プレスリリース

〜ヘアカラーの即時型アレルギー診断に有用な検査法確立で〜


ホーユー株式会社（本社：愛知県名古屋市、代表取締役 社長執行役員：水野 真紀夫、以下ホーユー）と学校法人藤田学園 藤田医科大学（本部：愛知県豊明市、理事長：星長 清隆、学長：湯澤 由紀夫）は、去る2021年11月26日（金）〜28日（日）に開催された第51回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会（東京）で、共同研究成果として「ヘアカラーの即時型アレルギー診断に有用な特異的IgE抗体検査法を確立したこと」を発表し優秀演題賞（銀賞）を受賞致しました。

【優秀演題賞について】
日本皮膚免疫アレルギー学会学術大会では、発表演題について、新規性および独創性、解析方法の妥当性、社会へのインパクトなどを選定基準として、毎年、優秀演題賞が選定されています。第51回の学術大会では157演題の発表があり、優秀演題賞として金賞1件、銀賞2件、銅賞7件が選定されました。

【受賞演題】
題　目：パラフェニレンジアミンに対する即時型アレルギーの診断法の確立
演　者：二村 恭子1,4鈴木 加余子1,4, 山内 雄貴2, 川出 桃歌2, 原 和宏2, 中村 政志2,3,
　　　　松永 佳世子1,3, 矢上 晶子1,4
（１藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科, 2ホーユー株式会社総合研究所,
　３藤田医科大学医学部アレルギー疾患対策医療学, ４藤田医科大学総合アレルギーセンター）

【発表概要】
ヘアカラーでは、稀にアレルギーが起こることが知られており、多くはアレルギー性接触皮膚炎（遅延型アレルギー1））、ごく稀にアナフィラキシー等の即時型アレルギー2）を起こすことが報告されています。一般的に即時型アレルギーでは血液検査（抗原特異的IgE抗体3）検査）が行われていますが、ヘアカラーアレルギーに関する血液検査薬は用意されておらず、その開発が望まれています。
本研究では、代表的な酸化染料であるパラフェニレンジアミンとタンパク質の結合条件の最適化、抗原性の検証、抗原・抗体反応条件の最適化などを行い特異的IgE抗体検査法を構築、ヘアカラーによる即時型アレルギーの診断に有用な検査法であることが確認できました。

[画像1: https://prtimes.jp/i/55092/41/resize/d55092-41-2d1e26042d8e9b120551-1.png ]

　　＜図　ELISA法によるパラフェニレンジアミンとタンパク質結合物の特異的IgE抗体検査結果＞
本検査法では、採血のみの負担となるため、患者さん本人だけでなく、診療現場での負担軽減への貢献も期待されます。

本研究の詳細については下記URLよりご確認いただけます。
https://www.hoyu.co.jp/corporate/news/news/1797.html

ホーユー株式会社と藤田医科大学との共同研究成果は本学会の学術大会において3年連続の受賞となり、第50回の学術大会では「納豆アレルギーにおける新規抗原タンパク質の特定」（筆頭演者：佐藤 奈由（ホーユー株式会社））で銀賞、第49回学術大会では「アボカドアレルゲンコンポーネントの検討」（筆頭演者：二村 恭子（藤田医科大学））で銅賞を受賞しています。

＜用語の説明＞
１）遅延型アレルギー：アレルギーを引き起こすそれぞれの成分（アレルゲン）との接触から１〜2日後以降、遅れて症状が現れることが多いため、こう呼ばれる。リンパ球と呼ばれる細胞が関与しており、「IgE抗体」が関与しないアレルギーを指す。
２）即時型アレルギー：アレルゲンが体内に入って比較的短時間（直後から２時間以内）に症状があらわれる。「IgE抗体」が関与しているアレルギーを指す。
３）IgE抗体：即時型アレルギー反応に関与する抗体で、アレルゲンによる感作がおこると、そのアレルゲンにだけ結合することができる特異的IgE抗体が作られ、再び体内にアレルゲンが入るとアレルギー症状が引き起こされる。

【ホーユーとアレルギー研究について】
ホーユーはヘアカラーを中心とした商品やサービスを提供する中で、お客様により良い製品を安心してご使用いただくため、長年にわたり安全性に関する基礎研究に注力してきました。その成果として、藤田医科大学との産学連携により、タンパク質解析の高性能化を実現するプロテオミクスの独自技術が見出されました。本技術が即時型アレルギーの原因抗原タンパク質の特定に有効であることが確認されたことから、ホーユーはアレルギー診断の精度向上に向け産医連携のもとさらなる研究推進をすべく、同大学に寄附講座として「アレルギー疾患対策医療学講座」を開設、ホーユー長久手事業所内にイノベーションセンターを竣工、さらなる協力医療機関の拡大も進め、アレルギー研究を加速、学会での発表も積極的に実施しております。今後も、プロテオミクスの独自技術を活用しヘアカラーの安全性研究の推進はもとより、アレルギー研究推進による社会貢献を目指してまいります。


[画像2: https://prtimes.jp/i/55092/41/resize/d55092-41-b39b3576557be22a953b-0.jpg ]

＜今までのアレルギー研究についての研究成果は下記URLよりご確認いただけます。＞
https://www.hoyu.co.jp/corporate/research/academic/

■ホーユー株式会社について
ホーユーは1905年（明治38年）の創業以来、家庭用およびプロ向けのヘアカラー・頭髪化粧品に関するビジネスを展開しています。市販品ヘアカラー市場において、国内シェアNo.1（インテージSRI/ヘアカラー市場/期間：調査開始後1995年11月〜2020年10月/金額シェア）を誇り、長年に渡って、ヘアカラー関連商品の製造・販売ならびに研究・開発をおこなっています。さらに、海外への積極的な事業展開や安全性研究の一歩先を見据えたアレルギー分野への挑戦など、常に新しいものを生み出す姿勢を変えることなく次の100年へ向け歩みを進めています。

■ホーユー株式会社　会社概要
本社：愛知県名古屋市東区徳川一丁目501番地
代表：代表取締役 社長執行役員　水野 真紀夫
創業：1905年（明治38年）
設立：1923年（大正12年）3月
資本金：1億1000万円
従業員数：1,068名 (2021年2月1日現在)
連結売上高：520億円（2020年10月31日）
事業内容：ヘアカラー・頭髪化粧品・家庭薬の販売
HPアドレス：https://www.hoyu.co.jp/

プレスリリース提供：PR TIMES