プレスリリース
i-nest capital株式会社(読み:アイ・ネスト・キャピタル、本社:東京都目黒区、代表:山中 卓、以下i-nest capital)は2023年1月、同社1号ファンドである「i-nest1号投資事業有限責任組合」を通じ、株式会社aba(読み:アバ、本社:千葉県船橋市、代表取締役CEO:宇井 吉美、以下aba)への投資を実行いたしました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/51734/51/resize/d51734-51-68c10acb72de7d2e91a1-0.png ]
■ 介護現場において最重要課題でもある「排泄ケア」に着目、体温のあるテクノロジーを通じて、必要なときに必要なケアを届けることを目指すケアテックカンパニー
abaは代表・宇井氏が中学時代に祖母がうつ病を発症し介護者となった経験を機に、介護者を支えるためのロボット開発の道に進むことを目指した千葉工業大学未来ロボティクス学科在学中の2011年10月に設立されました。
abaは「よく生き よく死ぬ 未来つくり」を理念に、介護という支え合いのフィールドで、現場に寄り添った手触りのあるテクノロジーによって、必要なときに必要な介護を実現し、経験を問わず相手の生命力を引き出すことができるシステムを社会に実装することを目指しています。
同社は3大介護(食事・入浴・排泄の介助)の中でも、介護現場において最重要課題である「排泄ケア」に着目し、業界初の「におい」で排泄をセンサーで検知するデバイスを開発しました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/51734/51/resize/d51734-51-d84a555dce8eecb5a70e-1.png ]
介護者・要介護者の精神的・肉体的負担の解決を目指し、大手介護ベッドメーカーのパラマウントベッド株式会社と共同研究を重ね、本センサーを用いた排泄ケアシステム「Helppad(ヘルプパッド)」を2019年に製品化しました。本製品は要介護者に負担を与えないよう、機器を身体に装着することなくベッドに敷くだけで排泄を検知でき、アプリで通知し、蓄積されたデータを利活用して排泄パターン表が自動作成されるなど、利用者様それぞれの排泄パターンを見える化する仕組みを備えています。本製品は多数の当別養護老人ホームに納入実績があり「おむつ交換回数が減った」「トイレの誘導に成功した」といった声が寄せられています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/51734/51/resize/d51734-51-336bc9ea175d746ef174-2.png ]
2023年9月には価格を従来品から大幅にコストダウンを実現し、尿と便も識別でき、メンテナンスが容易となった改良版「Helppad2(ヘルプパッド2)」を発売予定です。さらに、要介護者の生体情報、施設の業務フロー、職員のシフト表を起点に、AIによって最適な業務スケジュールが自動生成される介護支援ソフト「CareS(ケアーズ)」も開発中です。
厚生労働省は2019年度時点で介護職員(介護保険給付の対象となる介護サービス事業所、介護保険施設に従事する職員)数約211万を基準に、2023年度は約233万人、2025年度は約243万人、2040年度には約280万人が必要になると見通しています。経済産業省が2018年に公表した試算によれば、2015年に620万人だった要介護認定者数は、2035年には960万人に増え、対して介護職員は68万人も不足すると見込まれています。また、総務省によると在宅での介護を支える家族介護者は2014年ですでに約1,300万人(※)にものぼっており、介護職員の不足は、世界一の高齢社会である日本が、世界に先駆けて直面している難題で、日本全国の企業が、社会が一丸となって介護業界について考えるべき時代が来ています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/51734/51/resize/d51734-51-e3cdf56bde2e37a3ac4c-3.png ]
こうした社会課題の解決に立ち向かうべく、abaは介護現場に寄り添うことで培ってきた知見・技術・ネットワークを活かして、介護業界への事業参入を目指す企業に対し、事業支援コンサルティング・プロトタイプ開発・臨床試験支援といった形での支援を行うチーム「aba lab(アバラボ)」を2021年に発足しました。さらに、2022年10月には地球貢献型リーダーの育成を目指す人材育成プログラムを提供する株式会社リバネスと共同で、テクノロジーを通じて介護・福祉現場の課題解決に挑むリーダー人材の育成を目指したプログラムも開講しています。
同社は、今回の調達資金を組織強化・事業拡大のための人材採用と「Helppad2」の製造費に充て、これからも「誰もが介護したくなる」社会の実現を目指し、テクノロジーの力で介護現場に必要とされている次世代プロダクトを開発し続け、さらなる業務負担の軽減・ケアの質向上の実現に取り組んでまいります。
(※)出典:日経BP「日経ビジネス」2014年9月22日号p.28-29
■ i-nest capitalは豊富なノウハウ&ネットワークで成長を支援
i-nest capitalは、先端技術の活用を通じて、新産業の創造や社会課題の解決を目指すベンチャー支援を重点投資領域の一つとしています。AIやIoTをはじめとしたテクノロジーの発展およびデータ流通の加速による産業構造の変化を受け、将来キャッシュフローを生み出す価値の源泉が、有形固定資産から知的財産を始めとする無形資産に移行しています。
「介護職は大変」というイメージがつきまとう介護の仕事に携わる人の離職率は高く、離職者の 7割ほどが勤続 3年以内に辞めている状況です。2019年時点で総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が28.4%の超高齢社会である日本において、介護従事者が抱える負担を軽減することは、これ以上先延ばしにはできない大きな社会課題です。
出資に際し、aba代表取締役CEO宇井氏の「誰もが介護したくなる社会の実現を目指し、現場に寄り添った手触りのあるテクノロジーの力で介護職員の負担を減らして“かっこいい仕事”にアップデートしたい。経験を問わず相手の生命力を引き出すことができるシステムを社会に実装したい。日本の国産の介護ロボットがまず国内の課題を解決し、かつ国外の課題も解決する介護業界とロボット業界の間にも翻訳者として立つことで、介護ロボット業界というものをもっと前に進めたい。」という想いとビジョンに共感しました。また、介護ロボット開発のみならず介護現場の知見も兼ね備えた経営陣の実行力を強みに、同社が日本のみならず世界のケアテック市場においてリーディングカンパニーとなり得る将来性を評価し、今回の出資に至りました。
i-nest capitalは今回の資金提供に加え、各パートナーの豊富な支援実績及び広範なネットワークを活かして、abaの企業価値向上に貢献してまいります。
■ 株式会社aba(アバ)
・Webサイト:https://www.aba-lab.com
・連絡先 :sales@aba-lab.com
・設立 :2011年10月
・代表者 :代表取締役CEO 宇井 吉美(うい よしみ)
■ i-nest capital株式会社(アイ・ネスト・キャピタル)
・Webサイト :https://www.i-nestcapital.com
・連絡先 :info@i-nestcapital.com
・設立 :2019年5月
・代表者 :代表パートナー 山中 卓(やまなか たかし)
プレスリリース提供:PR TIMES