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NCホールディングスに対する公開買付に関するGlobal ESG Strategyの見解

(PR TIMES) 2024年06月13日(木)16時45分配信 PR TIMES


Press Release

Global ESG Strategy
2024年6月13日


[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135781/24/135781-24-de45aef20656d58ab6b3d4c4a22d85bd-426x134.png ]


日本プレスリリース全文
https://prtimes.jp/a/?f=d135781-24-5ba96c341ee0748be7c3aaa88c84fb5c.pdf

Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(以下「SAFS」)の運営ファンドであるGlobal ESG Strategy(以下「GES」)は、2023年より東証スタンダード上場のNCホールディングス株式会社(以下「NCHD」)(証券コード:6236)に対する投資を開始し、同社へのエンゲージメントを継続してまいりました。また、2024年6月27日開催予定の定時株主総会に複数の株主提案を行っていました。

GESはNCHD経営陣の非公開化の意思決定自体は高く評価
そのような中、2024年6月4日付でMIRI Capital Management LLC傘下のネイビー1株式会社(以下(MIRI Capital Management LLC及び同社が運用する投資ファンド及び関係会社を総称して「MIRI」)によるNCHDに対する公開買付け(以下「本TOB」)に関するNCHDの賛同意見表明及び応募推奨が発表されましたが、非公開化するという思い切った決断をNCHD取締役会がされたことについては高く評価しています。
NCHDは、持続的な成長を実現する中期経営計画を公表することができておらず、ネットキャッシュの状態が長らく続いていたことに象徴されるように、上場を維持しつづける理由が低減していたとも言えることから、非公開化することには一定の合理性があると評価しています。GESによるエンゲージメント活動も同社取締役会の決断を後押しすることになったのだろうと思います。

TOB価格は十分とは言えない
しかしながら、本TOBに係る公開買付価格(以下「TOB価格」)は低いと言わざるを得ません。MIRIとの交渉においてNCHDの特別委員会も2024年3月期の予定期末配当65円を控除した上で、2,350円(配当65円と合わせると2,415円)までTOB価格を引き上げるようMIRIに要請していたと公表資料では説明されていますが、最終的には2,208円のTOB価格で応諾してしまっていることは残念です。
また、NCHDの議決権23.1%を保有するAsset Value Investors Limited(以下「AVI」)との間で真摯な交渉を行い応募契約の締結に至ったことが本TOBの取引条件の公平さを裏付けると公開買付届出書に記載されていますが、AVIが提出している最新の変更報告書(13)(2024年6月11日付)に基づくと、同社の取得簿価は1,366.5円と計算できます。一方、MIRIとAVI以外の株主の議決権比率は50.6%ですが、NCHD株については過去314日間で50.7%の同社株の出来高があり、MIRIとAVIが保有する以外の株式がちょうど一回転入れ替わっていることになります。同期間における出来高加重平均株価は1,843円であり、MIRIとAVI以外の少数株主の平均取得簿価はこの価格に近いと推察されます。
期末配当65円とTOB価格2,208円を合わせた2,273円は、AVIの取得簿価からは66.3%プレミアムですが、1,843円に対しては23.3%プレミアムでしかなく、昨今のファンドバイアウトの他社事例に比べて低く、AVIがMIRIの本TOBに関し応募契約を締結しているからといって、他の少数株主にとっても公平で満足いく価格になっているような記載は誤認を招くものであると言わざるを得ません。

買収ファイナンスの規模を踏まえるともっと高値を出せるファンドは存在
また、本TOBの買収資金の裏付けとして、オリックス銀行から総額約92.7億円(1年満期のブリッジローンを入れて2024年度予想EBITDAの9.0倍。タームローンAとB合計だけでも約67.8億円(EBITDAの6.6倍))を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書が出されています。MIRIの最終的な100%買収資金のエクイティ(自己資金)及びデット(銀行融資)の調達内訳は22%対78%となると推測されます(注1)。
NCHDの安定的なキャッシュフロー創出力をオリックス銀行が高く評価していることからこれだけの買収ファイナンスが提供されていることと思いますが、他の銀行も似たような水準の買収ファイナンスを提供できる可能性が高いと考えられます。
同等規模の買収ファイナンスを確保できれば、もっと高い価格を出せるプライベート・エクイティファンドが存在する可能性は十分あると思料されます。

対抗的買付け等
NCHDの公表資料及び公開買付届出書によると、NCHDはMIRI以外の買い手候補とは交渉しておらず、また積極的にMIRI以外の買い手候補を模索していないことから、積極的なマーケットチェックは一切行われておらず価格の最大化が図られているとは言い難い買収プロセスになっていると認識しています。
但し、本TOBにおいては、公開買付期間を30営業日とし、MIRI以外にも対抗的な買付け等をする機会を確保することを含め、公正性の担保に配慮しているとのことであり、また、AVIもMIRIのTOB価格を上回るTOB価格による対抗公開買付けが開始され、協議を経てもなお対抗公開買付けのTOB価格が上回る場合にはMIRIのTOBに応募する義務を負わないという条件付きの応募契約を締結しているということであることから、GESとしては、今後の趨勢を慎重に見極めた上で、本TOBに応募するか否かを判断していきたいと考えています。

なお、本TOBが発表されたことから、GESからの2024年6月27日開催予定のNCHD第8回定時株主総会に対する株主提案については撤回の申し入れをNCHDにしていることを付記します。

注1:MIRIは本TOBに際しての株式取得金額約71億のうち10億円しか追加の自己資金は出さず、残りの61億円はオリックス銀行からの融資でまかなうとのことです。また、オリックス銀行のタームローンAとBの合計が約67.8億円であることから、タームローンの合計67.8億円とTOBに要する買付手数料等3,600万円から本TOBの株式取得金に費やされる融資金額61億円を差し引いた差額約6.4億円は本TOB完了後にMIRIが特別配当などで速やかに吸い上げることが予想され、MIRIの本TOBにおける実質追加自己資金は10億円ではなく3.6億円になると推定されます。MIRIの本TOB前までの取得金額は約15.3億円(議決権26.3%)であることから、100%買収に要する自己資金は19.9億円、残りはオリックス銀行からの融資となり、100%買収資金のエクイティ・デット比率は22%対78%となると推測されます。

以上

本件に関するお問い合わせ先:  globalesg@swissasia-group.com

Global ESG Strategyについて
GESは、ESG(Environment(環境)、Social(社会)及びGovernance(ガバナンス))の視点から中長期的な投資を行う投資ファンドであり、投資先との建設的な対話等を通じ、投資先の企業価値・株主価値の向上を実現することを後押ししていくことを方針としています。

Swiss-Asia Financial Services Pte Ltdについて
SAFSは、2004年設立、シンガポールを拠点とし、シンガポール証券先物法に基づく資本市場サービスライセンス(Capital Markets Services License)を保有する投資運用会社です。

免責事項
本資料は、NCHDに対する本TOBに関して、SAFSの運営ファンドであるGESとしての考え方を公表することを目的としており、それ以外の用途に用いられてはなりません。
本資料に記載された情報は、SAFS による独自の調査及び分析並びに一般に入手可能な公開情報に基づいています。SAFS、GES又はSAFSのその他の関係者 (以下「SAFSら」といいます。)は、その正確性、完全性、適切性、網羅性等について何ら保証するものではありません。
本資料は、SAFSらの独自の見解、予想、意見を示すものであり、これらは今後変わることがあり得ます。いかなる目的においても本資料に依拠してはならず、また、本資料を投資、金融、法律、税務その他の助言であると理解してはなりません。
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本資料に含まれるいかなる情報ないし内容も、いかなる意味においても、募集、推奨、サービスや商品の販促、広告、勧誘若しくは表明と解釈してはならず、また、いかなる投資商品の売買若しくは証券へのいかなる投資に関する助言若しくは推奨であるとも解釈してはなりません。




プレスリリース提供:PR TIMES

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