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日本初の経カテーテル肺動脈弁治療(機能不全に陥った生体弁の置換)が成功、エドワーズの経カテーテル生体弁が、先天性心疾患の患者さんの開胸手術回数を減らす可能性に貢献

(PR TIMES) 2022年03月01日(火)23時10分配信 PR TIMES

エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、エドワーズの経カテーテル生体弁が、日本で初めてとなる経カテーテル肺動脈弁治療(機能不全に陥った生体弁の置換)の成功に貢献できたことを発表します。
日本初の手術は2月14日に日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院にて、小児循環器科部長、矢崎諭医師の執刀で行われました。この患者さんは先天性心疾患手術のために外科的に肺動脈弁位*1に植え込まれた生体弁が経年劣化によって機能不全となったことから、新しい肺動脈弁へと置換する治療を必要とされていました。
日本では、1年間に1万人*2ほどの赤ちゃんが先天性心疾患*3をもって生まれるといわれています。これは約100人に1人*2の割合です。近年は治療法の進歩によって90%*2の方が成人できるようになり、成人期を迎えた患者さんは、日本全国に約50万人*2いるとされます。患者さんは成長とともに心臓の治療が必要となることから、多くの患者さんが複数回の再手術を経験されます。

なかでも先天性心疾患手術後に肺動脈弁が正常に機能しなくなると、心臓の働きに不調をきたして心不全や突然死の原因となり得ることから、再び開胸して弁を取り換える手術が必要になります。しかし再開胸を必要とする手術の回数が多くなるにつれて、手術した傷口の癒着などを理由に手術リスクは増加します。そのため再開胸の回数を減らす方法を患者さんは切望しており、欧米では 2006年頃から既にカテーテルによる肺動脈弁治療が行われていました。

この度行われた経カテーテル肺動脈弁治療は、開胸することなく、また心臓を止めずに、患者さんの血管からカテーテルで生体弁を心臓の中まで運び留置する低侵襲の治療法です。これにより患者さんは、開胸手術の回数を少なくとも1回かそれ以上、減らすことができます。

[画像1: https://prtimes.jp/i/13714/34/resize/d13714-34-868ad5f2076fd71eb497-0.jpg ]



[画像2: https://prtimes.jp/i/13714/34/resize/d13714-34-b13b30bd29768d209d22-1.jpg ]


本治療の日本への早期導入を求める要望書を提出した5学会*4のひとつである、日本小児循環器学会の監事で、昭和大学病院小児循環器・成人先天性心疾患センター長の富田英先生は次のように述べています。

「右室流出路*5に異常がある先天性心疾患を持つ患者さんは、新生児期から成人後まで含めると、5回以上の開胸手術を経験する方もいらっしゃいます。それらの開胸手術のうち、数回を経カテーテル肺動脈弁留置術によって開胸せずに治療することができたら、患者さんの手術の負担やリスクを減らすばかりでなく、生活の質を大幅に改善させることにつながります。長年待ち望んできた低侵襲の治療法が日本でも導入され、治療が実現したことは大きな喜びです。治療の安全導入のために現時点での実施施設は限られていますが、今後も多くの先天性心疾患を持つ患者さんの治療に役立つことを期待しています。」

外科的な肺動脈弁の治療件数が日本の心臓手術全体に占める割合はごく一部ですが、ファロー四徴症や、その他の先天性心疾患を患う思春期や成人の患者さんにとって、必要な治療です。

エドワーズ代表取締役社長で、米国本社コーポレートバイスプレジデント、日本・アジアパシフィック担当のケイミン・ワングは次のように話しています。

「心臓弁膜症が患者さんや社会にもたらす負担を低減することはエドワーズの使命であり、私たちは心臓弁膜症治療のパイオニアとして、これまで生体弁のイノベーションに40年以上にわたって取り組み続けてきました。先天性心疾患を持つ患者さんの多くは、新生児期から開胸手術を繰り返しており、日常生活にも大きな負担がかかります。エドワーズの技術が、そのような患者さんの負担を減らすことに貢献できることを嬉しく思います。また将来、この治療法が若い患者さんにとって包括的な治療の可能性を広げる、価値あるものになることを期待しています。
エドワーズは弁膜症治療の世界的リーダーとして、これからも、ひとりでも多くの患者さんが日常生活を取り戻し、健やかな毎日を長く楽しめる一助となるよう尽力してまいります。」

本治療に使用された経カテーテル生体弁は、生体弁および低侵襲な弁膜症治療のパイオニアであるエドワーズの数十年に及ぶ経験と実績を基盤とし、日本ではエドワーズが2013年に初めて導入した大動脈弁狭窄症*6を治療するTAVI*7用生体弁をさらに改良した製品として、2016年から治療に使用されています。

【参考】
1 肺動脈弁とは:心臓には4つの部屋があり、それぞれにドアの役割を果たす弁があるなかで、右心室と肺動脈の間にある弁。
参考:心臓弁膜症とは(https://www.edwards.com/jp/patients/about-valvular-heart-disease
[画像3: https://prtimes.jp/i/13714/34/resize/d13714-34-ffe435e3542f9aaf031f-2.jpg ]

2. 成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017年改訂版) https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_ichida_h.pdf
3. 先天性心疾患とは:生まれつき心臓や大血管に何らかの異常を持っている状態
4 日本Pediatric Interventional Cardiology学会,日本小児循環器学会,日本心血管インターベンション治療学会,日本成人先天性心疾患学会,及び日本経カテーテル心臓弁治療学会
5. 右室流出路とは:右室から肺動脈への移行部
6. 大動脈弁狭窄症とは:心臓弁膜症のひとつで、心臓の大動脈弁に障害が起き、本来の機能を果たせなくなる病気。治療せずに放置すると心不全へと繋がる恐れがあり、患者さんの生活の質に著しい影響を与える。薬では根治できないため、人工弁置換術(開胸して心臓を止め、悪くなった弁を人工弁に取り換える治療)やTAVIなど介入治療が必要になる。参考:心臓弁膜症サイト https://www.benmakusho.jp/
7. TAVI(タビ)とは:Transcatheter Aortic Valve Implantationの略称。開胸手術をすることなく、カテーテルで患者さんの血管を通じて生体弁を心臓の中まで運び、留置する治療法。

エドワーズライフサイエンスについて(https://www.edwards.com/jp/
エドワーズライフサイエンスは、構造的心疾患とクリティカルケアモニタリングに関する患者さん中心の医療イノベーションの世界的リーダーです。患者さんを助けたいという情熱を原動力に、世界のヘルスケアの現場で医療従事者や関係者とのパートナーシップを通じて、患者さんの生活の改善と向上に取り組んでいます。

※本文中の「エドワーズ」はエドワーズライフサイエンス株式会社を含む、グローバルに展開するグループ会社全体もしくはいずれかを指す場合があります。
※患者さんに対して弊社より直接、治療に関する情報のご提供は出来かねます。必ずご自身の主治医にご相談下さいますよう、お願い申し上げます。



プレスリリース提供:PR TIMES

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