プレスリリース
現地視察で見たラオスの地域医療の実情
5月12日(金)は「看護の日」。2023年度のテーマは「いのちをまもるプロとして。」です。世界には、国家財政が厳しく、保健・医療体制が整っていない国も多くあります。「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(東京都港区、以下JCV)が支援する国のひとつラオス人民民主共和国では、自身が学んだ技術を生かして、子どもワクチン接種活動に奮闘する看護師や看護ボランティアが、幼い命を守っています。
JCVでは、2023年3月26日(日)〜4月1日(土)にかけ、ラオスの現地視察を実施しました。この視察でお会いした看護師や医療ボランティアの方々の様子をお伝えします。
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【コロナ禍におけるラオスの厳しい財政状況】
JCVの常時支援国であるラオスは、ASEAN唯一の内陸国であり、アジアに残る後発開発途上国のひとつです。国内での新型コロナウイルス感染症の拡大は、水際対策や早期のロックダウンで封じ込めたものの、観光客がゼロになるなど、経済的に大きな痛手を受けました。
厳しい国家財政の中、保健・医療、教育の予算も不足し、GDP比でこれまで5%拠出できていたものが3%に減少してしまいました。そのため、看護師の新たな雇用にも影響が出ています。地方の村々に住む人々への医療サービスの拠点となっている、国内に約1,000カ所あるヘルスセンターでは、看護師として新たな人員を雇用する余裕が国にないため、2割はボランティアに依存している状況です。
【地域医療と子どもワクチン支援を支える看護ボランティア】
JCVでは、2023年3月26日(日)〜4月1日(土)にかけ、ラオスの現地視察を実施し、ラオス南部に位置するチャンパーサック県にある、ノン・ビエン ヘルスセンターを訪問しました。ここは、3部屋しかない小さなセンターですが、周辺17の村々に住む約14,000人の住民の命と健康を守る拠点となっています。
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このセンターを運営するのが、5名の看護師と4名の看護ボランティアです。通常診療の他、産婦人科として出産にも対応し、精密機器など一切無い中で、必要に応じて帝王切開も行っています。また、子ども達へのワクチン接種では、それぞれの村に赴き、集会所や寺院を会場として実施する出張ワクチン接種にも対応しています。
「たとえボランティアとしてでも、自分が学んだ医療に関する知識と技術で、幼い子ども達をはじめ、地域の人々の命を守りたい。」
「出産費用が無料である代わりにお母さん達が置いていく、心ばかりのチップを給与の代わりとしたり、ダブルワークをしながら活動するボランティアもいる。」
と現地でお話を伺ったボランティアの方は話してくださいました。小さな命を感染症から守るために活動するJCVの子どもワクチン支援は、命を守るプロとして、日々現地で奮闘する、看護師や看護ボランティアの方々の大きな力に支えられています。
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【1994年より続けているJCVの子どもワクチン支援活動】
JCV は、1994年の創設時より継続して、感染症から子どもたちの命を救うために、支援者の皆さまからお預かりした寄付をワクチンや関連機器に換え、現地のUNICEF事務所及び現地政府と連携して、開発途上国にワクチンを贈り、子どもたちの未来を守る活動を行っています。2022 年は、常時支援国のミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの 4 カ国に1億1,606万6,601円分の支援を実施しました。
創設当時は、1日8,000人もいた感染症で亡くなる子どもの数は、継続支援の効果もあり、現在では1日4,000人に半減いたしましたが、それでも20秒に1人の子どもが、尊い命を落としており、多くの支援を必要としています。
(2022年支援の詳細はこちら → https://www.jcv-jp.org/activity/countries)
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【団体概要】
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