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株式会社ポーラ・オルビスホールディングス

視覚障がいを問わず評価できる化粧品の官能評価試験を確立

(PR TIMES) 2022年10月24日(月)13時15分配信 PR TIMES

ものづくりを通して誰もが活躍できる社会を目指す

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)と、NTTクラルティ株式会社(本社:東京都武蔵野市、社長:浅野彰)は、共同で視覚障がいを問わず評価可能な化粧品の官能評価試験を確立しました。これを足がかりに、視覚障がい者が化粧品の感触づくりに携わることができる場を生み出すことで、視覚障がい者自らの持つ力を活かして活躍する機会の拡大につなげたいと考えています。
化粧品の感触づくりを通して、視覚障がい者の活躍機会を拡大
ポーラ化成工業では、誰もが活躍できる社会を目指し議論を進めています。その中で、日常生活にて「触る」ことからさまざまな情報を得ている視覚障がい者の特性に着目すると、化粧品開発に欠かせない「感触づくり」は視覚障がいを問わず活躍できる場になるのではないかと考えました。

一方、NTTクラルティでは、共生社会の実現に向けて、障がい特性を強みとして活かすことができる事業を展開するとともに、障がい者の視点から情報を社会に発信しています。今回、NTTクラルティがポーラ化成工業の取り組みに賛同し、視覚障がい者を含めた連携が始まりました。

視覚障がい者との連携により、障がいを問わず評価できる化粧品の官能評価試験を確立

[画像1: https://prtimes.jp/i/92303/17/resize/d92303-17-00bfcf36a882abc3fa0d-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/92303/17/resize/d92303-17-87953bf0ea88f26ed5b1-1.jpg ]


ポーラ化成工業では、化粧品開発に役立てるため、化粧品の感触データベース※1を独自に構築しています。このデータを取得するために実施する官能評価試験は、これまで晴眼者が参加してきました。そこで本取り組みでは、視覚障がい者も試験に参加できるようにするため、適した試験方法について検討しました。


本検討では、視覚障がい者が試験方法を検証し、その意見をもとに試験における障壁を精査することで、評価の手法や必要なサポートを整備しました(図1)。そして、視覚障がい者の女性36名が参加した実際の官能評価試験にて、化粧品ごとの感触の差を評価できる手法となっていること、提供したサポートにより試験をスムーズに実施できることを確認しました(図2)。 さらに、取得したデータからは、視覚障がい者が晴眼者とは異なる評価傾向を有することが示唆されました。これには、視覚に影響されずに評価できる点や、感触に対する注意の払い方の違いが影響している可能性が考えられます。データの分析を深めることで、これまでにない切り口による有用な発見や研究の糸口、視覚障がい者の活躍の新しいヒントが得られるかもしれません。


今後も多くの意見を取り入れながら本取り組みを進め、視覚障がいを問わず活躍できる場を広げることでWell-beingの実現につなげていきます。

※1 数百種の化粧品を対象に、「しっとり」「なめらか」など18項目の感触を数値化したデータを取得して、これらのデータを集めた。


【補足資料1】 ポーラ化成工業株式会社について
ポーラ化成工業株式会社は、ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担います。研究所のフロンティアリサーチセンター(Frontier Research Center:FRC)では、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのマルチプルインテリジェンスリサーチセンター(Multiple Intelligence Research Center:MIRC)が決定した研究戦略に基づいて、新規有効成分の開発や化粧品の枠を超えた新価値創出を担うなど、新規・既存事業へ活用するシーズを創出しています。

ポーラ化成工業株式会社 ホームページ         
http://www.pola-rm.co.jp/index.html
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス ホームページ 
https://www.po-holdings.co.jp/

■本取り組みに参加した担当者 : 福島 遥香氏のコメント
障がい者との連携は初めてでしたが、互いの立場から率直な意見を交わすことで障壁を解消し、本取り組みをここまで進めることができました。実際の官能評価試験では、参加者と晴眼者のサポートスタッフが休憩時間に和やかに会話をしている様子が至るところで見られ、新しいコミュニケーションの場となる可能性も感じました。本取り組みを通して、視覚障がい者と晴眼者が相互理解を深め、互いの良さを活かして助け合える社会の実現を目指していきたいと考えています。
■取締役執行役員 研究担当 : 末延 則子氏のコメント
NTTクラルティ様のご協力もあり、以前から実現したいと考えていた視覚障がい者の活躍を応援する取り組みが第一歩を踏み出せたことを嬉しく思います。今後も多くの意見を取り入れることで視野を広げ、障がいにかかわらず誰もが自身の持つ能力を最大限に発揮できる可能性を追求していくことを期待しています。当社では、これからもさまざまな立場の方と連携することで、化粧品事業から新しいイノベーションを創出していきます。

【補足資料2】 NTTクラルティ株式会社について
NTTクラルティ株式会社は、種々の障がいのある社員が共に働くNTTの特例子会社です。クラルティという社名には「個々人が持ち合わせている才能が宝石のように多彩に輝く」という意味が込められており、社員一人ひとりの障がい特性を理解し、それを強みとして活かすことができるさまざまな事業を展開しています。引き続き、障がい者の視点からノーマライゼーションの推進に向けた情報を社会に発信し、バリアのない豊かな社会の実現に貢献していきたいと考えています。

NTTクラルティ株式会社 ホームページ  
https://www.ntt-claruty.co.jp/

■本取り組みに参加した担当者 : 男澤 洋子氏のコメント
「化粧品」を触るなどの官能評価は新しい分野でしたが、私自身「化粧品」には興味があり、自分だからこその意見を活かせるのではないかと思いました。官能評価試験は、視覚障がい者が日常感じ取っている「触覚」を使うため、難しくありませんし、楽しくできる内容でした。実際に参加した人たちから「楽しかった」という声があり、障がいがあってもできることがあると、前向きになれます。本取り組みを含め、サポートや配慮があれば障がい者にできることがたくさんあるということを知ってもらい、さまざまなことにチャレンジできる機会が増えることを期待しています。
■取締役 営業部長 : 松田 泰氏のコメント
ポーラ・オルビスグループ様との取り組みは、当社の社名由来のひとつでもある「一人ひとりが輝く(clarte)」にもつながる活動ができたと喜ばしく思っています。また、ポーラ・オルビスグループ様が目指す「美の多様性の追求」と当社の「ノーマライゼーションの推進」がコラボレーションすることができ、いわゆるWell-beingの実現に近づけたとも感じています。「ダイバーシティ&インクルージョン」が注目されている中、今回の取り組みがきっかけのひとつとなり、障がい者の自己実現・活躍する場がさらに広がることに期待を寄せています。

【参考】  
障がい者に役立つポータルサイト 「ゆうゆうゆう」
ポーラ・オルビスグループ インタビュー記事   
https://www.u-x3.com/?p=9323



プレスリリース提供:PR TIMES

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