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株式会社土屋の研修に講師として元TOKIOの山口達也氏が登壇

(PR TIMES) 2023年10月11日(水)20時15分配信 PR TIMES

土屋代表の高浜とアルコール依存症治療に関するトークを実施

株式会社土屋は、アルコール依存症の実態や治療方法に関する社内研修を9月28日(木)に開催し、ゲスト講師として元TOKIOで現在は株式会社山口達也の代表を務める山口達也氏に登壇いただきました。
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■イベント実施の背景
株式会社土屋の代表 高浜は35歳の時にアルコール依存症を発症し、その治療過程においても多くの介護職のアルコール依存症患者に出会ってきました。このような経験を通し、今後は自分と同じように苦しむ介護職の人材を減らしたいという想いから、本イベントを企画・実施しました。

■イベントの概要
イベントは二部構成で行われ、一部では山口達也氏による講演会を実施。第一部では、山口氏がアルコール依存症の治療開始を決断した出来事について講演し、その後治療を通して出会った自助グループ※についてトークを行いました。

事前の打ち合わせでは実は山口達也氏と高浜が治療を行った自助グループが同じであったことなどが明らかになっており、第二部では治療過程での出来事や、アルコール依存症と介護業界の関係について山口達也氏と高浜による対談を行いました。

※自助グループとは
同じ問題をかかえる人たちが集まり、相互理解や支援をし合うグループです。アルコールや薬物などの依存症のひとたち、犯罪被害者など同じ問題をかかえる人たちが自発的に集まり、問題を分かち合い理解し、問題を乗り越えるために支えあうのが目的のグループです。同じ問題をかかえている人たちが対等な立場で話ができるため、参加者は孤立感を軽減されたり、安心して感情を吐露して気持ちを整理したり、グループの人が回復していくのをみて希望を持つことができたりと様々な効果が期待できます。



■第二部イベントレポート
山口氏:
介護の現場では支援者が当事者の人の世話で病んでしまってアルコール依存症になってしまったっていう話をたくさん聞きますよね。なんでだろう?例えば「なんで自分が一生懸命やっているのに、利用者さんはありがとうって言ってくれないんだろう。」「なんで辛らつな言葉を投げかけてくるんだろう」って思ったりしますよね。
これは自分が相手の人をコントロールしようとしてるのかもしれません。でも、本当は一方通行でいいんですよね。感謝してもらうためにやってるわけじゃないんですよね。喜んでくれたらうれしいなって、ちょっと手助けするとか。そういう風に自分が納得していくと不安もなくなると思います。

介護業界で言うと「この役目は俺じゃなくて誰誰さんの方が合ってるんじゃないか。」「俺は必要ない」などと思いがちですよね。でも、僕が伝えたいのは自分には自分にしかできないことがあるということに気づいて、それに今日は納得して、じゃあ今日ダメだったことを明日試してみよう。で、「ありがとうございます」って言われたら、ほんとに心から「ありがとう」って言う感謝をするって言うことなんですよね、すべてに感謝。

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何が言いたいかと言うと、自分を大切にして下さい。困っている人がいるから手を差し伸べるかもしれないんだけど、そういう人の心が壊れてはいけないと思います。

司会:
ありがとうございます。現場に入っている人もマネジャーの方も管理者の方も、みんな不安と孤独とプレッシャーの中で戦ってるかと思うんですけど、その不安からアルコール依存症の道に行ってしまうことがあるかもしれませんね。それでは高浜さんの体験についても教えてください。

高浜氏:
今日は株式会社土屋代表取締役ではなく、高浜敏之かつ山口さんと同じ病、アルコール依存症の当事者という立場で今日はお話できればと思っております。

私自身は来月で51歳になるので、山口さんと同い年なんですが、今から15年前ですね、私は山口さんよりもうちょっと早く35歳の時に、いわゆる底つき体験というものをしまして、当時は介護職でしたがアルコール依存症によって仕事ができない状態になり、2年半生活保護を受けながらこの第二本社がある国立から歩いてすぐのところで山口さんと同じ自助グループに通ってリハビリの日々を送っていました。

自助グループにおいてはアルコールを止めると毎年、1年止めたら1周年記念おめでとうっていって誕生日パーティーしてくれるんですね。私は5回この誕生日を経験しました。これが5年目のメダルなんです。あれから15年経ちましたが、5年目のメダルを財布の中に入れて、絶対に持ち続けるということはすなわち、私にとってはお酒を1滴も飲まないぞっていう決意ですね。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/84582/26/84582-26-a533d7d6d5e8ae28d9e19a11741586eb-3543x2362.jpg ]


高浜氏:
私が今振り返れば、飲み始めた時からアルコール依存の傾向はあったというふうには思うんですけど、これが本格的に加速したっていうときは30代です。対人援助職や介助の仕事をしながら社会運動とかマイノリティの権利回復運動をやっていた時でした。

その時は困っている人を何とかしたいという思いで、他者のために奉仕する仕事、今現場を支えて下さっている皆さんとか、アテンダントの方々と同じような心理状態でいたと思うんですが、やはり自分自身の困っていることより、どうしても支援を必要とする人に注目しすぎてしまいました。先ほど山口さんも自分も大切にとおっしゃいましたが、対人援助の仕事をしてる人はこれがすごく苦手な傾向があると思います。

私自身も、すごく対応の難しい利用者さんを長時間ケアをして、疲れ果てて、仕事終わるのがお昼くらいでそこから飲み始めちゃうなど、そういうことがあったように思います。

山口氏:
介護職の人や、人に何かしてあげなきゃいけないっていう立場の人こそ我慢しちゃうと思うんですよね。高浜さんはその中でさらにアルコール依存症のためにお酒を飲むことができなくなったかと思うのですが、依存している行動を辞めなきゃいけない時にどういう風にしたらいいと思いますか?

高浜氏:
依存行為のことを医療の世界だと治療行為という言い方もすることもあるらしく、ただ単に依存対象を止めるということだと、苦しさだけが残っちゃうことがあると思うんですよね。

私はアルコールに溺れましたし、中にはギャンブルに溺れている方もいます。この問題に気づいて断ち切った時に、ただ止めるだけだと苦しいだけなんじゃないかなって思うんですよね。やっぱり依存せざるを得ない何物かを自分が持ってるんだとしたら、依存対象に変わる何か健全な場所とかが必要なんじゃないかなと思うんですが、山口さんにとってそれは、自助グループっていう話もありましたよね。

山口氏:
よくお酒好きな方が言うと思うんですけど、「俺からお酒取ったら何も残んねえよ」みたいな。それがなくなるって、ものすごい喪失感なんですよね。人って好きなもの取り上げられるのが一番腹立たしいじゃないですか。僕は2つの大きな経験が大きかったように思います。

1つは第一部でお話しした、交通事故で人の命を奪う可能性があったと気づいた時の「底つき」の体験です。ただ「底つき」って絶対しない方がいいと思うんですよ。あんな辛いこと。それでも自分は底つきってものがあったおかげで、お酒って言うのを手放すことができたんですよね。

じゃあその空いた穴をどうするのか、という話なんですが、やっぱり一人でいるとダメですね。寂しくなるとやっぱりお酒を飲んだりイライラしてしまったりします。そこで2つめですが、高浜さんに言っていただいたように、僕たちは自分が所属する自助グループに行って今困っているアルコール依存症者を助けに行くんですよね。
自分がお酒が止まっているのは、「うわー!酒飲みてえー。うわー!くそー!」って言ってる人に、「大丈夫かい?俺は今こういう風に止まってるよ」「ビールから炭酸飲料に飲みかえたんだよ」「スポーツができるようになった」「身体がこんなに回復したんだよね」という話をする。

自助グループに行ったら、困っている人がものすごくいっぱいいるじゃないですか。で、その人のところにいってミーティングに出たり、自分の経験を話をする。その時に「あれ?」って気づくんですよね。「俺、今日お酒飲んでねえじゃん」と。

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さらに、これまで困っていた人たちが「達也君の言ったことが今すごく実践できてる。」「散歩なんかするタイプじゃなかったけど、達也くんの影響で外に出るようになった。」などと言ってくれるんですよね。これが自助グループの良さだと思います。文句を言うんじゃなくて、人を助けることで抜け殻になった自分が満たされていくんですよね。もはやお酒を我慢して止めるというよりも「これからどうする?」「今どんなことが幸せ?」「将来何になっていきたい?」っていう希望の話しかしない。希望の話していたら、お酒なんて飲んでる暇はない。飲む暇があったらもっとやることがあると思います。

司会:
高浜さんは自助グループでどんな活動をされていたんですか?

高浜氏:
私は35歳から5年間ひたすら通い詰めてました。私も先ゆく仲間に助けられたんですが、彼らが本音で自分の気持ちとか語ってくれたり、自分がやらかしてしまった失敗を正直に話してくださり、彼らの自己反省を聴くことで助けられたと言う感覚です。

私も対人関係が苦手でお酒をコミュニケーションの潤滑剤にしていたのですが、今思えば酒が飲みたかったんじゃなくて、人とつながりたかった。語り合いたかっただけなのかなという思いにもなりましたね。自助グループではお酒がなくてもそんなことができる場でした。

山口氏:
そうですね。アルコール依存症の治療は自助グループでの活動とミーティングがメインですよね。毎日どこかでミーティングをやっていて、こうやって対面で会うミーティングもあるし、zoomでつながるミーティングもあるし、そこで何を話すかというと、正直な自分を話すんですね。自分にはどういう辛さがあって、こういうお酒を飲んできて、こういう失敗をしたと。家族もいなくなって、会社をクビになったと。身体も壊して、また手術するんだ。なんて話をします。そこは、人生が思い通りに行かなくなった人たちの集まりなんですよね。

そこでは一方的に話をしたり、人の話をずっと聴くんですよね。そこには嘘がなくて、正直でないといけないんですよね。なぜ正直になれるかって言うと、みんなお酒っていうものを中心に苦しんできた人たちで、共感があるんですね。我々の自助グループっていうのは、年齢・性別・国・文化、まったくごちゃ混ぜなんですよね。で、名前を伏せるのもOK、顔出ししなくてもOK、この人は何者かっていうのを、私はバレバレだったんだけど、何者かっていうのが分からないでミーティングに集まって、「はじめまして。アルコール依存症のなになにです」って自己紹介するんです。

そこにいるのはTOKIOの山口達也でも、株式会社土屋の代表でもないんですよね。チョンと座って私はアルコール依存症の者ですと。20代の人もいれば70くらいのおじさんなんかも、同じように囲んで話をします。

そこで気づいたのはみんなアルコールで苦労したんじゃなく、自分の持っている問題が生きづらさを生んでいたということなんですよね。だから私のアルコール依存症は、自分が感じていた不安に気づき、心を整えることでお酒が止まりました。

司会:
ありがとうございます。
それでは山口さん、今依存症の一歩手前にいるかもしれない方々にむけてメッセージがあれば一言お願いします。

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山口氏:
みなさん、福祉の領域ですごく意義のある仕事を皆さんされていると思うんですよね。当然お酒も大好きな方もたくさんいるし、週末になったらギャンブルする人もいるし、それを依存というのはすごく微妙でね、どこから依存症なのかってすごくグレーなんですよね。

それに、人って依存するから求めるし、高められるし、人生を良くしようとか、うまくなろう、上手になろうと思える。依存すること自体は悪いことではないですよね。

なぜ依存症がよくないかというと、それによって生活や仕事の中で周りがぶっ壊れていくんですよね。周りの人に迷惑が掛かったら一度考え直した方がいいと思います。でも、ある程度は依存しないと人生が楽しくないですよね。家庭や仕事、周りの人々を壊さない依存であれば問題ないんじゃないでしょうか。

司会:
山口さん、本日はお忙しい中、ご登壇いただき、ありがとうございました。

■株式会社土屋の詳細
・会社名 :株式会社土屋
・所在地 :岡山県井原市井原町192-2 久安セントラルビル2F
・代表取締役:高浜 敏之
・HP :https://tcy.co.jp/
・従業員数 :2516名
・設立 :2020年8月
・事業内容 :
- 障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業
- 介護保険法に基づく居宅サービス事業
- 講演会及び講習会等の企画・開催及び運営事業、研修事業、訪問看護事業



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