• トップ
  • リリース
  • AIとドローンによる新たな資機材管理システムで作業時間を75%削減

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2
  • 記事画像3

AIとドローンによる新たな資機材管理システムで作業時間を75%削減

(PR TIMES) 2023年07月19日(水)13時15分配信 PR TIMES

 鹿島(社長:天野 裕正)は、AIとドローンを組み合わせた新しい資機材管理システムを、AI inside株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:渡久地 択)と共同開発しました。本システムは、ドローンが空撮した動画からAIが資機材を認識し、その位置を現場3Dモデル上に表示するものです。このたび、国土交通省北陸地方整備局発注の大河津分水路新第二床固改築I期工事(新潟県長岡市、以下本工事)における資機材管理に適用し、その作業時間を約75%削減(1回あたり約2時間→30分)しました。
 なお本システムは、2022年度の国土交通省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択され、今回、その有用性を確認・検証したものです。
[画像1: https://prtimes.jp/i/116603/23/resize/d116603-23-7ffb422aba2e5b1d7a1e-4.png ]

開発の背景


 建設現場では、建設物の構築にあたり数多くの資機材を扱います。従来の資機材管理は、現場職員が現場内を巡回し目視と手作業で行っていました。しかしながら、これらの手法は、膨大な手間と時間を要するだけでなく、現場職員が高所や狭所等に立ち入るという安全上の課題があります。また、現場で使用する資機材の大半はレンタル品となりますが、万が一、点検期限切れの資機材を使用していた場合、作業員の安全を脅かすリスクが懸念されます。さらに、管理が行き届かない場合、資機材を重複してレンタルし、それにより余分なコストが発生するおそれもあります。

本システムの概要とフロー


 鹿島とAI inside社は、人より高速で自由に移動が可能なドローンと、画像の識別が可能なAIを組み合わせ、新しい資機材管理システムを開発しました。
 本システムの概要とフローは以下のとおりです。
[画像2: https://prtimes.jp/i/116603/23/resize/d116603-23-fa7f230566f901e25cfd-3.jpg ]

1.学習データ準備〜AIへの学習【事前準備】
 ドローンが撮影した空撮画像を使い、AIに現場内の資機材の名称と形を学習させます。AIモデルの構築には、AI inside社が提供するAI統合基盤「AnyDate」※を採用しています。

2.ドローンによる現場の撮影
 ドローンで現場内の動画撮影を行います。一定の高度から撮影を行い、その空撮動画とドローンの飛行記録をPCに取り込みます。

3.AIによる解析と結果の出力
 1.で学習した結果をもとに、撮影した空撮動画と飛行記録からAIが資機材名称と位置を推定します。その結果を現場3Dモデルに取り込むことで、資機材の位置を現場3Dモデル上に表示します。

※AI開発・実装に求められるデータ・学習・運用を全て包含したAI統合基盤。テキスト・画像・数値などあらゆるデータに対応し、高度なスキルがなくても、それぞれの課題に応じた高付加価値なAIソリューションを開発できる

本システムの成果


 本システムにより、ドローンによる空撮動画からAIが資機材の名称と位置を検出し、現場3Dモデル上に見える化することが可能となりました。現在、人と同程度の大きさの資機材であれば概ね検出できており、検出可能な資機材は25種類に上ります。また、個別の管理を行いたい資機材については、プラカードを使用した識別によって法定点検日等を管理することも可能です。
 現場3Dモデル上に資機材の位置を可視化することにより、広大な敷地の現場でも資機材の管理を効率的に行うことができます。これにより、活用していない資機材も判別できるため、そのような資機材があれば返却するなど、無駄をなくすことにもつながります。
 本システムの効果を検証した結果、従来の作業と比較して、資機材管理の作業時間を約75%削減(1回あたり約2時間→30分)できることを確認しました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/116603/23/resize/d116603-23-862bb6d733e532f56c16-3.png ]

今後の展開


 今後鹿島では、本システムの資機材の検出精度を向上させるとともに、手で持ち運べる小さい資機材の検出率向上に取り組んでいきます。また、本工事で構築したAIモデル(資機材学習モデル)は、他の現場でも活用できるため、全社への展開も視野に入れています。
 さらに、本システムと、鹿島の多くの土木現場で活用が進んでいる、現場見える化統合管理システム「Field Browser(R)」とを連携させることで、さらなる現場業務の効率化を目指します。これらの技術を発展させることで建設現場のDXをさらに推進していきます。

工事概要


工 事 名:大河津分水路新第二床固改築I期工事、大河津分水路新第二床固改築I期その2工事
工事場所:新潟県長岡市寺泊野積107-23
発 注 者:国土交通省北陸地方整備局信濃川河川事務所
施工者:鹿島建設・五洋建設・福田組特定建設工事共同企業体
工事諸元:鋼殻ケーソン基礎工 9基、本堤工 1式 、減勢工 1式、護床工 1式、仮設工 1式(仮橋・仮桟台工、ガイド杭工 各1式)
工 期:2019年2月13日〜2024年12月27日



プレスリリース提供:PR TIMES

このページの先頭へ戻る