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〜脱炭素の新たな戦略づくりで日本を動かす〜

(PR TIMES) 2023年06月22日(木)16時15分配信 PR TIMES

「社会的ティッピングポイントに関する意識調査結果」より

この度、株式会社日本能率協会コンサルティング(本社:東京都港区・代表取締役社長:小澤勇夫 以下JMAC)は、気候非常事態ネットワーク(以下 CEN) と共同で、東京大学名誉教授の山本良一先生の監修のもと、「脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイントに関する意識調査」を実施いたしました。
ティッピングポイントとは、物事が緩やかに進んでいるうちに、ある時点から急激に加速が始まるその転換点のことをいいます。携帯電話が急速に普及する、テレワークが急速に当たり前になる、こうした社会現象のティッピングポイントを脱炭素化の活動に応用できないか、いま欧州を中心に研究が進んでいます。気候科学では、脱炭素活動をポジティブに加速させる「社会的ティッピングポイント(STP:Social Tipping Point)」と、地球温暖化の影響により自然崩壊が急速に進む、ネガティブな方向での「気候のティッピングポイント(CTP:Climate Tipping Point)」が論じられています。今回この2つのティッピングポイントの認知度を中心にして、幅広い職業と年齢層に調査を行いました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/80217/16/resize/d80217-16-41522f7b658f2a2695ce-8.png ]

調査結果 概要
◆ 調査のまとめ
 本調査を通して、以下のような論点が見出されました。


日本において、気候のティッピングポイントと社会的ティッピングポイントの双方とも認知度は高くない。
一方で、脱炭素化のための多様な技術開発への関心度は高い。
脱炭素化の取り組みの加速が急がれる中で、ハード面の取り組みの認知度は高いが、社会意識を高めていくソフト面のアクションについてレベルを上げる余地がある。
現状では、政府の規制や緩和による介入を期待する傾向が強く、市民運動や国民的な議論といったレベルでの盛り上がりは見られない。
今後の脱炭素化の取り組みについては、網羅的ではなく、アクションの集中化と社会的ティッピングポイントを生み出すしかけ作りといった、戦略的なシナリオづくりを検討する機会が必要である。


◆ 今後に向けて
本調査結果を広く産業界に周知のうえ、CTP/STPの調査・研究活動をさらに展開して、サステナブル経営のあり方について継続して検討してまいります。

以下、本調査概要およびサマリーをご紹介します。

調査概要・結果(サマリー)
調査方法  : Webによるオープンアンケート方式 (記名式)
調査時期   : 2023年5月9日 から 2023年5月25日
有効回答数 : 761人(会社役員34人、会社員225人、自営業・自由業10人、 教職員40人、公務員18人、団体役員10人、団体職員25人、 大学生・大学院生395人、その他4人)
※詳細報告書をご希望の方は、表題に「社会的ティッピングポイントに関する意識調査報告書希望」と明記してinfo_jmac@jmac.co.jpまでご連絡ください

◆ 調査結果


日本人は世界で懸念されている温暖化による自然崩壊の4割程度しか知らない

温暖化で自然崩壊が急速に始まり、復元不可能になるポイントを「気候のティッピングポイント(CTP)」と呼ぶ。
こうした懸念がある16個の自然崩壊現象のうち、回答者の約半数以上が知っていると回答できたのは6個のみ。ただ16個は日本から遠く馴染みが薄く、国内で「気候のティッピングポイント」が懸念される身近な現象で、関心を高める必要がある。(農林水産、生態系、自然等事象) (設問1-1)


[画像2: https://prtimes.jp/i/80217/16/resize/d80217-16-df068b7a60f8efdfaa0f-2.png ]



「気候のティッピングポイント(CTP)」を知っている日本人は20%

気候のティッピングポイントを「よく知っている」または「ある程度知っている」と答えたのは合わせて20%(大学生を除く社会人では34%)。 これまで地球温暖化の原因がCO2排出であるとの科学的根拠に、教育・研究や報道が慎重な姿勢で、CTPの認知度は高まっていないと考える。 (設問1-2)

 
[画像3: https://prtimes.jp/i/80217/16/resize/d80217-16-57f37ecc739f110c568b-1.png ]



気候変動に敏感なのは、実は若者ではなく、 中高年層 

「気候のティッピングポイント」を知っていて、地球温暖化に関心が高いのは、中高年層であり、大学生などの関心は高くない。(設問1-2)


[画像4: https://prtimes.jp/i/80217/16/resize/d80217-16-51f5c6236213496ff0e6-0.png ]



温暖化の被害が気になるのは、夏の暑さと暴風雨や洪水、新たな感染症も。会社員は企業のリスク対策コストの上昇が気がかりに

温暖化の被害をすでに受けていると感じるものは、夏の暑さや暴風雨や洪水など、企業は温暖化によるリスクの対策コストやエネルギーや水不足などコストアップが気がかり。 ただしコロナやウクライナ情勢の影響と混然となってきている。(設問1-3、1-4)


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エネルギー技術の認知度が高いのは、太陽光と風力のほか、水素・アンモニア、バイオ燃料が浸透。脱炭素化の技術では、EV、省エネ住宅、代替肉の認知度が高い

その他の技術でも「聞いたことがある」まで含めると
約50%(社会人だけでは70%)が認知できている。全固体電池、超電導送電、デジタルツインなど次世代技術、デジタル技術の認知度は平均より低い。(設問2-1、2-2)


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社会的ティッピングポイントの認知度は、 「よく知っている」と「ある程度知っている」を合わせて13%で、気候のティッピングポイントの認知度よりさらに低い

社会人グループでは20%、大学生グループは4%の認知度。脱炭素技術への関心は高いが、どのように普及させていくのかソフト側の検討が進んでいないと考える。(設問3-1)

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「商品のCO2排出量表示」による消費者の購買行動の変化が、脱炭素の社会的ティッピングポイントになるのを期待している。ただし日本では草の根の市民運動より、政府からの規制や緩和による指示のほうが取り込みやすい 

そのほかの社会人グループからは「炭素税導入」や「技術開発の大規模な優遇措置」など政府の政策への期待が大きい。ただし社会的ティッピングポイント(STP)を生み出すきっかけとして突出した期待項目がなく、取り組みが網羅的で戦略性は見られない。また、「住民参加による自治体の脱炭素チーム」や「インフルエンサーによる自発的な行動変革の促し」など、市民活動による変革は国内では期待されていない。 (設問3-2)


[画像8: https://prtimes.jp/i/80217/16/resize/d80217-16-3734537d05972f7809ec-6.png ]

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<参考> アンケート内容
基本記入項目 : 氏名、メールアドレス、勤務先・所属先、所属部門・役職、職業、年代

1-1 気温上昇によって地球上で自然崩壊が懸念されている16の現象の中で、あなたが知っているものを選択してください。
(複数可)
1.グリーンランドの氷床崩壊 2.西南極大陸の氷床崩壊 3.熱帯サンゴ礁の枯死 4.北方永久凍土の突発的融解 5.バレンツ海氷の消失(北極海) 6.ラブラドル海流の崩壊(北大西洋) 7.山岳氷河の消失 8.西アフリカモンスーンのシフト 9.東南極大陸の氷河崩壊 10.アマゾン熱帯雨林の枯死 11.北方永久凍土の崩壊 12.大西洋海流の崩壊 13.北方森林の枯死 (南限の拡大) 14.北方森林の拡大 (北限の拡大) 15.冬の北極海氷の崩壊 16.東南極大陸の氷床崩壊 17.知っているものはない

1-2 このような自然崩壊が急速に進んでしまう転換点は「気候のティッピングポイント(CTP:Climate Tipping Points)」と呼ばれています。あなたはこの言葉を知っていますか
選択肢 (よく知っている  ある程度知っている  聞いたことがある  知らなかった)

1-3 気候変動の影響による被害を、あなたが現在すでに受けているかどうか、3つの選択肢よりお選びください。
1.暴風雨や洪水 2.海水面上昇による移住 3.夏の暑さでの健康被害 4.森林火災 5.新たな感染症の増加 6.水不足 7.農業に影響した食糧不足 8.生態系への影響によるもの
選択肢 (すでに受けている  受けていない  わからない)

1ー4 気候変動の影響による経済的な損失をあなたの所属もしくは関係する企業や団体が現在すでに受けているかどうか、3つの選択肢よりお選びください。
1.事業拠点の移転 2.調達先の変更 3.販売先の変更 4.サプライチェーンの混乱 5.エネルギーや水不足 6.リスク対策コストの上昇
選択肢 (すでに受けている  受けていない  わからない)

2-1 脱炭素化に向けたエネルギー関連技術で、あなたの認知度合いを、3つの選択肢からお選びください。
1.太陽光発電 2.洋上風力発電 3.水素・アンモニア発電 4.次世代原子力発電(SMRなど) 5.核融合発電
大型蓄電池 6.全固体電池 7.バイオ燃料・グリーン燃料 8.スマートグリッド(次世代送電網) 9.超電導送電
選択肢 (知っている  聞いたことがある  知らない)

2-2 脱炭素化をねらう製品や技術について、あなたの認知度合いを、以下の3つの選択肢からお選びください。
1.次世代自動車(EVなど) 2.省エネ住宅(ZEHなど) 3.ゼロエネルギービルディング(ZEB) 4.高効率給湯器 5.グリーン(カーホ゛ンニュートラル)スチール 6.環境対応船(LNG アンモニア 水素) 7.ケミカルリサイクルプラスチック 8.CO2固定化技術(CCS/DACなど) 9.デジタルツイン 10.代替肉
選択肢 (知っている  聞いたことがある  知らない)

3-1 社会的ティッピングポイント(STP:Social Tipping Points)という言葉をあなたは知っていますか。
選択肢 (よく知っている  ある程度知っている  聞いたことがある  知らなかった)

3-2 脱炭素化への社会的ティッピングポイント(STP)を生み出すきっかけとして、あなたが期待できるものを選択してください。
(複数可)
1.企業のCO2排出量が公表されて株価に大きく影響する 2.商品にCO2排出量が表示されて消費者が少ない商品を選ぶ 3.炭素税(カーボンプライシング)が導入されて企業業績に影響する 4.化石燃料関連企業への金融投資が制限されるようになる 5.公共事業の入札条件に低環境負荷の材料使用が義務となる 6.自治体に住民参加型の脱炭素チームの設置が義務となる 7.学校のカリキュラムに脱炭素化プログラムが採用される 8.脱炭素化のリーダー資格制度で公認の推進人材が増える 9.インフルエンサーやナッジ手法で人の自発的な行動変革が促される 10.国の安全保障の観点から脱炭素の重要性が強くアピールされる 11.グリーン成長戦略による大規模な優遇措置で技術開発が大きく進む 12.カーボンニュートラルを達成したモデル地域や組織が生まれる 13.コンパクトシティやスマートシティの推進成功例が生まれる 14.その他

(自由記述) そのほか気候や社会的なティッピングポイントに関連して、ご意見、ご感想があればご記入ください。


調査会社
◆ 気候非常事態ネットワーク(CEN) https://www.zeri.jp/cen/
気候非常事態ネットワークは、東京大学名誉教授の山本良一先生を発起人代表とした、カーボンニュートラル社会への転換を支援する自由で開かれたネットワークである。NPO法人ゼリ・ジャパンに事務局を置き、この問題に関心の深い団体、個人、企業、行政等が情報交換をしながら幅広く連携している。

◆ 株式会社日本能率協会コンサルティング https://www.jmac.co.jp/
総合コンサルティングファームとして、産業界の経営課題に対し支援・課題解決を行っている。経営を「現場」と捉え、戦略・研究開発・ものづくり・SCM・マーケティングなど経営のさまざまな「現場」での課題解決を通し組織・人の他、企業、そしてそれを取り巻く社会全体を変えていく社会価値を目指すコンサルティングを行っている。

本調査に関するお問合せ先
「脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイントに関する意識調査」事務局
株式会社日本能率協会コンサルティング 宮越 睦子
E-mail: info_jmac@jmac.co.jp

《株式会社日本能率協会コンサルティング 概要》
社  名 : 株式会社日本能率協会コンサルティング (JMAC)
所 在 地 : 〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-22 日本能率協会ビル7階
TEL 03-4531-4300(代表) FAX 03-4531-4301
創 立 : 1980年4月1日(創業1942年)
資 本 金 : 2億5千万円
社 員 数 : 約370名
業務内容: 経営コンサルティング業 ; 戦略、マーケティング&セールス、R&D、生産、TPM、サプライチェーン、組織・ 人事、BPR、ITビジネス等、クロスファンクショナルなコンサルティングサービスを展開。



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