プレスリリース

昭和電工株式会社

半導体研磨材料の生産能力などの増強に総額200億円の投資

(PR TIMES) 2022年09月05日(月)22時40分配信 PR TIMES

昭和電工株式会社のグループ会社である昭和電工マテリアルズ株式会社は、半導体回路平坦化用研磨材料「CMPスラリー」の生産能力と評価機能を増強します。総投資額は約200億円で、今後ますます拡大する需要に対応するとともに、最先端デバイスの高度な要求を実現できるCMPスラリーの開発を推進します。
 昭和電工マテリアルズ株式会社(取締役社長:高橋 秀仁、以下、昭和電工マテリアルズ)は、半導体回路平坦化用研磨材料「CMPスラリー(*1)」の生産能力と評価機能を増強します。それに伴い、山崎事業所、同事業所の勝田サイトおよび台湾の連結子会社Showa Denko Semiconductor Materials (Taiwan) Co., Ltd.(以下、SDSMT)で、工場の新設や生産・評価設備の導入を行います。総投資額は約200億円で、今後ますます拡大する需要に対応するとともに、最先端デバイスの高度な要求を実現できるCMPスラリーの開発を推進します。今回の能力増強により、当社グループにおけるCMPスラリーの生産能力は約20%増加する見込みです。

 第5世代移動通信システム(5G)の商用化によるデータセンターや移動体端末の需要の増加に加え、人工知能(AI)や自動運転などの分野での技術革新による半導体の高性能化で、CMPスラリー市場は2019年以降、年率10%を超える成長率(*2)を達成しています。半導体メモリー(*3)における2次元から3次元への構造の変化、半導体ロジック(*4)の微細化に伴うトランジスタ構造の複雑化による研磨層数のさらなる増加で、今後も市場成長が見込まれています。

 当社のCMPスラリーは、半導体メモリーおよび半導体ロジックの製造工程で不可欠な材料で、研磨時に半導体基板上に生じる傷(研磨傷)が少ない点を強みとして、世界2位のシェア(金額ベース、2021年)(*5)を有しています。中でも独自の微粒子合成技術で開発した微細な砥粒を用いた「ナノセリアスラリー(*6)」等のセリアスラリー(*7)は、さらなる研磨傷低減を実現できる点が評価されており、世界トップシェア(金額ベース、2021年度)(*8)を有しています。

 当社はこのたび、今後の半導体デバイスの技術進歩に伴う高機能化ニーズの高まりや需要拡大に対応するため、CMPスラリーにおいて生産能力増強などの投資を行います。SDSMTでは、最先端デバイス向け半導体ロジックの回路形成工程で用いられるナノセリアスラリーの生産能力を2023年1月より拡大します。また、同工場内において2023年7月をめどに、高研磨速度と低研磨傷の両立が可能なセリアスラリーの能力増強も行います。
 山崎事業所では、高精細な半導体デバイスの需要増加に伴い、研磨傷低減のニーズがより強まっていることを受け、2022年3月、最先端の欠陥検査装置等を導入しました。半導体基板上のより細かな研磨傷の分析が可能となることで、次世代デバイス向け低研磨傷スラリーの開発を促進するとともに、既存製品のさらなる品質改善を行います。また同事業所の勝田サイトにおいては、従来のセリアスラリーに比べて、さらなる高研磨速度と研磨平坦性の両立を可能にしたセリアスラリーなどの能力増強を行います。

 当社は2020年に、SDSMTや韓国の連結子会社Showa Denko Electronic Materials (Korea) Co., Ltd.において計110億円を投資して、CMPスラリーの生産設備増強や工場新設を行うことを発表し、製品供給体制を強化してまいりました。今回の生産能力および評価設備の増強で、今後も成長が見込まれる最先端の半導体メモリーや半導体ロジックへの次世代製品の生産および開発を強化するとともに、伸び筋製品への積極的な投資を通じてグローバルトップシェア事業を拡大していきます。

(*1) CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学的機械研磨)とは、半導体デバイスの回路形成工程で発生した凹凸を研磨、平坦化する技術のこと。CMPスラリーはこの回路形成工程の研磨、平坦化に用いられる材料で、砥粒と水溶液で構成される。
(*2) 出典:グローバルネット
(*3) 半導体メモリーとは、半導体デバイスのうち、データ記憶を行う集積回路のこと。
(*4) 半導体ロジックとは、半導体デバイスのうち、計算する役割を持つ集積回路のこと。
(*5) 出典:株式会社富士経済「2022年 半導体材料市場の現状と将来展望」
(*6) ナノセリアスラリーとは、当社が独自の微粒子合成技術により開発した、粒子径が数ナノメートルの微細な砥粒を用いたCMPスラリーのこと。
(*7) セリアスラリーとは、酸化セリウムを砥粒として用いたCMPスラリーのこと。研磨傷が少なくかつ高速研磨が可能。
(*8) 出典:グローバルネット

〈今回の投資を実施する当社拠点およびグループ会社所在地〉
 ・山崎事業所:茨城県日立市
 ・山崎事業所(勝田):茨城県ひたちなか市
 ・Showa Denko Semiconductor Materials (Taiwan) Co., Ltd.:台湾台南市


【昭和電工グループについて】
 昭和電工グループは、半導体材料において世界トップシェアの製品を数多く持ち、半導体・電子材料の売上高は、全体の3割にあたる約4,000億円に上ります。
 2023年1月には昭和電工マテリアルズ株式会社(旧日立化成株式会社)との完全統合、Resonacへの社名変更*を予定しており、半導体分野で高純度ガスからパッケージ材料まで幅広い製品を手掛けています。さらに、国内の半導体材料・装置メーカー各社との共創プラットフォームを生かし、技術革新を加速させます。今後も事業活動を通じてパーパス「化学の力で社会を変える」を実現していきます。詳しくは各社ウェブサイトをご覧ください。
昭和電工株式会社 https://www.sdk.co.jp/
昭和電工マテリアルズ株式会社 https://www.mc.showadenko.com
* 2022年9月下旬に開催予定の臨時株主総会にて承認された場合

プレスリリース提供:PR TIMES

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