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EAGLYS・三井物産で秘密計算PoCを実施

(PR TIMES) 2022年11月10日(木)11時45分配信 PR TIMES

〜データとアルゴリズムを秘匿した状態でのAIモデル活用・共有を検証し、推論精度の向上と計算速度の両立を確認〜

 EAGLYS(イーグリス)株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:今林広樹、以下EAGLYS)は三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀健一、以下三井物産)と、三井物産のDigital Transformation加速に向けたIT/DX R&D活動の一環で、EAGLYSが取り組む秘密計算技術の産業領域での活用に向け、従来技術では困難であったデータやアルゴリズムを秘匿した状態での企業間データ連携と秘密計算活用に関し、共同実証実験をおこないました。
 共同検証の結果、実用可能な速度・安全性を保持した状態でのデータやAIモデル連携に加え、AIモデルを他社と共有することで推論精度が向上することが確認できたことを報告いたします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/41103/41/resize/d41103-41-b63f7181a32e63390dfd-0.png ]

取り組みの背景
 昨今、創薬・素材開発の生産性向上に向けたマテリアルズ・インフォマティクス(以下、「MI」と表記)等、広範な産業領域でデータ分析・AI等のデジタル技術を活用したDigital Transformationの取組が進められていますが、機密性の高いデータゆえのデータの外部連携の難しさや、計算を担うAIモデルの開発コストの高さ、が実現に向けたハードルとなっている状況です。
 今般、EAGLYSは三井物産と共同で、「秘密計算技術」を活用し、データとAIモデルの秘匿性と安全性を維持したまま、異なる研究機関・事業者が互いのデータやAIモデルを連携しあえる秘密計算プラットフォームの構築と実用性について実証実験をおこないました。


実証実験の概要
 EAGLYSと三井物産が共同検討した、創薬・素材開発(MI)等の、ビジネス上想定されるいくつかのユースケースをベースに、EAGLYSのゲートウェイ型秘密計算ソフトウェア『DataArmor』を適用した秘密計算環境を構築し、特徴量抽出からAIモデルの学習、推論までを秘匿状態で処理がおこなえるか、安全性・実用性・機能性の観点から実用性を検証しました。

【秘密計算環境 イメージ】
[画像2: https://prtimes.jp/i/41103/41/resize/d41103-41-4e95771a4fcc42e3db47-1.png ]


 AIモデル提供者及び分析データを保持する分析ユーザは、データやAIモデルを秘密計算環境へセットする際にそれぞれ固有のゲートウェイ(※図中のオレンジ色箇所)を通り、データやモデルを暗号化します。暗号鍵はそれぞれのゲートウェイで保持することで秘密計算環境上にて連携するデータやAIモデルと暗号鍵を物理的に分離し、万一、サイバーセキュリティ攻撃が生じた場合でも中身が流出しないよう安全性を保った設計としています。

実証実験の結果
 【安全性】:
  AIモデル、暗号鍵管理、入力/学習/推論など各要素のセキュリティ要件に沿った想定シナリオに対して安全性診断を実施。問題が無いことを確認しました。
 【実用性】:
  ロジスティック回帰で約24万件、 ニューラルネットで約9万件、Light GBMで約5,500件を1時間で処理がおこなえたことを確認しました。
  1予測あたり多層ニューラルネットで0.06~0.11秒程度、平文との比較で2.1〜3.8倍程度のため、現実的な分析時間で処理が可能であることを確認しました。
  クラウド環境へのAIモデルホスティングの実行時間は0.3~0.8秒で、ほとんどタイムラグ 無くAIモデルを他社に共有できる事が確認できました。
 【機能性】:
  暗号状態でも正しい推論結果出力を確認し、また、共有したAIモデルでおこなった推論処理が単体のAIモデルで推論処理をおこなった場合と比べて各精度指標が向上したことが確認できました。

今後の展開
 今回の共同実証実験で得られた結果をもとに、EAGLYS・三井物産は創薬・素材開発をはじめとした幅広い産業領域における、より広範なデータ連携・利活用を推進し、顧客企業・事業パートナーへのソリューション提案・新たなビジネスモデル創出・Digital Transformationの加速へ向けて、引き続き、共同で取り組んでいきます。

◆三井物産株式会社 デジタル総合戦略部 部長補佐 林郁夫コメント
 今回のEAGLYS様との共同実証実験を通じて、当社の戦略的なパートナー様との創薬、MIを活用した素材開発、並びにマーケティングサービス等におけるデータ活用の前提となるデータ連携や、解析処理を実現する上での大きなボトルネックが一つ解消されると期待しています。引き続きEAGLYS様と連携することで当社のお客様に対して新たな価値貢献を実現すべく、注力してまいります。

◆EAGLYS株式会社 取締役 宮島千尋コメント
 製薬・化学業界における化合物等のデータはその機密性と希少性の高さゆえ、他企業とのデータ連携やMI活用が難しく、生産性改善に向けたボトルネックになっています。
しかし、今回、三井物産様と共に取り組んだ、データもアルゴリズムも秘匿したままおこなう物性予測やMIモデルの相互活用によって、生産性の改善に留まらず、より世の中へ価値をもたらす研究開発の早期実現へお役立ていただけるのではと考えています。引き続き、三井物産様と連携することで、他業界への展開とSDGsの推進に貢献できたらと思います。

■秘密計算とは
 秘密計算とは、データを暗号化したまま計算できる新しい概念の技術です。秘密計算技術を用いることによってデータそのものも計算処理過程も暗号化されるため、個人情報や企業の機密なデータを活用するための匿名加工作業をおこなうことなく、複数企業間でも互いにデータ秘匿したまま連携・分析できるようになります。
 このように生データの精度とセキュリティを両立させてデータ分析がおこなえることから、データ利活用時代のトップトレンド技術として国内外で注目を集めています。
※EAGLYSの秘密計算サービスはこちら:https://www.eaglys.co.jp/service#datasecurity

■三井物産株式会社について
設立:1947年7月
本社:東京都千代田区
代表者: 堀 健一
事業内容: 金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業、コーポレートディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開。


■EAGLYS(イーグリス)株式会社について
設立:2016年12月28日
本社:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27-3 やまとビル7F
代表者:代表取締役社長 今林広樹
事業内容:『あらゆるデータを安全に活用し、価値に変える』をミッションとし、秘密計算技術を中心としたデータセキュリティ/データ利活用支援、AI設計・開発、解析支援の2領域を基軸に、事業展開。Forbes JAPAN「Rising Star Award」,「東京ベンチャー企業選手権」東京都産業労働局長賞、「EY Innovative Startup 2020」選抜ほか、東京都主催の「世界発信コンペティション」ではDataArmor(R) Gateがベンチャー技術奨励賞を受賞。


◆本リリースに関するお問い合わせ先
三井物産株式会社 広報部
TEL:080-5912-0321
FAX:03-3285-9819
お問い合わせフォーム: https://form.mitsui.com/webapp/form/16694_csy_10/index.do

EAGLYS株式会社 :太田、志村
E-Mail: pr@eaglys.co.jp



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