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マイクロ波化学株式会社

マイクロ波加熱を利用した小型分散型ケミカルリサイクルシステム構築のための共同開発契約を締結

(PR TIMES) 2023年11月04日(土)02時40分配信 PR TIMES

〜再生可能エネルギーを活用した高効率なシステムで循環型社会の実現へ〜

マイクロ波化学株式会社(住所:大阪府吹田市、代表取締役社長CEO:吉野 巌、以下「当社」)は横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市、代表取締役社長:八橋 弘昌、以下「横河ソリューションサービス」)と、マイクロ波加熱を利用した小型分散型ケミカルリサイクルシステムを共同で開発する契約を締結しましたのでお知らせします。
両社は、当社の持つ高効率なプラスチック分解技術と、横河ソリューションサービスの持つ熱分解プロセスの連続制御による自動化技術に加え、再生可能エネルギーを有効活用するためのエネルギー管理システム(EMS: Energy Management System)や電力トラッキングシステムを組み合わせることにより、小規模で高効率なリサイクルシステムを構築することを目指します。
【協業の背景】
経済協力開発機構(OECD)によると、2019年の世界の廃プラスチックは3億5,300万トンと、2000年の1億5,600万トンの2倍以上に増加していますが、そのうち9%しかリサイクルされていません※1。循環型社会の実現に向けて、さらなる取り組みが求められています。
使用済資源を化学的に処理し、分子レベルに分解して原料に戻すケミカルリサイクルは、材料に汚れや不純物があっても繰り返し再資源化できる優れたリサイクル手法です。現在、廃プラスチックのケミカルリサイクルに関して、海外や国内大手化学メーカー等で主に検証されているのは、一カ所のプラントで数千〜数万トンを処理する大型集中型の設備です。大量の廃プラスチックを効率よく処理できる反面、廃プラスチックは比重が小さく重量当たりの輸送効率が悪いことから、遠隔地から輸送する場合には、コストがかさむことや二酸化炭素が排出されるという課題があります。
この課題を解決するために、当社と横河ソリューションサービスは、廃プラスチック発生地の近傍で分解処理する小型分散型ケミカルリサイクルシステムを共同開発する契約を締結しました。共同開発する小型分散型ケミカルリサイクルシステムは、マイクロ波加熱で廃プラスチックを分解する反応設備を中核とし、エネルギー管理システム、電力トラッキングシステム等と組み合わせた、カーボンニュートラルを追求するパッケージです。当社は本小型分散型のケミカルリサイクルシステムを、張り巡らせるネットワークや物流網になぞらえ「SpiderTM」と名付け、マイクロ波化学として商標出願を行いました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76344/34/76344-34-3f147647c349f897d1e64e6bc702ad9b-2121x1063.jpg ]

【協業の経緯】
当社は、廃プラスチックの分解処理にあたり、対象物に直接加熱することで反応高速化、省エネルギー化、設備コンパクト化を実現する、マイクロ波を用いた独自のケミカルリサイクル技術プラットフォーム「PlaWave(R)※2」を保有しています。横河ソリューションサービスは、計測・制御・情報を軸にさまざまな分野の工場向けに、生産制御システムや計測器、高効率で安全な操業を実現するソリューションを提供しています。需要を予測する特長を持つエネルギー管理システムを核とした、エネルギー最適運用を可能にするソリューションもその一つです。
2022年8月から両社は、ケミカルリサイクルのベンチ設備で、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)をマイクロ波で熱分解油化する工程の収率および稼働率の向上、処理量増加、さらには省エネルギー化の実現性の確認と実現手段の実証を行ってきました。その成果から、2023年9月、小型分散型ケミカルリサイクルシステムを共同開発する契約を締結するに至りました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76344/34/76344-34-b1be5b111b10c47e595c639beb6981fc-2025x2700.jpg ]

【協業内容】
当社は、PE、PP、ポリスチレン(PS)の連続式熱分解機能を内蔵した、小型分散型ケミカルリサイクルシステムの中核設備を開発します。横河ソリューションサービスは、熱分解プロセスの状態やリアルタイムによる生成物の成分分析・推定と、そのための計測手段の検討を行います。YOKOGAWAグループが有するモデリング技術も応用しながら、中核設備における熱分解プロセスの連続制御による自動化とプロセスの最適化を目指します。また、カーボンニュートラルな再資源化を可能にするために、中核設備と組み合わせるシステムを開発します。この中核設備の電源として再生可能エネルギーを有効活用できるように、エネルギー管理システム、電力トラッキングシステムに加え、中核設備の運転状況や設備の状態に関するデータをクラウド経由で取得し、データ解析することで、継続的な改善と保守コストの低減につながるシステムも開発します。
計画では、2023年度から2024年度にかけて、ユーザのニーズを取り入れるプロトタイピングを行って機能・仕様を具体化し、2025年度に小型分散型ケミカルリサイクルシステムの商用システムを開発します。その後、2026年に事業化することを目指します。


当社と横河ソリューションサービスは、小型分散型ケミカルリサイクルシステムの共同開発と並行して、廃プラスチックの回収・輸送から、再生原料の精製・再重合および再生資源の流通に至るまで、一連の工程に関与する小売業者、化学メーカー、石油会社等各社とコンソーシアムを組む予定です。サプライチェーンで連携し、各地に設置された小型分散型ケミカルリサイクルシステムを含む関連設備をクラウドで共有することで、カーボンニュートラルを追求できる社会の実現を目指します。また、今回開発する小型分散型ケミカルリサイクルシステムを用いた事業化については、今後両社で協議していきます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76344/34/76344-34-634df4cf35d8cde63a14aa1d36ce9da8-3900x2758.png ]

※1. 参考文献
OECD (2022), Global Plastics Outlook: Economic Drivers, Environmental Impacts and Policy Options, OECD Publishing, Paris, https://doi.org/10.1787/de747aef-en
※2. PlaWave(R) 特設サイト
https://mwcc.jp/plawave/


本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、マイクロ波化学株式会社、横河ソリューションサービス株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。



プレスリリース提供:PR TIMES

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