プレスリリース
「サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLAN 株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役社長:加納 千裕 以下ASTRA FOOD PLAN)は、令和6年3月25日(月)、群馬県が実施する令和6年度「ぐんまAgri×NETSUGEN共創実証事業」に採択されました。
群馬県の「かくれフードロス(※1)」削減を目指して、オリーブの栽培を行う農業スタートアップの「株式会社ジャングルデリバリー」やぐんま三大梅林の一つである「秋間梅林観光協会」などと連携し、年間数万トンの群馬県の未利用農作物を過熱蒸煎技術でアップサイクルする実証実験を開始します。
(※1)「かくれフードロス」とは
食品ざんさや産地で発生した規格外農作物や余剰農作物といった未利用農作物など、一般的な「食品ロス」には含まれない食品廃棄のこと。年間約2,000万トンあるとされている。
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実証実験の背景
■群馬県の「かくれフードロス」の実態
群馬県は首都圏への重要な農産物供給地であり、年間を通して多彩な作物の生産が行われています。このことから、規格外品や出荷調整によって発生する廃棄品、葉物類の外葉など未利用農作物が多く発生していることが考えられます。群馬県環境情報(※2)によると、群馬県では年間 11.6 万トンのフードロスが発生していますが、産地で発生する未利用農作物は含まれていません。
(※2)群馬県環境情報
https://www.pref.gunma.jp/site/eco/501602.html
■連携事業社が抱える課題
・ジャングルデリバリー
平均気温が15℃で日照時間が長い群馬県は、オリーブの栽培に適しており年々農家が増加しています。一方で、群馬県内でオリーブ栽培を行うジャングルデリバリーでは、年間3トンのオリーブの葉や枝に加え、年間4トンのオリーブオイルの搾汁残渣が廃棄されています。
また、オリーブの葉は活用が進められていますが、剪定した枝から手もぎしているため、1 時間に1kgしか収穫することができず、生産性や人件費が課題となっています。
・秋間梅林観光協会
秋間梅林には11の農家があり、収穫時期にそれぞれの農家で月に約600kgの規格外品と50kg以上の梅の種が発生しています。また、熟し始めた梅は出荷先がなく、活用方法が見つかっていないことから、廃棄せざるを得ない状況です。
実証実験の概要
そこで、ジャングルデリバリーと秋間梅林観光協会と連携し、年間数万トンの未利用農作物を過熱蒸煎技術でアップサイクルする実証実験を行います。今回の実証実験の主な目的や取り組みは、以下の3つです。
■オリーブや梅の未利用資源を活用し、新たな商品を開発
オリーブの葉や枝、オリーブオイルの搾汁残渣に加え、規格外の梅や梅の種などの未利用資源を新たな商品へアップサイクルします。また、過熱蒸煎機で乾燥した粉末は保存が効き、使い勝手も良いため、秋間梅林にある11店舗の梅農家直営の飲食店や土産店などでの商品化も構想しています。
■オリーブ農家を中心とした生産者の生産性向上
オリーブ農園では、手もぎで剪定することに加え、オリーブの葉を乾燥させるために天日干しを行っており、多くの人員と24時間以上の乾燥時間が必要でした。そこで、1時間に50kgの原料を乾燥できる「過熱蒸煎機」を用いることで、作業効率を上げ、大幅に生産性を高めるとともに、供給量の安定を目指します。
■群馬県における「食の循環型モデル」の構築
未利用資源である「かくれフードロス」を活用して商品を作り、地域で流通させることで、群馬県における「食の循環型モデル」の構築を目指します。今回の実証実験では、主にジャングルデリバリーと秋間梅林観光協会と連携を行いますが、他事業者との連携も視野に入れ、群馬県全体の「かくれフードロス」削減と有効活用化を行う方針です。
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各事業者の役割について
・ジャングルデリバリー
オリーブの葉や枝・オリーブオイルの搾汁残渣などの原料提供や商品開発
群馬県内の生産者との引き合わせ等
・秋間梅林観光協会
梅の規格外品や種・梅シロップの残渣などの原料提供や商品開発
・ASTRA FOOD PLAN
本社ラボで過熱蒸煎機を用いた乾燥テストを実施
できあがった粉末を食品メーカーや商社に提案し、販路を開拓
令和6年度「ぐんま Agri×NETSUGEN 共創」実証事業について
群馬県は、県内のさまざまな農業経営体等の課題を解消し、農業を魅力ある産業にするとともに、企業的農業経営体の育成を図っています。 本事業は、農業の生産性を向上させるために、新たな発想を持つスタートアップ企業等との協業(オープンイノベーション)により課題解決を行い、所得の向上や労働力の確保に繋げ、持続可能な農業を確立することを目指すものです。
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協力事業者からのコメント
株式会社ジャングルデリバリー 代表取締役 三田英彦氏
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オリーブ栽培家が増え、オリーブ実の収穫量が増えるにつれ、オイル加工時に発生する残渣の取り扱いに苦慮してきました。オイル混じりの残渣を畑に入れることはできず、畜産飼料として提供してきましたが、輸送コストがかかります。あらゆる動物を健康にしてくれる栄養満点のオリーブ残渣ですが、食品としてアップサイクルできたらすごいことです。それを形にする装置も流通の仕組みもこれまではありませんでしたが、私たちオリーブ栽培家の思いを叶えてくれる装置がAFP社の「過熱蒸煎機」であり、「ぐるりこ」という流通の仕組みです。しかもこの装置は残渣のパウダー化のみならず葉の加工もできるため、一層の経営改善をはかることが可能となります。
株式会社ジャングルデリバリー
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「千年続く、大地を創る。」というミッションのもと、SDGs (持続可能な開発目標)の達成に向け、耕作放棄地問題をはじめとする社会課題の解決に取り組んでいます。遊休農地でオリーブ栽培を広げ、耕作放棄による荒廃農地の発生防止につなげています。
URL:https://jungledelivery.co.jp/index.html
本社所在地:〒374-0024 群馬県館林市本町3-1-10
秋間梅林観光協会
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ぐんま三大梅林のひとつで、観光梅林として約60年の歴史があります。梅農園のほか、飲食店や観光案内所も運営しています。
URL:https://akimabairin.com/
本社所在地:〒379-0101 群馬県安中市西上秋間672
「ASTRA FOOD PLAN」では、一緒に働く仲間を募集中
ASTRA FOOD PLANでは、一緒に働く仲間を募集しています。『過熱蒸煎機』や『ぐるりこ(R)』の提案営業をはじめ、オープンポジションでも採用を強化中です。少しでも興味を持った方、お話を聞いてみたいという方は、下記よりご連絡ください。
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■募集ポジション
・営業
・オープンポジション
・秘書、バックオフィス担当
採用情報の詳細ページ:https://www.astra-fp.com/recruit/
循環型フードサイクル構築を目指す「ASTRA FOOD PLAN」
ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置『過熱蒸煎機』を開発・販売しているフードテックベンチャーです。
『過熱蒸煎機』は、高い生産効率とコストパフォーマンスを実現したことから、従来コストの問題で有効活用できなかった食品工場で発生する野菜類の端材や、規格外品などの未利用農作物、飲料ざんさ等を、付加価値の高い食材にアップサイクルすることができます。食品ざんさ廃棄の課題を抱える事業者に『過さ熱蒸煎機』を販売すると同時に、本装置で作られる新たな食品原料『ぐるりこ(R)』の用途開発を食品メーカーと協力して行うことで、フードロス問題の解決を目指しています。
一般的な食品ロスの約4倍。年間2000万トンにおよぶ「かくれフードロス」の実態
現在コンビニエンスストアや量販店の売れ残りなど、本来食べられるのにも関わらず廃棄される「食品ロス」が問題となっています。しかし、一般的に認知されている「食品ロス」の量には野菜の芯や皮、ヘタなどの食品ざんさや産地で発生した規格外農作物や余剰農作物などの未利用農作物が含まれていません。
「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」によると、2019年における日本国内の食品ロスは、約570万トンと推計されていますが、農林水産省がまとめた「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」(※4)では、食品ざんさや未利用農作物などの不可食部分も含めた「食品由来の廃棄物等」の食品ロスが2531万トンにおよぶことがわかっており、大きな社会課題となっています。
ASTRA FOOD PLANは、この一般的な食品ロスの約4倍となる年間2000万トン(※5)の食品廃棄を「かくれフードロス」と呼び、その削減とアップサイクルに取り組んでいます。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/99210/31/99210-31-174cc35b46c0dd2b20246b978424ac10-2000x1333.jpg ]
(※4)
農林水産省『~食品ロス量(令和元年度推計値)を公表~』(2021年11月30日)
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/211130.html
消費者庁『食品ロスについて知る・学ぶ』
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/
(※5)
「年間2000万トンのかくれフードロス」=「2531万トン(食品由来の廃棄物等)」-「約570万トン(本来食べられるのにも関わらず廃棄される食品ロス)」
『過熱蒸煎機』について
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/99210/31/99210-31-8dc6e7b41183d1684c06d3a6ccc90cf0-475x336.jpg ]
『過熱蒸煎機』は、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことが可能な装置です。以下の3つの特徴により、野菜の不可食部分や、米ぬか、果物の搾りかす、飲料ざんさにいたるまで、高付加価値化した食材にアップサイクルすることが可能です。
食材の風味の劣化と酸化を防止
数百度の高温スチーム 過熱水蒸気を用いることで食材の酸化を抑え、栄養価の損失と風味の劣化を防ぎます。食材によっては旨味成分が増加し、ビタミンE、β-カロテンや葉酸などの栄養価が、熱風乾燥を用いた場合と比較して高いことも分かっています。
低コスト、高い生産効率を実現
ボイラーレスの過熱水蒸気発生装置を開発し、熱風と併用することでエネルギー効率が極めて高い乾燥・殺菌技術を実現。連続式で生産効率が高く、従来型乾燥技術のコストの課題をクリアしました。
スピード殺菌乾燥
過熱蒸煎機での食材への加熱時間はわずか5〜10秒。短時間加熱で食材の劣化を抑えながらも、過熱水蒸気の効果でしっかりと殺菌ができるので安全に加工できます。
製品名:過熱蒸煎機
発売日:2022年4月4日
※『過熱蒸煎機』カタログダウンロード https://www.astra-fp.com/download/
『ぐるりこ(R)』について
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/99210/31/99210-31-0e82a9df45cb136c6dc211aa3e29385e-1333x1333.jpg ]
『ぐるりこ(R)』は、『過熱蒸煎機』によって風味、栄養価の減少を抑えながら製造される高付加価値パウダーの総称で、素材別には”タマネギぐるりこ”、”キャベツぐるりこ”などとなります。サスティナブルで循環型のフードサイクルを目指していることと、『過熱蒸煎機』内で原料をぐるぐると回転させながら乾燥殺菌する製造工程の様子を表したキーワード「ぐるり」と、Collaborate、Cooperation、粉の「こ」を組み合わせた造語です。
・会社概要
ASTRA FOOD PLAN株式会社
URL:https://www.astra-fp.com/
本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26
代表取締役:加納千裕
設立:2020年8月
プレスリリース提供:PR TIMES