プレスリリース
第1弾「NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth」公募開始
NEDOは技術課題や社会課題の解決に資する多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式を通じて募る”NEDO Challenge”「NEDO懸賞金活用型プログラム」(以下、本プログラム)を今回新たに立ち上げました。
本日公募を開始した本プログラムの第1弾となる「NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth」では、グリーン分野における新産業や新規ビジネスの創出を目指し、衛星データなどを活用して課題を解決するシステムの開発者に対して懸賞金を交付します。
NEDOは本プログラムを通じて、将来の社会課題解決や新産業創出につながるシーズをいち早く発掘することで、共同研究などの機会創出、シーズの実用化、事業化の促進を狙います。今後、第2弾、第3弾の公募も実施予定です。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/28/135644-28-138ae937cea964180931c5b9058ebfdc-1460x312.jpg ]
1.”NEDO Challenge”「NEDO懸賞金活用型プログラム」の背景と概要
イノベーションを創出し、その恩恵を社会課題の解決によって国民や社会に還元していくためには、従来にない先端技術を社会実装に至らしめるための適切な方策を推進することも重要です。「イノベーション循環の実現に向けた政策の方向性」(2024年3月6日 経済産業省 産業構造審議会 産業技術環境分科会 イノベーション小委員会) では、経済産業省が実施する研究開発事業において、国としてクリアすべき明確な目標を掲げ、特定の技術・手段によらず、研究開発の『成果』に報酬を支払う仕組みである懸賞金型研究開発事業を本格実施することとしています。懸賞金型研究開発事業は委託・補助と比べ、解決に向けたアプローチが定まっていないような課題への対応、課題解決に適した技術・アイデアを有する人材の発掘、企業に内在する技術を事業化のために洗練する機会として活用することが、有効であると考えられています。また、野心的な目標について、いち早く達成した者に対して大規模な懸賞金を支払う、世界でも類を見ないようなものも含め、今後、幅広い目的に活用していくこととしています。
そこでNEDOは、技術課題や社会課題の解決に資する多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式※1を通じて募り、将来の社会課題解決や新産業創出につながるシーズをいち早く発掘することで、共同研究などの機会創出、シーズの実用化、事業化の促進を狙う本プログラム※2を立ち上げ公募を開始します。この機会に「NEDO Challenge」のロゴマーク(図1)を作成しました。
第1弾 「NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth」
衛星データと地上データなどの組み合わせにより、グリーン分野に資するシーズ発掘を目的とした取り組みを実施します。
第2弾 「NEDO Challenge, Li-ion Battery 2025」
リチウムイオン蓄電池が回収物に混入することで引き起こされる廃棄物処理・リサイクル現場などでの火災・事故などの課題に対し、処理工程における安全性を高めつつも作業の円滑化に資する取り組みを実施します。
第3弾 NEDO Challenge(名称未定)
AI技術により、筋電位や脳波などの生体情報から人間の身体操作、運動情報を予測する取り組みを実施します。
このたび第1弾となる「NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth」の公募を本日から開始します。概要は以下のとおりです。準備中の第2弾、第3弾の公募も順次開始していきます。
2.第1弾 「NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth」(衛星データを活用したソリューション開発)に係る公募開始について
(1)概要
カーボンニュートラル実現などに向け、グリーン分野の研究開発が世界中で積極的に進められています。日本は、「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」ことを宣言しました。2050年カーボンニュートラル実現に向けたグリーン成長戦略(令和3年6月18日策定)などの政府方針に基づき、再生可能エネルギーの有効利用、モーター駆動の車を主流にしていくこと、植樹や森林の管理や維持により二酸化炭素吸収量を増やすことなどが進められています。
また、衛星データと地上データなどとの組み合わせにより、さまざまな地球規模課題の解決が模索され、衛星データ活用の機運が高まる中、経済産業省およびNEDOは、衛星を活用したさまざまな社会課題の解決に資するソリューション開発に取り組んでいます。
本事業は、グリーン分野の課題解決を、衛星データなどを活用することで、より効果的に実現するシステムを公募するものであり、より多くの革新的・独創的な提案を募ることを目的に、懸賞金型コンテストを実施します。
本事業を通じて、将来の新産業や新規ビジネスの創出につながる技術シーズをいち早く発掘し、事業化や実用化の促進を図ります。
(2)公募の詳細と今後の予定
【衛星データを活用したソリューション開発としての公募対象テーマ】
テーマ1:カーボンクレジット※3基盤構築 (グリーン・ブルーカーボン※4など)
[具体的な技術開発テーマ例]
・森林・農地・水域などバイオマスのMRV(測定・報告・検証)手法の開発
・森林・農地・水域などの効率的な維持管理など、関係する業界・個社の抱える課題解決
・上記の複合またその他対象における技術開発
テーマ2:エネルギーマネジメント基盤構築 (風力・太陽光など)
[具体的な技術開発テーマ例]
・風力・太陽光などの再生可能エネルギーにおける、適地探索、発電電力量・需要予測などの手法の開発
・関係する事業者・行政などの意思決定支援、点検・保守などにおける業務効率化の実現
・上記の複合またその他対象における技術開発
テーマ3:気候変動・環境レジリエンス基盤構築 (火災・水害・生物多様性など)
[具体的な技術開発テーマ例]
・浸水などの風水害に対する被害把握・軽減、火山・林野などの火災の早期検知手法の開発
・気候変動、生物多様性など、自然資本の回復に資する環境評価手法の開発
・関係する事業者・行政などにおける意思決定の支援や業務の効率化
・上記の複合またその他対象における技術開発
【懸賞金額】
1位1000万円、2位400万円、3位200万円
(テーマ1、テーマ2、テーマ3の受賞者それぞれに交付)
【今後の予定】
・公募期間:2024年3月18日(月)〜4月30日(火)
・受賞者決定:2025年1月下旬(予定)
・懸賞金交付:2025年3月(予定)
【公募サイト】
応募方法、応募様式などは下記Webサイトをご確認ください。
NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth専用サイト https://space-data-challenge.nedo.go.jp
【注釈】
※1 懸賞金型の研究開発方式
諸外国では、政府や財団が研究開発の目標を掲げて多数の応募者を募り、さまざまなアイデアやアプローチをコンテスト形式により競わせ、開発期間を終えた段階などで、目標水準以上の成果を上げた者のうち上位数者に対して懸賞金を支払う仕組み(懸賞金型の研究開発方式)を採用しています。日本では、同方式の実施例はまだ多くありませんが懸賞金については民法に定められており、本プログラムも民法に基づき懸賞金を交付します。
※2 本プログラム
事業名:NEDO懸賞金活用型プログラム
事業期間:2023年度〜
事業概要:NEDO懸賞金活用型プログラム https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100268.html
※3 カーボンクレジット
企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などの環境活動によって生まれた温室効果ガスの削減量や吸収量を排出権(クレジット)として発行し、他の企業などとの間で売買できる仕組みです。
※4 グリーン・ブルーカーボン(グリーンカーボン、ブルーカーボン)
グリーンカーボン:陸地にある森林などが吸収・貯留した炭素のことです。主に、森林や山林・熱帯雨林などがグリーンカーボンに該当します。
ブルーカーボン:海中にある生態系によって吸収・貯留された炭素のことです。大きく分けて、海草(うみくさ)藻場・海藻(うみも)藻場・湿地/干潟・マングローブ林の四つの種類があります。どちらも脱炭素化の新たな手法として注目されています。
プレスリリース提供:PR TIMES