• トップ
  • リリース
  • 新型コロナによる実習不足、新人看護師の4割が「影響を感じる」【看護師3,037人アンケート】

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2
  • 記事画像3
  • 記事画像4

株式会社クイック

新型コロナによる実習不足、新人看護師の4割が「影響を感じる」【看護師3,037人アンケート】

(PR TIMES) 2021年07月15日(木)10時15分配信 PR TIMES

〜看護学生時代に「病院実習」ができなかった新人ナース、現場での影響は?〜

株式会社クイック(本社:大阪市)が運営する看護師専用コミュニティサイト『看護roo!(カンゴルー)』(https://www.kango-roo.com/)は、全国の看護師3,037人を対象に「2021年春の新人看護師に関する新型コロナの影響」についてアンケートを実施、調査結果をまとめました。
■■アンケート調査の背景・要旨

新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの医療機関で看護学生の実習受け入れが困難となり、全国の看護学校では「看護学生の病院実習を中止・短縮・変更する」などの対応を余儀なくされています。

新型コロナの混乱の中、昨年度に病院実習を十分に経験できなかった看護学生たちが2021年春、新人看護師として医療現場で働き始めています。

そこで、全国の新人看護師・先輩看護師それぞれに「病院実習の経験が不足した影響を現場で感じるか」などについて尋ねるアンケート調査を実施しました。

調査結果からは、実習不足の影響を実感している新人看護師が少なくないことが明らかになったほか、そうした新人をサポートする現場の負担感もうかがえました。


[表: https://prtimes.jp/data/corp/10301/table/50_1.jpg ]



■■アンケート調査結果のポイント

【1】新人看護師の9割「学生時代の病院実習が中止または短縮」

2021年度の新人看護師に対し、最終学年だった2020年度の病院実習の実施状況について尋ねました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/10301/50/resize/d10301-50-7f93baf2570ba437382a-0.png ]


アンケート結果によると、2021年度に就職した新人看護師のうち「病院実習がほぼ中止になった」と回答した人は41.2%、「一部中止になった」と回答した人が38.6%に上りました。

予定通りに病院実習を経験できたとする回答は7.3%に過ぎず、今年の新人看護師のほとんどが学生時代、実際の病院実習で学ぶ機会が不足していたことがあらためて明らかになりました。


【2】新人看護師の6割「就職に当たって実習不足の影響を心配」

この春、新人看護師がそれぞれ医療機関等に就職するに当たって「実習不足」の影響を心配したかどうかについて尋ねました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/10301/50/resize/d10301-50-e69db4fbb96763d383c8-1.png ]


アンケート結果では「とても心配だった」が26.2%、「心配だった」が33.8%となり、半数以上の新人看護師が実習不足による不安を抱えていたことがわかります。


【3】「実際に実習不足の影響を感じる」は新人・先輩看護師ともに4割

実際に医療機関等に就職した後、臨床の現場で「実習不足」の影響を感じるかについて、新人看護師、教育する側の先輩看護師それぞれに尋ねました。


[画像3: https://prtimes.jp/i/10301/50/resize/d10301-50-0aeccb3c88626999815d-2.png ]

[画像4: https://prtimes.jp/i/10301/50/resize/d10301-50-6ba243e75b441ae23df0-3.png ]


新人看護師の場合、「とても感じる」8.6%、「やや感じる」31.7%で、実習不足の影響を感じている人が合わせて40.3%となりました。反対に、「あまり感じない」「まったく感じない」の回答は合わせて44.4%でした。

実際の現場に出てからは、実習不足の影響を感じない新人看護師の方がわずかに多くなりました。

その一方で、先輩看護師は「とても感じる」21.0%、「やや感じる」22.6%で、影響を感じている人が合わせて43.6%、「あまり感じない」33.6%、「まったく感じない」3.7%で計37.3%でした。

新人を教育する側にとっては、実習不足の影響を感じている人の方が上回るという結果になりました。

臨床現場で実習不足の影響を感じることとしては、新人看護師は「看護技術」「看護記録などケア以外の業務」「患者さんとのコミュニケーション」での経験不足を挙げる声が多く、先輩看護師は「患者さんとのコミュニケーション」「看護技術」「自信のなさや強い緊張」などを指摘する声が目立ちました。


■■まとめ

看護学生時代に新型コロナの影響を受け、病院実習の機会が失われた2021年度の新人看護師については、日本看護系大学協議会等も各大学を通じて医療機関等に「受け入れに当たっての配慮」を依頼するなど、養成機関と臨床の現場が一体となってサポートするよう努力がなされています。

今回のアンケートでも、「新人看護師の事情を踏まえて例年以上のフォローを心がけている」とのコメントが多数見られました(下記「看護師の声」参照)。

一方で、慢性的な人手不足が続く看護の現場においては、例年以上の新人教育と新型コロナ対応を含む業務との両立は負担にもなり得ます。看護の現場が安心して人材育成に取り組めるような環境および新型コロナの収束が望まれます。


■■看護師の声(自由記載のコメント抜粋)

【新人看護師】


学内では学ばなかったことを臨床で目の当たりにし、戸惑う毎日が続いています。学生時代に現場でもっと学びたかったと思います。
当初はそんなに影響はないと感じていたが、実際に入職して、基本的な清潔援助などいろいろ技術を忘れていて困った。
先輩に「実習で○○の技術やったよね?」と聞かれた時に「実習がコロナで中止になり行けてないのでやってないです」と答えなければいけない。
清拭、陰部洗浄など学生でも出来るケアの経験が浅く、入職してからの負担が増えた。
初めて見る、触れるものが多い。専門用語もわからず。実習に行けた別の友人はいろいろな学びがあったことを聞いた。
実習があれば経験したであろうケアでさえ人形でしかやったことがなく、初めてやることが多くて覚えるのが大変だった。
患者さんと関わる機会が無いに等しい1年だったため、コミュニケーションをどう取ったら良いのか分からなくなってしまっていた。


【先輩看護師(2年目以上)】


臨床実習が減りリモートや自宅学習の期間があったため、臨床現場で患者と実際に接する際にコミュニケーションの取り方や動き方に支障が出ていると感じる。
臨床実習での経験が制限された影響で、病棟の雰囲気を詳しく知ることができていないのではないかと感じる。
約1年ぶりに病棟に来ているので、新人さんも緊張している部分があった。後ろめたさを感じているのか、なかなか病棟に馴染めずにいた。
保清ケアの方法を一から指導するなど看護ケアの指導が例年より増えた。
適応能力やコミュニケーション力、アセスメント力、看護技術力が例年より低い。
知らない、見たことがない、やったことがないことが多い。
看護技術だけではなく、生活の援助ケアから徹底的に指導しないといけない。現場への負担が大きくなった。
病棟で実習できることが限られていたようで、患者様へのケアの経験が少なく過剰に緊張している。
例年以上に「出来なくて当たり前」を意識するように気をつけている。
病院実習がなかったと聞いたので、わかりやすく説明するように心がけています。
臨床実習ができず不安を抱えている子が多いので、フォローするよう声掛けしている。
実習に制限があったから大変だと思うけど、全力でサポートする姿勢を病棟全体で作り上げる。
実習を経験できずに入職していることに引け目や不安を感じている方が多く、できることが増えていること、チームの一員として働いていることを感じて一歩一歩成長していけるように支援しています。



プレスリリース提供:PR TIMES

このページの先頭へ戻る