プレスリリース
-体系的なワンストップサービスで、農業界の社会的課題解決と、バイオスティミュラント市場の活性化を目指す-
株式会社AGRI SMILE(本社:東京都千代田区神田小川町、以下AGRI SMILE)は、AGRI SMILEが保有するバイオスティミュラントの評価指標(以下、AGRI SMILE 評価指標、注1)を用いて開発した、農業資材として有効性の高いバイオスティミュラント原体群「AGRI SMILE ライブラリー(注2)」が20件に達したため、バイオスティミュラント市場(注3)の活性化と価値向上を目的としたバイオスティミュラントの体系的なワンストップサービスの提供を開始します。
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<背景>
バイオスティミュラントとは、植物の免疫系を活性化する資材として、2030年に約7500億円のマーケットとして注目されている新しい農業資材です。気候変動によるストレス耐性に寄与し、農作物の収量や品質に効果をもたらします。
農業現場では、高温障害・塩害・病気の軽減などの適応が期待されており、目的にあった資材を選択するために、バイオスティミュラント商品ごとの特長や作用メカニズムの説明が求められています。
1) バイオスティミュラント評価指標の必要性
バイオスティミュラントは、作用メカニズムが遺伝子やホルモンなど植物生理に及ぶので、現行基準(注4)の表示情報では不十分なため、生産現場から「商品がたくさんあり、どれが適切か評価できない」「使用して効果はあったが理由など作用がわからない」という声が寄せられています。
AGRI SMILEは、約130地域の農業協同組合との産地連携し、農業現場の課題改善に取り組む中で、ニーズに合ったバイオスティミュラント商品を選定することが可能な「AGRI SMILE 評価指標」を開発しました。この「AGRI SMILE 評価指標」を用いることで、バイオスティミュラントの作用メカニズムが、元素解析・遺伝子解析・植物ホルモン解析等の科学的根拠をもとに説明できるようになります。
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2)バイオスティミュラントライブラリーの必要性
バイオスティミュラントは、様々な原料から開発できる可能性を持ち、原料候補は、有機酸・多糖類・海藻・ペプチド・ミネラル・微生物など多岐に渡ります。そのため、作用メカニズムを正確に把握するには、綿密な開発プロセスが必要で、最適配合・最適濃度の設計および、植物試験・遺伝子発現解析等の検証を経て、バイオスティミュラントの性質を発揮する素材の発見に至ります。
AGRI SMILEは、独自の「スクリーニング方法論(以下、AGRI SMILE スクリーニング、注5)」により開発期間を大幅に短縮することで、農業資材として有効性の高いバイオスティミュラント原体を集めた「AGRI SMILE ライブラリー」を構築しました。この「AGRI SMILE ライブラリー」は、新たなバイオスティミュラント資材の開発や、既存資材の改良開発に活用でき、
・開発にかかる期間およびコストの大幅低減
・作用メカニズム解明済み素材を用いた理論的なアプローチ
・偶発的な発見や勘に頼らない開発の効率化
が可能になります。
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3)バイオスティミュラントの社会的インパクト
バイオスティミュラントは、生育状況を考慮しながら利用することで、過剰な化学肥料の使用を抑え、温室効果ガスの排出量低減に寄与できるため(注6)、脱炭素社会の実現と環境保全型農業の実現を両立できる画期的な生産技術です。
AGRI SMILEは、農業生産段階の規格外廃棄物や、食品製造加工段階の廃棄物による「食品残渣」からバイオスティミュラントを開発することで、通常のバイオスティミュラントの効果に加え、フードサプライチェーンの食品廃棄問題をも解決します。
<サービスの概要>
(1)AGRI SMILE 評価指標 による適正な情報提供サービス
国内外のバイオスティミュラント商品に対し、AGRI SMILE 評価指標を用いて、該当商品の有効性をスコアリング(点数化)し、農業現場や生産者様にわかりやすく情報提供します。
(2)バイオスティミュラントの利用推進サービス
AGRI SMILE 評価指標の結果から、環境保全型農業への利用有効性が高いと判断されたバイオスティミュラント商品は、AGRI SMILEが連携している農業協同組合等への導入・利用拡大を図ります。
(3)バイオスティミュラントの販売推進サービス
バイオスティミュラント販売企業様に対し、AGRI SMILE ライブラリー及びAGRI SMILE 評価指標により、バイオスティミュラント資材の性能改良や情報提供などの科学的根拠による技術力サポートを行い、農業現場の要件にもとづいた販路拡大を支援します。
(4)脱炭素地域づくり支援サービス
地域の食品残渣を活用したバイオスティミュラントと、地域の農業協同組合や企業様(食品加工業、食品製造業)を巻き込んだエコシステムで、地域活性化と脱炭素地域づくりを支援します。
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AGRI SMILEは、バイオスティミュラント商品の適正な情報を提供し、購入者(農業生産者)様の課題解決と、販売企業様の販路拡大を支援することで、バイオスティミュラント市場の拡大を促進し、今後3年間で売上15億円を目指します。
<SDGsへの貢献>
AGRI SMILEは、バイオスティミュラント市場拡大に関する活動を通じて、地球環境に配慮した環境保全型農業と脱炭素社会を実現し、SDGsの目標達成にも貢献してまいります。
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※注1:AGRI SMILE 評価指標(特願2022-109418)
AGRI SMILEの独自技術で、国内唯一のバイオスティミュラント資材の有効度を測定する評価指標です。元素解析・遺伝子解析・植物ホルモン解析等、科学的アプローチでバイオスティミュラントの作用機序を評価し、産地現場での適正を可視化します。資材を共通のものさしで評価しスコアリング(点数化)することで、生産者様にわかりやすく情報を提供できるようになります。
※注2:AGRI SMILE ライブラリー(特願2022-109356)
AGRI SMILE 評価指標を用いて有効と判断したバイオスティミュラント原体群を集め、データベース化した「ライブラリー」を保有しています。ライブラリーを活用して新たなバイオスティミュラント資材の開発や、市販資材とライブラリーを掛け合わせることで、市販資材の効果を改善・向上します。
※注3:バイオスティミュラント市場
バイオスティミュラントは、「作物の活力・収量・品質および収穫後の保存性を改善する資材」として欧米を中心に利用拡大しており、2030年に約7500億円のマーケットとして注目されている新しい農業資材です。気候変動によるストレス耐性に寄与し、植物の免疫系を活性化することで、根張り・収量の向上や、乾燥/過湿耐性、耐病性、耐高/低温性、耐塩性といった効果をもたらします。
原料候補は、微生物/多糖類/ペプチド/有機酸/ミネラル/腐植酸など多岐に渡り、加工処理を施し、植物試験や遺伝子発現解析等の検証を進めることで、バイオスティミュラントの性質を発揮する素材を発見することができます。
以下引用:農林水産省「農林水産研究イノベーション戦略2021」から作成(https://www.affrc.maff.go.jp/docs/innovate/attach/pdf/index-3.pdf)
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※注4:現行基準とは
農業資材である農薬・肥料は、素材状態(粉や液体等)から、見た目で成分含有量や影響を判別することが困難なため、安全性や効果の基準が法律で制定されており、有効成分・事前試験・評価結果などの情報開示が義務化されています。そのため、農業現場の目的に合わせて適切な商品を判別し選定することが可能です。
※注5:AGRI SMILE スクリーニング(特願2022-109357)
AGRI SMILEの独自技術で、均一化処理をほどこした高い再現性を持つスクリーニング方法論です。通常よりも、少ない標本数で有意性を安定的に示すことができます。そのため、新規の資材開発であっても開発期間を大幅に短縮することができます。AGRI SMILE ライブラリーは、このAGRI SMILE スクリーニングを使用することにより、短期間で、有効なバイオスティミュラント原体群の構築に至っています。
※注6:化学肥料低減と温室効果ガスについて
政府は、2050年までに農水分野の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、農林水産分野の脱炭素に向け、2050年に化学肥料の使用量を30%低減(現在90万トンから63万トンへ低減。現在の肥料市場4000億円のうち1200億円に相当)する目標を設定しています。実現に向けた取り組みとして、作物の育成状況を解析したデータに基づく肥料量の調整や、バイオスティミュラント等の関連する革新的な技術・生産体系の新規開発と社会実装を戦略策定しています。
株式会社AGRI SMILEについて
AGRI SMILEは「耕作することが産業であり続ける世界。」というビジョンの実現に向け、農業DX企業として「生産技術の研究開発から、栽培管理・販売支援まで」生産現場の課題改善をトータルにサポートしております。
研究開発部では、農学系の研究者集団による先進的な研究体制のもと、元素解析・遺伝子解析から資材開発まで、科学的妥当性を基軸にした最新技術の研究を行っております。
国内最大級規模の農業協同組合や産地との連携を活かし、持続可能な農業の実現を推進します。
【会社概要】
代表者:代表取締役社長 中道 貴也
事業内容:農業協同組合向けDXサービス、バイオスティミュラントの開発・販売支援
設立:2018年8月31日
所在地:〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目28-5 Axle御茶ノ水102
研究開発部:https://agri-smile.com/biotech/
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