがわかりました。


[画像4: https://prtimes.jp/i/5375/63/resize/d5375-63-86a303b401dc22d79333-3.jpg ]

次に、物価高騰を受けて現在減らしている出費について質問しました。回答者は、最初の値上げの実感についての質問で「実感する」「やや実感する」と回答した人です。最も高かったのは「食費」で、「娯楽費」がそれに続きました。

食費を減らすために、

子どもには給食でおかわりをしてきてもらい、家では牛乳を買わないようにしている。給食で2,3人前食べてきてもらい、夕食は小皿一品だけもしくはゼロで済ませる。
野菜が高くなり、素のラーメンになることや、おかずをつくるよりも100Yenショップのレトルトをご飯にかけて食べることも多くなった。

などのひとり親家庭の状況が明らかになりました。

また、自由記述には、「普段から節約していて、もう減らすところがほとんどない。」「自分の心(を減らしている)」といった声もありました。

さらに、食品の買い物の時に節約のために気をつけていることとして、以下の回答がありました。

夕方値下げシールついてからや、パンなど期限が近い見切り商品を購入。
特売の日にまとめ買いをして、何種類かのメニューを作り冷凍保存しています。
安いスーパーを何軒も行くようにしている。
豆腐やもやしでかさ増しして量を増やす。
お腹を空かせていくと、あれこれ買ってしまうので、お腹空かせていかない。
子どもが一緒だと、いろいろ買わざるを得ないので、子どもを買い物に連れて行かない。(高いから買わない現場を見せたくないのもあります。)


普段から食費を抑えるための工夫に意識や時間を注いでいるにもかかわらず、物価高騰によって、スーパーに売られている野菜やお肉が値上がりしているのを知ったときの絶望は想像に難くありません。


【収入は増えないのに】
本調査とは別に4月から5月にかけて実施した、グッドごはん利用者の世帯年収の調査では、2019年に行った同様の調査と回答を比較した結果、ひとり親家庭は2年半前よりさらに厳しい経済状況に置かれていることが分かりました。年収が100万円未満であると回答した人の割合は11%から23%に増加し、全体的に収入が減っていることがわかります。
[画像5: https://prtimes.jp/i/5375/63/resize/d5375-63-9376b7fee44548f453e1-5.jpg ]



もともと少ない世帯収入がさらに減っている中、食品、日用品などの生きていくため不可欠なものの価格高騰は、家計に大きなダメージを与えます。子どもたちに選択肢を与えてあげたいという思いとは裏腹に、低所得のひとり親は、一人で家計をやりくりし、家庭を守っていくために心まで切り詰めています。


おかずの量を減らしたために、子供達がこっそりカップ麺を食べるのを見て心苦しくなった。
お肉やお魚回数を減らしていて、子供にまた、お肉ないの!?と言われました…仕方ないですよね…
収入が少ないので買える物が減りました。特に自身の服や化粧品は何年も買っていないです。
一年生になったらやりたいと言っていた、サッカーの習い事が始められない。初期費用がとても出せない…
喉が渇いている時に、一回我慢して具合が悪くなった。
元から困っているのが さらに苦しくなり 母は水のみがほとんどです。
光熱費が高いので省エネをガミガミ言ってしまい喧嘩が絶えない。



【おわりに】
以前から、グッドネーバーズ・ジャパンには、十分に食べ物が買えない、生活が苦しい、というひとり親の声が多く寄せられていました。しかし、「2022年の値上げに関するグッドごはん利用者の意識・行動アンケート」を通して見えてきたのは、多くのひとり親家庭が物価高騰の影響を大きく受け、これまで以上に苦しい状況にいるということでした。

7月10日の参院選では、物価高対策が最大の争点と言われています。一時的な給付金などはもちろん助かりますが、安定した就業の機会と、物価の増加分を上回る持続的な賃金の底上げが、ひとり親に限らずすべての国民の生活を守ることに繋がります。未来を担う子どもたちを一人で育てるひとり親家庭の声を聞き、長期的な安心を家庭に与えられるような政策が議論されるべきと考えます。

グッドネーバーズ・ジャパンは、「グッドごはん」を通して、食の分野からひとり親家庭を支援しています。食べるものがあるということは、お金の余裕、ひいては心の余裕につながると考えています。より多くのひとり親に食品を届けるため、「グッドごはん」事業を拡大していきます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/5375/63/resize/d5375-63-d9f949ef22c1791eb9b2-7.jpg ]


■ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」とは
「グッドごはん」とは、主に首都圏および近畿圏のひとり親家庭(※)を対象に、食品を無料で配付する事業です。企業や個人の寄付によって集まった、お米や調味料、レトルト食品、お菓子など、約10,000円相当のカゴいっぱいの食料を毎月ひとり親家庭に配付しています。

※1 当事業の対象者は、ひとり親家庭等医療費受給者証をもつ、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭で、通常は首都圏および近畿圏の配付拠点に直接取りに来られる方を対象としています。
https://www.gnjp.org/work/domestic/gohan/



プレスリリース提供:PR TIMES

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