プレスリリース
本日、弊社のグループ会社である合同会社Vpg及び株式会社KITEは、以下の通り「東洋建設株式会社の「特別委員会設置に関するお知らせ」に対する当社らの考え及び対応方針について」を公表いたしましたので、お知らせいたします。
東洋建設株式会社の「特別委員会設置に関するお知らせ」に対する当社らの考え及び対応方針について
https://prtimes.jp/a/?f=d71768-20230216-b5c7fe30f64e031b1824f028a48c3122.pdf
以下本文。
東洋建設株式会社(以下「東洋建設」といいます。)(証券コード:1890)は、2023年2月15日付けで、「特別委員会設置に関するお知らせ」と題するプレスリリースを公表しております。
以下、東洋建設のプレスリリースに対する当社ら(合同会社Yamauchi‐No.10 Family Office及び株式会社KITEを指します。以下同じです。)の見解を記載いたします。
1.特別委員会の設置時期が明らかに不自然であり、当社買収提案に賛同しないための結論ありきの特別委員会といわざるを得ないこと
東洋建設は、インフロニア・ホールディングス株式会社(以下「インフロニア」といいます。)による公開買付け(以下「インフロニア公開買付け」といいます。)の際は、インフロニアによる正式な意向表明書が出された2022年3月2日より前の同年2月24日には特別委員会を設置し、僅か13営業日で賛同の意見表明及び応募推奨をしています。一方、インフロニア公開買付けの対抗提案として2022年5月18日に提出された当社買収提案については、当社らの再三の要請にもかかわらず、270日以上に亘って特別委員会を設置いただけませんでした。
そして、これまでの協議の過程で、東洋建設は、長年の関係のあるインフロニアによる非上場化は唯一の例外であるとして、「海洋土木事業を営んでいる企業(マリコン)以外が東洋建設を非上場化した場合、公共事業の受注が得られなくなり、東洋建設の事業が立ち行かなくなる」という根拠のない主張に終始し、2022年11月25日には、武澤恭司代表取締役社長から、当社買収提案には賛同できない旨の結論を記した書簡を機関決定がないにもかかわらず当社ら代表に手交されています。また、東洋建設の事務局からは、「そのような理由(基盤の崩壊リスク)は、不賛同ないしは反対表明の理由として開示できないため、何らかの『他の理由』を作って開示しなければならない」、「理由は色々練らないといけないが、外に出せる理由を書いて出すしかない」との趣旨の説明を頂戴しています。このように東洋建設はこれまで一貫して「非上場化が前提の提案である限り、これ以上話が進まないため、企業価値向上策に関する議論は行わない」との姿勢をとり、特別委員会を一向に設置しませんでした。
それにもかかわらず、当社らがガバナンス上の問題を指摘した今になって、突如として当社らの情報提供が不十分であるという本来特別委員会で議論されるべき結論を先取りした要求を行い、さらにその後に体裁を取り繕うかのように特別委員会を設置されたことは、当社買収提案に賛同しないための上辺だけの理由を取り繕うためのプロセスであるといわざるを得ません。
2.当社買収提案に賛同しないことを前提とした不適切な特別委員会の構成(買収防衛策の導入の際と同じ特別委員会の構成)であり、かつ、諮問事項についても恣意的な評価・判断を可能とする著しく不適切なものであること
東洋建設により公表されている特別委員会のメンバー構成(福田善夫氏、古田豊氏、藤谷泰之氏及び西本強弁護士)は、インフロニア公開買付けの際の特別委員会、及び当社買収提案に対するいわゆる買収防衛策導入の際の特別委員会の構成と実質的に同じです(福田善夫氏、古田豊氏、西本強弁護士。なお、藤谷泰之氏は、東洋建設の前回定時株主総会終結時に、西本強弁護士の後任として特別委員会に就任する予定でした。)。当時の特別委員会は、当社からの初期的な買収提案(インフロニアが1株当たり770円の公開買付価格を提案したのに対し当社買収提案は1株当たり1,000円)が公表された後も、東洋建設がインフロニア公開買付けに対して賛同表明を維持することが不合理とは認められない旨の報告をし、さらには、当社らに対する買収防衛策の導入についても異議を述べていませんでした。このような経緯のみに鑑みても、そのような判断をした特別委員会のメンバーと同一のメンバーからなる今回の特別委員会の構成は、当社買収提案を適正・公正に判断するためには不適切であるといわざるを得ません。
さらに、特別委員会メンバーの社外取締役福田善夫氏、吉田豊氏及び藤谷泰之氏は、機関決定を経ずに当社買収提案に対する不賛同を表明するといった武澤恭司代表取締役社長及び東洋建設の事務局の不適切な対応について、当社らが2022年12月9日付けの取締役宛書簡により問題提起をした後も、社外取締役として期待される責務を果たしてきませんでした。
かかる経緯も踏まえると、公表されている特別委員会のメンバー構成は、買収防衛策の導入の際と同様に当社買収提案に不賛同を表明することを所与の前提とするかの構成であり、当社買収提案を適正・公正に判断するための構成とは到底考えられず、当社買収提案に不賛同を表明するために上辺だけの理由を取り繕うための構成になっていることは明らかです。
また、そもそも特別委員会に対する諮問事項においては、企業価値向上策に関する事業面における評価については、海洋土木を含む建設事業という専門性が高い事業を営んでおり、その判断においても高い専門性・経験を要するとの抽象的な理由で除外されており、これまで東洋建設が当社買収提案に賛同できない理由として挙げた唯一の理由である「基盤の崩壊リスク」の真偽については、自らが「独立した外部の有識者」として選任した特別委員会にすら直接には検討・評価させず、現任の取締役会が自ら評価することとしております。
このような現任の取締役会による恣意的な評価・判断を引き続き可能とする建付けでは、そもそも特別委員会を設置している意味もなく、また、東洋建設の現行取締役会自らが「基盤の崩壊リスク」は客観的には認められないことを自認しているものと断じざるを得ません。さらに、東洋建設の取締役会は特別委員会の判断内容を単に「尊重」するものとし、(インフロニア公開買付け時の特別委員会の判断のように)「最大限尊重」するとの一般的な実務と比較して、敢えて取締役会の裁量を広く残しており、上記で指摘した諮問事項自体を限定している点と併せて見るならば、特別委員会の設置の意味がないことは明らかです。
さらに、特別委員会への諮問事項の決定において、海洋土木を含む建設事業は高い専門性・経験を要するという理由で、特別委員会の判断から明示的に除外するのは、もはや社外取締役が過半数を占める特別委員会の役割・能力を自ら否定するものとすら考えられます。
3.当社らは、既に東洋建設に対して必要かつ十分な情報提供を行っていること
当社らは、東洋建設に対して、2022年5月17日に公表している経営方針及び企業価値向上策のほか、2022年7月5日、11月2日、2023年1月18日及び1月24日に、東洋建設が属する業界全体として一般的に必要な取組みに留まらず、東洋建設の特有の課題に対する戦略的施策や価値創出プランにより想定される企業価値へのインパクトに至るまで、定量的な分析をお示ししています。特に、価値創出プランによるインパクトについては、東洋建設にとっても把握しやすいように、東洋建設の計画との差分を定量的にお示ししています。
当社らは、東洋建設に対して、一般的な実務において買収の対象会社に提供される情報よりもはるかに詳細な資料と情報を既に提供しております。事実、当社らの経営方針及び企業価値向上策は、東洋建設が賛同表明をしたインフロニア公開買付けにおける開示資料に記載されていた経営方針よりもはるかに精緻で具体的な内容となっております。
それにもかかわらず、東洋建設は、そもそも論として「非上場化が前提の提案である限り、これ以上話が進まないため、企業価値向上策に関する議論は行わない」との姿勢を一貫してとっており、当社らが提供した資料や情報の検討すら行ってきませんでした。
現在、当社らは、東洋建設取締役会に対して書簡を送付し、当社らが既に具体的な施策及び定量的な分析を含めて情報提供をしているにもかかわらず、インフロニアに対しても提出要請をされていなかった情報も含めて、さらなる情報提供を求めている理由等について東洋建設に合理的な説明を求めております。
そして、この度、特別委員会設置の発表を受けて、改めて東洋建設に対し、当社買収提案を提出してから270日以上が経過した今頃になって、しかもこのように適正性・公正性が疑われる構成による特別委員会を設置したことの経緯及び合理的な理由の説明を求めます。
4.当社らの今後の対応方針
当社らは、今後、東洋建設から合理的な説明が得られ、特別委員会の設置が当社買収提案に賛同しないための上辺だけの理由を取り繕うための目的でないと認められた場合には、追加的な情報提供や特別委員会の検討への協力を行う所存です。
ただ、いずれにしても、270日以上もの間、東洋建設の一般株主の利益にとって極めて重要な当社買収提案の検討が、特別委員会すら設置されずに放置されてきた事実は明らかです。
以上の次第で、当社らは2023年1月23日及び2月7日に公表している新たな対応方針に基づき、東洋建設の取締役会及び監査役を再編し、再編後の取締役会により当社買収提案を含む対抗提案(東洋建設の現経営陣自身が実現できないことを既に認めている、1株当たり1,000円以上の株主価値を実現する選択肢)を真摯に検討していただけるような、健全なガバナンス体制の構築を目指すことを改めてお約束させていただきます。
以上
〈本件に関するお問い合わせ先〉
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