プレスリリース
〜グローバル・リベラルアーツ学部対象、リトアニアの歴史と文化の探求学習〜
神田外語大学(千葉市美浜区/学長:宮内孝久)は、2022年2月14日(月)から2月20日(日)にかけて、グローバル・リベラルアーツ学部(以降、GLA学部)の学生を対象とした『海外スタディ・ツアー「リトアニア研修」』を実施しました。2021年に新設した同学部では、1年次の6月から7月にリトアニア、エルサレム、インド、マレーシア・ボルネオの4地域から1つを選択し、3週間留学する「海外スタディ・ツアー」を行います。2021年はコロナ禍により渡航を断念しましたが「現地でしか体験できないことを通して探求心を育みたい」という考えのもと、本研修を実施しました。本研修は「グローバルな問題解決能力を身につけ、平和のために活躍できる人材を育てること」が目的であり、リトアニアにおける戦争の歴史や文化を学ぶための関連施設の見学、現地大学生との交流といった体験型研修が中心となりました。
神田外語大学は2021年4月にGLA学部を新設しました。GLA学部ではグローバルな視点と歴史・宗教・環境などの教養をもち、地球規模の問題解決に貢献できる人材を育てる教育を行います。入学後の半年間を将来について考える「グローバル・チャレンジ・ターム」としており、柱となるのが1年次の6月〜7月に実施する「海外スタディ・ツアー」です。2021年はコロナ禍により海外渡航を断念しましたが、代替プログラムとして神田外語グループが福島県に擁する国際研修センターブリティッシュヒルズにて「海外スタディ・ツアー2.0」と銘打った国内で出来る海外留学の新たな形を実施しました。(当時配信のプレスリリース:https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/news/151799/)学生らは、オンライン研修にてリトアニアを含む4地域における歴史や文化等を学び、且つ提携大学の学生との交流をおこないました。
一方で「現地でしか体験できないことを通して探求心を育みたい」という考えのもと、海外派遣が可能になった際には、場所や期間を変更して派遣を実施することを検討し続け、研修先のコロナ感染状況や世界情勢を鑑み、この度本研修が実施されることとなりました。現在、日本をはじめとする各国は、新型コロナウイルス感染症対策として各種の水際対策を実施しています。そのため、イスラエルのように昨年時点で海外からの入国を原則禁止としている国には渡航できず、また、短期のツアーであることから、入国後一定の隔離期間が設定されている国への渡航も現実的ではありません。そのため、4地域のうち、新型コロナウイルスワクチンを2回接種していれば、隔離期間なく入国できる国がリトアニアだけであったことから、リトアニアに絞って実施する形となりました。
昨年オンラインで4地域と日本を結ぶ「海外スタディ・ツアー2.0」を実施したため、本研修への参加は任意制となりました。本研修では、さまざまな物や事柄に直接触れ、感じることで、オンライン研修の内容を実体験する形になりました。現地では、コロナ禍という緊張感の中で、オンラインで感じた疑問や課題を直接解決したり、新たな課題に直面したり等、探求学習を実践する滞在となりました。
研修中に座学はほぼ無く、現地でしか体験できない歴史や文化を学ぶための関連施設見学や本学と国際協定を結んでいるヴィータウタス・マグヌス大学の学生との交流といった体験型研修を中心としました。特に、この時期に実施したのは、2月16日のリトアニアの独立記念日を学生に体験させ、リトアニアの歴史や歩んできた途を学生に直に理解してもらう目的がありました。学部生のうち6割を超える33名が参加しました。また、保護者の方々に安心していただき、参加できなかった学生にも様子を伝えるため、滞在中、毎日メールマガジンを配信し研修の内容を報告しました。
◆『海外スタディ・ツアー「リトアニア研修」』概要
【主な研修内容】
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※1 Hashi Club:日本文化のワークショップやイベント、日本語スピーチコンテストや討論会などを企画・運営する学生団体
【新型コロナウイルス感染症における対応】
・渡航2日前に、参加するGLA学部の学生及び帯同する教職員全員がPCR検査を実施
・研修の中日[2月18日(金)]に現地の医療機関で出国前72時間以内PCR検査を実施
・帰国後は、検疫所が確保する宿泊施設での3日間の待機+自宅等での4日間の待機
【参加者コメント】※一部抜粋
<学 生>
瀬戸山 未羽さん(グローバル・リベラルアーツ学部1年)
2日目に訪れた杉原千畝記念館が印象的です。教科書で杉原千畝という人物を知っていましたが、現地で歴史を学ぶと、わたしが知っていた歴史は日本視点のものだなと感じました。杉原千畝という人物の日本側だけではなく、リトアニア人からの視点を見ることができたと思います。町中で現地の方に日本人であることを伝えると「杉畑千畝ハウスに行ったことがあるよ。彼はとても素晴らしい人物だよね」と言ってくれて、日本人として誇らしい気分になりました。
高野 好右さん(グローバル・リベラルアーツ学部1年)
わたしは第9要塞博物館がとても印象的でした。第9要塞博物館には、過去にあったユダヤ人虐殺という負の遺産がしっかりと残されています。こういった凄惨な事実をありのまま後世に残すことで、より平和に近づけようという意思を感じました。日本でも、過去の戦争でどういったことがあったかなど、ふたをせず残していくことが大事だと感じました。
<教職員>
金口 恭久(神田外語大学 副学長)
通常の海外研修では、机に座って英語を学ぶ座学が中心になるかと思いますが、このたびのリトアニア研修では、毎日足を使ってとにかく体験学習ができるスケジュールとしました。さらに、現地学生との交流やカウナス副市長との座談会を組み込むことで、一つの国を見るにあたって異なる目線の方から話を聞くことができました。
単に海外に行き、座って英語を学ぶということではなく、現地学生の目線あるいは市の関係者の目線など、さまざまなことを聞き、見たということは学生にとって非常に大きかったと考えています。
海外スタディ・ツアー2.0にてオンラインで事前学習をしたことで、今回実際に現地に訪れ多くのことを吸収できたと思います。今後もオンラインと対面を組み合わせていくことで、相乗効果を生み出していきたいと考えています。
朴 シウォン(グローバル・リベラルアーツ学部教授、グローバル・リベラルアーツ学科長)
昨年実施した海外スタディ・ツアー2.0では、カウナスやヴィリニュスの街の方々と積極的に話す学生の姿を想像することは全くできませんでした。分からないことや知りたいことをすぐ現地の方々にたずね、案内してくださったコーディネーターや博物館のスタッフ等、誰とでも話すことができる学生の姿を目の当たりにし、教員として今回の研修の価値を実感しました。また、オンライン授業で学んだことを忘れていないかと心配していましたが、その時に取ったノートを取り出して、内容を確認する学生もおり、オンラインで学んだことと今回の体験を通して学んだことの融合がGLA学部生の更なる成長の糧となることを確信しました。
市川 透(神田外語大学 国際戦略部 アシスタントゼネラルマネージャー)
「百聞は一見に如かず」ではないですが、もし学生が海外スタディ・ツアー2.0のオンライン授業でのみ、リトアニアについて学んだ場合と、色々なことを現地で体験して日本に戻った場合では、学生の語り方は大きく違うのではないかと思います。自分の言葉で語るには、実際に来ないとなかなか難しいと感じました。プログラムの中で、学生の交流やそういった行政関係の方と会えるというのは、一つの側面からしか見えない観光と異なり、色々な角度からリトアニアを見られて、且つ日本を見直せるという効果があると感じました。
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【リトアニア研修 メールマガジン】
研修中、6回にわたり配信しましたメールマガジンは以下リンク(神田外語大学ブログ)にも掲載しています。
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/blog/tag/gla/
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【参 考】
パジャイスリス修道院・・・17世紀から18世紀にかけて建造され、同国におけるイタリアバロック建築の傑作とされています。建物群の南方の建物の中にある博物館でパジャイスリス修道院の歴史を知ることができます。
ヴィータウタス大公戦争博物館・・・リトアニアの英雄、ヴィータウタス大公の名前を冠した博物館で、リトアニアとカウナスの歴史を紹介しており、時代を超えた多くの武器や甲冑のコレクションが展示されています。
独立記念セレモニー・・・2月16日はリトアニアの独立記念日で、1918年にロシアの占領から独立を宣言した日になります。
国立チュルリョーニス美術館・・・リトアニア・カウナスにある美術館で、主に画家で作曲家のミカロユス・チュルリョーニスの作品が展示されています。
第9要塞博物館・・・19世紀末から20世紀初頭にかけてロシア帝国によりカウナスに建設された12ヶ所の要塞の内、唯一現存する要塞です。第1次世界大戦下では、ロシア軍の要塞として機能しましたが、その後の第2次世界大戦中には、ナチス・ドイツ軍に占領され、リトアニアをはじめヨーロッパ各地から連行されたユダヤ人の大量虐殺の現場となりました。現在は第9要塞の歴史や犠牲者の遺品や写真などが展示されています。
リトアニア大公宮殿・・・15世紀末に建設されて以来、17世紀半ばまでリトアニア大公国の政治や外交、文化の中心となった宮殿です。現在は、宮殿の一部が国立博物館として一般公開されています。
Museum of Occupations and Freedom Fights・・・かつてソビエト連邦国家保安委員会の本部が置かれていた建物を利用した館内には、史料やソビエト時代に使われた実際の独房などが展示されています。
プレスリリース提供:PR TIMES