プレスリリース
株式会社シンク・ネイチャー(以下シンク・ネイチャー )は、自然資本ビッグデータとAIに基づいて「生物多様性ネットゲイン」を可視化し、ネイチャーポジティブ事業を推進するためのサービス「TN GAIN」(https://services.think-nature.jp/gain/)の提供を開始いたします。
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TN GAINサービスの背景
2030年までに、生物多様性消失に歯止めをかけ、生物多様性を回復の軌道に乗せるネイチャーポジティブ(自然再興)と呼ばれる国際目標があります。これは、2050年までに生物多様性を十分に回復させ「自然と共生する社会」を実現するための前段階の目標で、2050年カーボンニュートラルにも呼応したものです。
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一方で、生物多様性は多面的な要素を包含するので、その消失や回復を数値的に定量するのが困難でした。この難題を、シンク・ネイチャーは、自然資本ビッグデータとマクロ生態学の理論やシステム化保全計画のアルゴリズムを駆使することで解決し、自然保護区の効果量の測定を可能にし、30by30やOECMの実効性強化を提唱してきました(*1)。
このような、ネイチャー関連のデータテクノロジーを基に実装された「TN GAIN」は、企業や自治体などが行う保全・再生事業を支援するサービスで、「生物多様性の純増」以下「生物多様性ネットゲイン」を定量します。
TN GAINの特徴
住宅の庭づくり、都市再開発における不動産物件の緑化計画 、企業緑地や社有林における森づくり、ビオトープの計画など、ネイチャーポジティブ関連事業の効果量をビフォー・アフターの比較を基に算定し、生物多様性ネットゲインを可視化します。
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さらに、データに基づいたシナリオ分析を行い、生物多様性ネットゲインの費用対効果の算定、および、ネットゲインを最大化する事業計画を提案します。例えば、不動産開発のロケーションに応じて、様々な生き物の生息環境や共生関係を再生するための植栽樹種・本数の最適組み合わせ等を計算します。様々なシミュレーションを行い、従来的な事業(成り行きシナリオ)、他社と差別化した事業(自社シナリオ)を行った場合などを比較し、ベストプラクティスなネイチャーポジティブ事業を、科学的にデザインできます。
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TN GAINの実績
本サービスのパイロット版は、生物多様性に先進的に取り組んでこられた幾つかの企業・団体に導入され、その成果がPRやIRに活用された実績があります。例えば、積水ハウスの「5本の樹」計画、都市緑化機構のSEGES(シージェス)認定緑地、サントリー「天然水の森」における森林整備、イオンの「ふるさとの森づくり」事業、住友林業緑化に関係する企業緑地、三菱地所レジデンスの「ビオネットイニシアチブ」におけるネイチャーポジティブ効果の可視化です。このような顧客の皆様との対話の過程で企業ニーズを組み込んで、ネイチャーポジティブ支援サービスの質を向上させ、今回、「TN GAIN」として、正式リリースに至りました(https://services.think-nature.jp/gain/)。
TN GAINの有用性と今後の展開
TN GAINでは、分析結果を、ネイチャーポジティブ評価カードとして提供します。このような評価結果は、自社の生物多様性関連アクションを、昆明・モントリオール生物多様性枠組など、グローバル政策の優先事項と目標に結びつけることができ、従来的なCSR活動を、国際的なコミットメントとしてPR・IRに活用できます。
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今後、「TN GAIN」は、有機農業を含むリジェネラティブ農業による田畑・果樹作りに伴うネイチャーポジティブ効果、海のサンゴ礁や海草藻場の再生事業の実効性評価サービスを提供する予定で、現在、パイロットサービスを検討中です。将来的には、陸と海のネイチャーポジティブ事業における生物多様性ネットゲインを高精度で定量することで、ネイチャークレジットの算定枠組みを構築することも目的にしています。
会社概要
【株式会社シンク・ネイチャー】
生物多様性科学において卓越した研究業績を有する研究者で構成されている琉球大学発スタートアップです(https://think-nature.jp)。世界の陸・海を網羅した野生生物や生態系の時空間分布を、自然史の研究論文や標本情報、リモートセンシング(人工衛星・ドローンによる観測)、環境DNA調査、野生生物の行動記録(バイオロギング)、植物・動物愛好者の研究などで収集された生物関連データ(地理分布、遺伝子、機能特性、生態特性など)を元にビッグデータ化し、AI等の最先端技術を用いたネイチャーの可視化や予測やシナリオ分析技術を有しています(*2)。TNFDのデータカタリストイニシアティブに参画し、自然資本ビッグデータを活用した自然の持続的利用に関する分析、評価、 ソリューション TN LEAD(*3)で、金融機関・機関投資家・企業の生物多様性対応を支援しています。また、生物多様性の記載に尽力している研究者を表彰する「日本生態学会自然史研究振興賞」を提唱し、賞金を提供して基礎科学の裾野を支える活動を行い(*4)、さらには一般向けに、生き物の豊かさを、地図で見える化したスマートフォンアプリ「ジュゴンズアイβ版」(無料)をリリースし(*5)、生物多様性の主流化(教育普及)を推進しています。
*1:30by30の実効性評価:地球の陸と海の30%以上を保護地域にする意義
https://note.com/thinknature/n/n2f8ff1ee6169 官民の自然環境エリア(自然公園やOECM等)の拡大を、生物絶滅リスク抑止の観点から算定し、多セクターのネイチャーポジティブ事業の実効性を統合的に見える化し、集団的(コレクティブ)アクションを推進する科学的アプローチを、シンク・ネイチャーは提案しています。
*2:日本の生物多様性地図化プロジェクト:J-BMP https://biodiversity-map.thinknature-japan.com
*3:全産業セクター&グローバルな事業拠点に対応した TNFD対応支援サービス:TN LEAD https://think-nature.jp/service03
*4:日本生態学会の新賞:生物多様性に関する記載研究を推進している会員を表彰する新たな賞 https://note.com/thinknature/n/n885ba7f11009
*5:ジュゴンズアイ(DugongsAI)β版:豊かさを知る冒険が、待っている!
https://services.think-nature.jp/dugongsai/
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