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国内初、洋上風力発電における風況観測機器の精度検証試験サイト 産学官連携により整備完了、本格運営を開始

(PR TIMES) 2024年07月09日(火)15時45分配信 PR TIMES

風況観測の精度を向上させ、洋上風力発電の導入促進に貢献


 NEDOの委託事業である「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」(以下、本事業)において、NEDOと国立大学法人神戸大学、レラテック株式会社および一般財団法人日本気象協会は、産学官共同で国内一例目となる風況観測に利用するリモートセンシング機器の精度検証が可能な「むつ小川原洋上風況観測試験サイト」(以下、本試験サイト)を青森県六ヶ所村むつ小川原港内に整備しました。
 本試験サイトを管理・運営する組織として、レラテック、日本気象協会、北日本海事興業株式会社および株式会社神戸大学イノベーションの4者で、本試験サイトを共同運営する「一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター」を設立し、本格的な運営を開始しました。本試験サイトでは洋上風況観測マストなどの観測データを提供します。
 今後、風力発電事業の関係者、研究開発プロジェクト(風況、気象、生態系、環境など)の事業者、港湾の安全や教育に関わる地元関係者などに広く利用される試験サイトとして展開することを目指し、風況観測の精度を向上させることで洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入促進および地域社会の発展に貢献します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/59/135644-59-d63661eab76167542cade3bb3b69fb6f-3000x1688.jpg ]


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/59/135644-59-2cdfcd5b88dcfb051bc35cecf74e0a92-309x240.png ]


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/59/135644-59-302391b9c5fdb035c575a4ad9d68f0dc-320x240.png ]

1.背景
2021年10月22日に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において、洋上風力発電が「再生可能エネルギー主力電源化の切り札」として位置付けられ、さらなる導入拡大が期待されています。
 洋上風力発電所の事業計画策定にあたっては、事業性評価のために高精度な風況データの取得が重要ですが、風況観測マストの設置には地元調整や許認可手続きなどが必要となります。そのため、ドップラーライダー※3などリモートセンシング技術が活用されています。しかし、リモートセンシングによる観測精度を担保するためには、観測に使用する機器の事前検証試験が必須となるものの、国内において一般に開放されている試験サイトが存在せず、その検討や条件整理が求められています。

2.本事業の成果
 本事業※4では、試験サイトのモデル検討・構築のため、業界のニーズを調査し試験サイト設置の指針となる基本的な仕様の整理を行いました。さらに、整理した仕様をもとに事業期間中に試験サイトの仮運用を実施し、利用状況の整理、サイト利用者に対してのヒアリングやアンケートを行いました。このように業界のニーズを反映しながら風況観測に必要な設備設置やリモートセンシング機器の多様な観測に対応できるように整備を進め、2023年度に本試験サイトの整備が完了しました。さらに、整備完了を受けて本試験サイトの運営を行う管理法人としてむつ小川原海洋気象観測センターを2024年3月に設立し、この度、受付を開始していた本試験サイトの本格運営を開始しました。これにより一般向けに観測機器の事前検証試験を可能とし、日本の洋上風力発電の進展が加速することが期待されます。

3.本試験サイトの概要
 青森県むつ小川原港内に整備された設備であり、NEDOの調査事業である「洋上風況調査手法の確立」において、現場観測の主サイトとして利用されました。同事業で作成された「洋上風況観測ガイドブック※5」では、国内の洋上風力発電事業で利用するリモートセンシング機器には事前の精度検証が求められており、この精度検証が可能な国内初の試験サイトとして整備しました。

<本試験サイトが有する機能>
(1)風況観測機器などの精度検証
 風力発電の風況調査に用いられるドップラーライダー機器をはじめとした精度検証のために、本試験サイトを提供します。また、これらの精度検証レポートをむつ小川原海洋気象観測センターから発行することも可能です。

(2)研究開発・教育利用
 研究開発に役立つ洋上研究プラットフォームとして利用できるほか、観測データを活用し、神戸大学と連携した共同研究、学生への教育機会の場を創出します。
研究開発テーマ事例:
 ・風況調査用の観測機器や数値モデル
 ・気象・海象用の観測機器・数値モデル
 ・その他(気象、海象、環境、生態系、寒冷地・重塩害環境下での実験など)

(3)地域貢献
 ・本試験サイトで観測された気象・海象データを使用して、海域利用のための情報提供を行います。
 ・青森県内の学術機関との共同研究を実施し、教育施設としても機会提供します。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/59/135644-59-1e66bbe5aee2ab63affd7633d19bba2e-520x180.jpg ]


4.各者の役割
[表: https://prtimes.jp/data/corp/135644/table/59_1_e57662f01c35e90c248ec37e64292a9e.jpg ]

 
※本試験サイトの運営体制、新法人の概要についてはこちらを参照ください。
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000145673.html

5.今後の予定
 今後、むつ小川原海洋気象観測センターと神戸大学は産学連携による体制のもと、学術的な発展に貢献するとともに、洋上風力発電の導入促進のみならず、その他の再生可能エネルギーの導入促進や気象・海象観測技術の発展への寄与、さらには六ヶ所村や青森県をはじめとする地域社会へ貢献することを目指します。

【注釈】
※1 スキャニングライダー
 レーザービームを照射し、大気中の浮遊粒子による後方散乱を受信することで、風況を観測できる装置で    す。沿岸に設置し、洋上に向かってレーザーを発することで洋上の風況を測定できます。首を振りながらレーザーを照射して、レーザーが通った部分の風況を測定します。
※2 フローティングライダー
 洋上の浮体構造物に上空の風をレーザーにより測定するドップラーライダーを設置し、洋上の風況観測を行う装置です。
※3 ドップラーライダー
 光(近赤外線)により上空あるいは水平方向の観測目標地点の風向風速をリモートで測定する装置で、各種気象観測、風力発電の事業性判断、航空機の安全運航のための監視など、さまざまな分野での活用が可能です。
※4 本事業
事 業 名:風力発電等導入支援事業/洋上ウィンドファーム開発支援事業/洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築
 事業期間:2022年度〜2023年度
 事業概要:https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100074.html
※5 洋上風況観測ガイドブック
 https://www.nedo.go.jp/library/fuukyou_kansoku_guidebook.html



プレスリリース提供:PR TIMES

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