プレスリリース
世界の都市指標ランキング1 位は今年もニューヨーク。 東京は同指標で10年連続4 位、将来有望な都市ランキングでは昨年の7位より大幅に下落、今年は25位に
経営コンサルティング会社A.T. カーニー(グローバル・ブランド名は KEARNEY)は、都市の競争力、影響力、そして将来の有望性を評価してランク付けする 「グローバル都市調査」 を実施、最新の結果を発表しました。
本プレスリリースは、2022 年10 月25 日にKearney シンガポールより配信された英語版の抄訳です
予想を上回る世界的なインフレ、進行中のロシアとウクライナの紛争による地政学的な緊張、気候変動の影響の拡大等により、世界の都市部への圧力が強まっています。
「2022 Global Cities Report(グローバル都市調査)」では、都市が企業やコミュニティに対して独自の価値を提供できるようにするために、適応と積極的な変革が必要であると指摘しています。
本調査は、都市の現在のパフォーマンスを評価する「グローバル都市指標(Global Cities Index)」と、将来の有望性を分析する「グローバル都市展望(Global Cities Outlook)」の2つで構成されています。
グローバル都市指標(Global Cities Index: GCI)は、
2008年に始まり、今回で12回目の発行となります。全世界156の都市を「ビジネス活動」「人的資源」「情報流通」「文化的経験」「政治的関与」の5つの観点から29の評価基準をもとに総合的にランクづけしたものです。同調査の結果は、都市の国際度、パフォーマンス、発展水準の指標となるでしょう。
上位を占める4都市(ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京)は2017年以降6年連続同じ顔触れでした。
東京は、2021年に比べて「ビジネス活動」が小幅ながら改善されたため、「人的資源」「情報流通」「文化的経験」の減少をカバーし、今年も4位の座をキープ。
今年はアジア太平洋地域の5つの都市がトップ10入りを果たし、北京とメルボルンは昨年より順位を上げました。
もうひとつの指標、グローバル都市展望(Global Cities Outlook: GCO)は、
都市の将来的な有望性を評価したもので、今回で8回目の発行となります。全世界156の都市を、「個人のウェルビーイング」「経済」「イノベーション」「ガバナンス」の4つの観点にまたがる13の主要な評価基準の変動率をもとに、各都市の将来的有望性を評価しています。
今年はアジアの2つの大都市、東京とシンガポールがトップ10圏外に下落した一方で、ヨーロッパの都市が上位5位までを独占。さらにヨーロッパのいくつかの都市が「都市指標」と「都市展望」の両方で上位にランク入りしているのは、集計データの遅れに起因するものであり、昨今の世界情勢を鑑みると来年はヨーロッパの都市のランキングに大きな変動があることが予想されます。
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A.T. カーニー アジア太平洋地域統括パートナー Arjun Sethi のコメント
「各都市は、パンデミック以前からの脱グローバル化傾向を示しており、アジアもこの影響を免れてはいませんが、楽観的な予測では2022年から2024年にかけてアジアおよびオーストラリア地域は年平均4%の成長を続け、今後3年間世界をリードすることが示唆されています。
アジア太平洋地域の都市が 『グローバル都市指標』 トップ10のうちの半分を占めていることは喜ばしいことですが、グローバルな課題を認識する必要があります。非常に困難な経済状況を乗り切るために、都市のリーダーたちは、これまで以上に重要な努力を続け投資の優先順位を付ける責任があります。従来の政策手段では不十分です。
財政の持続可能性を確保しながら、経済的に最も脆弱な住民を保護し、雇用を誘致するために、イノベーション、エンゲージメント、サステナビリティを含む包括的な政策アプローチを推進する必要があります。」
本調査報告書では、また、都市が課題に適応し先手を打って対応するために、8つの提言をしています。
対象を絞った非税収で歳入と公平性を高める
集約型プラットフォームで資本へのアクセスを拡大
グリーンインフラに資金を提供するための代替収入源として炭素を活用
公共活動によって生み出された公共価値の回収
対象を絞った所得保証プログラムによる経済的弱者の保護
慈善事業への寄付を緊急のニーズにつなげ、不平等を克服
ユニバーサル・ベーシック・モビリティによる都市内交通の改革
自治体のサービスとして金融カウンセリングを実施し、住民の資産管理能力を向上させる
※ 本調査報告書全文(英語)はこちらから
https://www.kearney.com/global-cities/2022
プレスリリース提供:PR TIMES