プレスリリース
琵琶湖博物館では、総合研究を中心に人と湖の関係性について研究を行なっています。今回、「前近代を中心とした琵琶湖周辺地域における自然および自然観の通時的変遷に関する研究」(2014年〜2018年、研究代表者橋本道範)の成果が『自然・生業・自然観-琵琶湖の地域環境史-』として出版されました。
本書は、自然への働きかけである生業(せいぎょう)と、自然に対する価値づけ、自然観(しぜんかん)に注目し、琵琶湖地域の自然と人間との関係性を明らかにしようとしたものです。歴史学・地理学・動物生態学など分野の異なる12人の共同研究者などにより多角的側面から執筆されています。現実の自然観は極めて多様であり、そのなかからもっとも人間にとって都合の良い特定の自然観が取捨選択されていたことなどが明らかになりました。これらのことは、これから地域を新しく創造する際の参考となると考えています。
記
・書 名:『自然・生業・自然観―琵琶湖の地域環境史―』
・編 者:橋本道範(琵琶湖博物館専門学芸員)
<目次> *サブタイトルは省略
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はじめに 橋本道範
第1部 自然と自然観
第1章 繰り返された平安時代の近江地震 保立道久
第2章 幕末期における琵琶湖周辺の植生景観 小椋純一
第3章 近代琵琶湖漁業の漁獲量の長期的な変遷 藤岡康弘
第4章 琵琶湖のヨシ(葭)地をめぐる近世人の自然観 東幸代
第5章 森林を介した地域住民とカワウとの歴史的関係の地域差
前迫ゆり・牧野厚史・藤井弘章・亀田佳代子
第2部 「ムラ」と自然観
第6章 先史社会における環境利用の稠密化 瀬口眞司
第7章 琵琶湖淀川水系における中世漁撈について
苅米一志
第8章 近世人の水と土へのまなざし 鎌谷かかおる
第9章 中世惣村今堀郷の資源利用と自然観 春田直紀
第10章 日吉系祭礼にみられる自然観 市川秀之
第11章 カヤネズミの生息環境と半自然草地に対する意
識と管理
中村(澤邊)久美子
終章 自然・生業・自然観 橋本道範
・体 裁:A5判 456ページ 並製本 本体価格4950円(税10%込)
・発 行:小さ子社 2022年4月発売
・紹介ページ:https://www.chiisago.jp/books/?code=9784909782090
・入手できるところ:琵琶湖博物館ミュージアムショップ・おいでや、
県内の書店、またはインターネット販売
プレスリリース提供:PR TIMES