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認定NPO法人REALs (Reach Alternatives)

シリアの国内避難民が直面している課題の解決を支援〜食料危機、心のケア、ジェンダーに根差した暴力〜

(PR TIMES) 2022年03月26日(土)02時40分配信 PR TIMES

認定NPO法人REALs(Reach Alternatives)(東京都新宿区、理事長瀬谷ルミ子、以下REALs)は2022年2月より、現地支援団体との提携により、シリア国内で過酷な避難生活を送る国内避難民にたいして、食料配布支援を開始しました。本事業の事業期間は2022年10月までを予定しており、以下の活動を行います。

・喫緊の食料ニーズにさらされた645世帯(約3,270人)への食料配布支援
・戦闘や避難生活により心に傷を抱える約500人への心理社会的サポート
・約500人へのジェンダーに根差した暴力に関する予防啓発の実施
[画像1: https://prtimes.jp/i/6416/61/resize/d6416-61-56a09790e560c69aa423-0.jpg ]

シリア国内で避難生活を送る国内避難民が直面している状況
[画像2: https://prtimes.jp/i/6416/61/resize/d6416-61-07ecbea5ac1b796f5c2b-2.jpg ]

 シリア国内では、一部地域での戦闘激化に伴う避難民の増加、隣国レバノンの経済危機および米国の制裁によるシリアポンドの暴落などにより不安定な情勢が続いています。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大や、それに伴う外出制限が家庭や個人の生活に打撃を与えています。



—食料危機
 経済の混乱は食料価格の高騰をもたらしており、2020年には1年間で食料価格が約230%上昇しました。2021年6月時点では、シリア全人口の過半数を超える、約930万人の人が十分な食料がなく空腹のまま眠りにつく生活を送っています。シリア国内で多くの人が深刻な食料危機にさらされるなか、特に厳しい生活を送る国内避難民は、生きていくために必要最低限な食料の入手すら難しい状況にあります。2021年9月時点で、命にかかわる喫緊の食料支援を必要とする国内避難民約330万人のうち約150万人の人々が食料の支援を受けましたが、まだまだ多くの人々が生命の危機に直面しています。

—メンタルヘルスの問題
 未だに続く激しい戦闘、過酷な避難生活により、とくに子どもたちを始めとする避難民たちが深刻な心の傷を抱えています。長期化する避難生活による経済的な困窮や家計のひっ迫、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い直接相談できる相手がおらず孤立する状況に置かれていることも、メンタルヘルスの問題の悪化に拍車をかけています。紛争や家族との死別・離別などのトラウマを抱えている国内避難民が、何の専門的サポートも受けられない状況で絶望的な状況に置かれています。

—ジェンダーに根差した暴力リスクの増加
 国内避難民のなかでも、女性や子どもは、慣習による差別や排除、生計手段の欠如などから弱い立場に置かれやすく、ジェンダーに根差した暴力の高いリスクにさらされています。家計の悪化に対処するための児童婚など、生活を守るために負の影響が大きい方法を取らざるを得ないケースの増加が報告されるなど、ジェンダーに根差した暴力の拡大が発生しています。

 こういった状況に対応するため、、食料支援をWATAN Foundationと、心理社会的サポートとジェンダーに根差した暴力予防啓発セッションの提供支援をSyria Women Associationと提携し、以下の支援を行います。なお、提携するWATAN FoundationとSyria Women Associationは、トルコに拠点を置きシリア国内への支援活動を行っている団体です。

喫緊の食料ニーズにさらされた645世帯(約3,270人)への食料配布支援
 食料配布支援ではWATAN Foundationと提携し、645世帯(約3,270人)に、月1回のペースで計8回の食料バスケットの配布を予定しています。バスケットには米、パスタ、ひよこ豆、油や塩など、生きていくために必要不可欠な食料が含まれます。食料支援を受ける期間中に使わずに済む食費を貯蓄に回すなど、将来的に安定した生活を送るための助言も行うことで、8カ月間の食料支援を生活再建のきっかけとすることを構想しています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/6416/61/resize/d6416-61-c7285069991e54069ad1-1.jpg ]


避難生活で不安やストレスを抱える約500人への心理社会的サポート
約500人へのジェンダーに根差した暴力の予防啓発セッションの実施
 心理社会的サポートとジェンダーに根差した暴力予防啓発セッションではSyria Women Associationと提携し、REALsから同団体のスタッフやボランティアに心理社会的サポートとジェンダーに根差した暴力に関するオンライン研修を行います。現地の最前線で活動している団体にREALsがこれまでの活動で培ってきたノウハウや知見を共有し、実際の支援活動まで伴走することで、現地の手で支援が提供されるようにすることを狙いとしています。

—心に傷を抱えた国内避難民への心理社会的サポートの提供
 Syria Women Associationのスタッフ・ボランティアが当事業の支援対象地となる国内避難民キャンプを定期的に訪問し、居住する国内避難民への聞き取りを行います。生活状況や日々の課題などについて話を聞きつつ、メンタルヘルスに課題を抱えて心理社会的サポートを必要としている国内避難民がいないかを確認します。訪問を通じてニーズが確認された国内避難民に対しては、対面や電話を通じた心理社会的カウンセラーによる無償のカウンセリングを提供します。
[画像4: https://prtimes.jp/i/6416/61/resize/d6416-61-39d88235e2775f9c2af2-3.jpg ]

—ジェンダーに根差した暴力予防啓発セッション
 ジェンダーとは社会的・文化的につくられた性別のことで、「男だから」もしくは「女だから」という風に性別ごとに役割を負わせます。ジェンダーに根差した暴力は、慣習的に弱い立場に置かれやすい女性に対する経済的虐待や家庭内暴力、少女の児童婚など、ある個人が特定のジェンダーであることを理由に発生します。ジェンダーに根差した暴力は、個人に深刻な精神的・身体的なダメージを与え将来にまで重大な影響を残す危険性がありますが、慣習上よくあることだと捉えられていたり、家庭など外部から見えづらい場所で起こっていたりするため、暴力に遭っている人や周囲の人がジェンダーに根差した暴力の発生に気付きづらいという問題があります。

 REALsは心理社会的サポートを行うのと同じ国内避難民キャンプで、ジェンダーに根差した暴力の予防啓発セッションを行います。キャンプ住民がセッションを受けることにより、自身や周囲に発生しているジェンダーに根差した暴力や関連した悩みに気付き、Syria Women Associationに相談することで心理社会的サポートにつながる、といった相乗効果も期待されています。セッションではジェンダーとジェンダーに根差した暴力の定義といった基本的なことから、児童婚や強制結婚について、また支援サービスの紹介、ジェンダーに根差した暴力予防のためにできることなどの内容を幅広く扱います。セッションは男女別に提供されます。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、対面以外でも啓発を行えるよう、ジェンダーに根差した暴力の基本的な知識を盛り込んだショートビデオやリーフレットの作成と配布も計画しています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/6416/61/resize/d6416-61-029f490e97de153af253-4.jpg ]


本事業はREALsへのご寄付と、ジャパン・プラットフォームの助成により実施しています。

■認定NPO法人REALs(Reach Alternatives)とは:

[画像6: https://prtimes.jp/i/6416/61/resize/d6416-61-f7d7492d09665f74279e-5.jpg ]

REALsは「紛争・テロ・社会的な暴力」を防ぎ、乗り越え、共存できる社会の実現に向けて争い予防に取り組む特定非営利活動法人です。現在は、ケニア、ソマリア、南スーダン、トルコ、シリアで争いの当事者とともに問題の予防・改善・解決に向けて活動を行っています。また、2021年8月からはアフガニスタンで命の危険にさらされている人たちへの国外退避・保護支援も行うほか、困窮家庭への食料・生活支援も行っています。



プレスリリース提供:PR TIMES

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