プレスリリース
ESG重視型グローバルベンチャーキャピタルファンドのMPower Partners Fund(以下MPower)は、鉱山廃棄物からレアアースやその他の重要鉱物を精製する新手法を開発するスタートアップ、Phoenix Tailings Inc.(以下Phoenix Tailings)に出資しました。
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世界のレアアース需要は年々伸びており、2006年から2021年までの15年間で年間需要は12万5000トンに倍増しました。2030年には電気自動車(EV)や風力発電分野での永久磁石の使用が史上最高の31万5,000トンに達する見込みです(*)。その一方で、レアアースのバリューチェーンを支配してきた中国と欧米諸国との間で地政学的リスクが顕在化しており、世界中の政府および企業は従来の手法に代わるレアアース精錬方法を模索しています。
Phoenix Tailingsは、鉱山廃棄物である尾鉱からレアアースを効率よく回収する手法を開発する企業であり、その知的財産が強みです。鉄鉱石やレアアースの採掘からは毎年2,000億トン以上の尾鉱が生まれるものの、用途はなく放置されており、そこから発生する温室効果ガスは世界の排出量の約7%を占めています。Phoenix Tailingsが開発したのは、副産物を砂・水・鉱物塩のみとする金属回収方法です。さらに、有害な化学物質を使わずに4割ほど省エネな方法で酸化物を分離させ、最終的なレアアース金属に精錬する技術の開発にも成功しました。これは、EV用モーターや風車の主要部品である永久磁石を持続的に生産するうえで極めて重要です。
Phoenix Tailingsは現在、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)を生産しているほか、今月には新しい加工施設を立ち上げる予定です。MPowerは、世界で初めて経済合理性を妥協せず地球環境に優しい金属会社を目指すPhoenix Tailingsをポートフォリオ企業として支援できることを嬉しく思います。この資金調達ラウンドでは、MPower以外にもPresidio Ventures、EIC Rose Rock、Envisioning Partnersが投資家として参加しました。
*出所:The Brooking Institute
https://www.brookings.edu/articles/could-africa-replace-china-as-the-worlds-source-of-rare-earth-elements/#
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Phoenix Tailings創業チームのコメント
鉱業と金属精錬は、現代社会の礎となってきました。金属はあらゆる活動に不可欠であり、脱炭素・電動化への移行に必要な技術を支える要です。一方で、鉄鉱業にはいまだに無駄が多く、非効率で有害な面もあります。私たちは革新的な技術を通じて、環境や公衆衛生の基準を損なわずとも重要な素材を製造できることを世界に示していく予定です。今回の新たな資金調達により、廃棄物ゼロ・二酸化炭素排出ゼロのレアアース生産を通じて、鉱業と金属精錬の未来を加速させることを目指します。
■Phoenix Tailings Inc. 概要
住所:8 Henshaw Street, Suite B, Woburn, MA 01801, USA
代表者:Nick Meyers
事業内容:尾鉱からのレアアースやその他重要鉱物の回収および精錬
企業HP:https://phoenixtailings.com/
■MPower Partners Fund概要
MPower Partners Fundは、ESG重視型のグローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンドです。スタートアップがESG( 環境、社会、ガバナンス)の視点を戦略に取り入れれば持続的な成長と社会・環境への好影響が生まれるという信念のもと、豊富な経験と専門知識を有するメンバーが社会的課題の解決に挑む起業家を支援し、より多くのイノベーションが生まれる未来を実現します。
ファンドHP:https://www.mpower-partners.com
本件に対する問い合わせ先
info@mpower-partners.com
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プレスリリース提供:PR TIMES