プレスリリース
株式会社ピリカ(東京都渋谷区、代表取締役:小嶌不二夫)は、国立大学法人九州大学(以下「九州大学」)と国立大学法人鹿児島大学(以下「鹿児島大学」)、国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下「JAMSTEC」)、共同でごみ拾いSNS「ピリカ」を活用して、ごみ散乱状況分析の実証実験を開始しました。
海に漂流・漂着するプラスチックごみの80%は陸起源と言われています。ただ、街中や海岸に捨てられたプラスチックごみの総量(個数や重量)や、これが海に流れ出ていく量を、実際に求めることは簡単ではありません。本プロジェクトは2022年1月より2025年3月末まで実施予定で、ごみの散乱状況の現状を、参加型で継続的かつ定量的に調査を行う体制の構築を目指します。
九州大学応用力学研究所の磯辺篤彦教授と、鹿児島大学学術研究院の加古真一郎准教授、そしてJAMSTEC付加価値情報創生部門の松岡大祐副主任研究員らの研究グループとともに、街中や海岸に捨てられたプラスチックごみの画像を収集し、総量の算定に取り組む参加型の研究プロジェクトとなります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/15952/24/resize/d15952-24-8eabc1b10364110ef80a-0.png ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/15952/24/resize/d15952-24-f5d288f673a964ed5618-1.jpg ]
プロジェクトでは、株式会社ピリカの提供する無償のスマートフォン(スマホ)アプリである「ごみ拾いSNS『ピリカ』」を利用します。このアプリをインストールしたスマホで、地域社会のみなさんが街や海岸のプラスチックごみを撮影すれば、これらの画像が日時や位置情報とともに、鹿児島大学やJAMSTECに送信されます。その画像データから、深層学習を用いてプラスチックごみを抽出し、ごみの種類(ペットボトル、レジ袋など)や被覆面積を自動判別する仕組みです。多くの画像データを集めることで、種類別のプラスチックごみ量の推算や、その時間変化の追跡に取り組みます。
スマホアプリは株式会社ピリカのウェブサイト( https://sns.pirika.org )からダウンロードすることができます。現在の日本語版に加えて、2021年度末までにはタイ語版をリリースする予定です。
この研究プロジェクトは、国際協力機構/科学技術振興機構のSATREPS助成(東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成[代表:磯辺])と、環境省環境研究総合推進費(海洋プラスチックごみに関わる動態・環境影響の体系的解明と計測手法の高度化に関する研究[代表:磯辺])の成果を利用しています。
研究者からひとこと
地域社会の皆さん一人ひとりが、お手持ちのスマホを利用することで、海洋プラスチック研究に参加するプロジェクトです。得られた結果は株式会社ピリカ様のウェブサイトを通して、皆様と共有いたします。参加型で作成したビッグデータによって、研究の大きく前進することを期待しています。
株式会社ピリカについて
科学技術の力であらゆる環境問題を解決することを目指し、2011年に大学の研究室で非公式のプロジェクトとして始まり、同年に法人化。様々な環境問題の中でも、一歩目としてごみ(特にプラスチック)の自然界流出問題に注力しています。
ごみ拾いSNS「ピリカ」は、2011年5月15日にリリースし、現在111カ国から累計2億個のごみが拾われています(2021年12月27日現在)。累計ありがとう数は1,500万弱となり、ごみ拾い活動を通じて多くのコミュニケーションが生まれています。導入頂いている企業・自治体・団体は1,500を超え、近年のSDGsへの関心の高まりを受け、環境問題に配慮した行動や消費は、各方面で浸透しつつあります。
さらに、画像解析による広範囲のポイ捨て状況調査サービス「タカノメ」や、マイクロプラスチック調査サービス「アルバトロス」を通じて、海洋・陸のごみの流出状況をオープンデータで発表し、課題発見と解決に向けた協業・連携を展開しています。2021年第1回環境スタートアップ大賞にて「環境大臣賞」受賞。
会社概要
社名:株式会社ピリカ(英名 Pirika, Inc.)
※ピリカはアイヌ語で「美しい」という意味の言葉です。
所在地:東京都渋谷区宇田川町2−1渋谷ホームズ1308
事業内容:ごみ拾いSNS「ピリカ」の運営/ポイ捨てごみ分布調査「タカノメ」の運営/マイクロプラスチック調査「アルバトロス」の運営
設立年月日:2011年11月21日
URL:https://corp.pirika.org/
プレスリリース提供:PR TIMES